テキスト ボックス:               簡単治具製作シリーズ
                「ミキシングアンプの製作」

                       2009年11月  KY
◎はじめに
オペアンプトウ実験ジッケンでいろいろなチェッカー()があると動作ドウサチェックに便利ベンリ場合バアイがあります。
今回コンカイ2つの信号シンゴウ混合コンゴウ(ミキシング)する簡易カンイテキな「ミキシングアンプ」紹介ショウカイします。
◎システム
ホン装置ソウチ以下イカ、MIX AMPとびます)は1のようにA,Bの2つの入力ニュウリョクがあり、このA,Bを混合コンゴウして
MIX OUTに出力シュツリョクします。
また、MIX AMPにおいて「DC-OFFSET」機能キノウち、MIX OUTに直流チョクリュウ電圧デンアツのオフセット電圧デンアツ
加算カサンすることも出来デキます。
入出力ニュウシュツリョクのA,B,MIX OUTでアツカえる信号シンゴウ周波数シュウハスウはDC〜ヤク100KHzです。
◎ブロック
2にMIX AMPのブロックシメします。
MIXはオペアンプをモチいた「加算カサン回路カイロ」です。この加算カサン回路カイロ入出力ニュウシュツリョク位相イソウ反転ハンテンする「反転ハンテンカタ」です。
したがって、MIX OUTのマエ反転ハンテンアンプ(バッファアンプ)を追加ツイカして、全体ゼンタイ位相イソウわせています。
◎オペアンプによる加算カサン回路カイロ
反転ハンテンカタ加算カサン回路カイロリョウ電源デンゲン)を3にシメします。
この回路カイロ入力ニュウリョクV1,V2を加算カサンしたものが出力シュツリョクVo
アラワれ、その位相イソウ反転ハンテンします。
出力シュツリョク次式ジシキシメされます。
抵抗テイコウRcはオペアンプの「バイアス電流デンリュウによるオフセット電圧デンアツ
をキャンセル(低減テイゲン)させるための抵抗テイコウで、アタイはV1,V2の2入力ニュウリョク
であれば、
Rc=R1//R2//Rf
となり、オオ入力ニュウリョクでは
Rc=R1//R2//・・・・//Rf
となります。
オフセット電圧デンアツ問題モンダイにならない場合バアイはRcを省略ショウリャクして、オペアンプのプラス端子タンシをGNDに接続セツゾクします。
注意チュウイウエシキで「//」は並列ヘイレツ合成ゴウセイ意味イミします。
@〜BシキでRfのマエにある「-」は入出力ニュウシュツリョク極性キョクセイ反転ハンテン意味イミしています。
回路図カイロズ
5に回路図カイロズシメします。
加算カサン回路カイロ利得リトク
加算カサン回路カイロのR5,R6,R7,R8はすべてオナアタイです。(10KΩ)前記ゼンキのBシキから利得リトクは1です。
また、IC3Aの反転ハンテンアンプも利得リトクが1です。したがって、MIX AMPは利得リトクが1で、A,B入力ニュウリョク
そのまま混合コンゴウします。
○A,Bの入力ニュウリョク
A,Bの入力ニュウリョクのスイッチS1,S2は信号シンゴウ結合ケツゴウをACまたはDCで選択センタクできるようにしています。
DC結合ケツゴウ場合バアイ入力ニュウリョク信号シンゴウそのままをMIX AMP内部ナイブアツカい、AC結合ケツゴウ信号シンゴウのAC成分セイブンのみを
してアツカうことが出来デキます。
R1,R3のアタイ入力ニュウリョクのインピーダンスが決定ケッテイされ、このレイでは100KΩになります。
(10KΩでもいとオモいます)
○DC OFFSET
ボリュームVR1のDC電圧デンアツをバッファーアンプIC2Bをカイして加算カサンします。
スイッチS3はDC OFFSETのON/OFFスイッチです。
6にOFFSET ON/OFFの波形ハケイレイシメします。
OFFSET OFFは a ) のようにGND(0V)を中心チュウシンにして波形ハケイれます。
OFFSET ONは b ) のように出力シュツリョク波形ハケイタイしてプラスまたはマイナスのDC電圧デンアツ
加算カサンさせることが出来デキます。
出力シュツリョク(MIX OUT)
位相イソウわせヨウのIC3Aをトオってから、ここでもAC/DC結合ケツゴウ選択センタクスイッチS4をトオって出力シュツリョクされます。
R13,R14の600Ωはオーディオケイ測定ソクテイケイ)のインピーダンスにわせています。
なお、この部分ブブンのオペアンプはバッファ能力ノウリョクタカい「NJM4556」にしています。
製作セイサク
基板キバン
サイズ 72×47mmの片面カタメンユニバーサル基板キバン製作セイサクしました。
配線ハイセントク注意チュウイする部分ブブンはR5,R6,R7とIC2Aのマイナス端子タンシ接続点セツゾクテン極力キョクリョクミジカくすることです。
○ケース
TAKACHIの「YM-150」にんでみました。
A,B,MIX OUTのコネクタは「絶縁ゼツエンタイプのBNCコネクタ」です。
A,Bへの接続セツゾク測定ソクテイ発振ハッシン、ファンクションジェネレータトウ)になりますのでBNCコネクタにして
おくと便利ベンリです。MIX OUTも同軸ドウジクケーブルの「BNC⇔ミノムシクリップ」を使ツカ場合バアイオオいとオモいます
のでこれもBNCコネクタです。
スイッチS1〜S4はすべて「パネルけタイプの3Pスライドスイッチ」です。
ケースのアナ加工カコウ大変タイヘンですが、スコしスイッチにれただけではわらないので操作ソウサ
タイしてはいです。7にフロントパネルの部品ブヒン配置ハイチシメします。
電源デンゲン供給キョウキュウ接続セツゾクヨウ端子タンシ(コネクタ)は「ジョンソンターミナル」です。
シャーシGNDは8のようにGNDの電源デンゲン端子タンシを「アースラグ」に接続セツゾクし、アースラグは金属キンゾクスペーサ
とケースにトモめします。
写真シャシン1,2にケース外観ガイカン内部ナイブ様子ヨウスシメします。
基板キバンチイさいので内部ナイブ配線ハイセンラクです。
使ツカカタ
A,Bの2つの入力ニュウリョク混合コンゴウして出力シュツリョクするだけですが、色々イロイロ使ツカミチがあります。
応用オウヨウレイとして「コンパレータ回路カイロ評価ヒョウカ」にモチいる場合バアイ以下イカ紹介ショウカイします。
○コンパレータ回路カイロ信号シンゴウゲンモチいる
9のようにコンパレータ回路カイロではノイズをフク信号シンゴウでは「チャタリング」をショウじます。
チャタリングは「Eoのエッジを検出ケンシュツ」するような仕様シヨウ場合バアイ余計ヨケイにカウントしてしまうので誤動作ゴドウサ
原因ゲンインになります。
チャタリングが問題モンダイになるような場合バアイは、チャタリングの防止ボウシとして「ヒステリシスコンパレータ」をモチいます。
ヒステリシスコンパレータは専用センヨウのコンパレータICではなく10のように抵抗テイコウR1,R2を追加ツイカして実現ジツゲン出来デキます。
ヒステリシスコンパレータはツギのように動作ドウサします。10のように、
入力ニュウリョク電圧デンアツEaが「シタウエ」に変化ヘンカする場合バアイ
・ErのアタイえたVth(H)のポイントで出力シュツリョクEoが反転ハンテン
入力ニュウリョク電圧デンアツEaが「ウエシタ」に変化ヘンカする場合バアイ
・ErのアタイからがったVth(L)のポイントで出力シュツリョクEoが反転ハンテン
となり、ノイズの影響エイキョウけません。
ここで、カク反転ハンテンポイントを
Vth(H)  上限ジョウゲンスレッショルド電圧デンアツ
Vth(L)  下限カゲンスレッショルド電圧デンアツ
い、Vth(H)〜Vth(L)のハバを「ヒステリシスハバ」といます。
このようにヒステリシスコンパレータはEaにノイズが重畳チョウジョウしていても、一旦イッタン出力シュツリョク反転ハンテンすれば、これがさらに
反転ハンテンするためにはノイズ成分セイブンよりオオきな入力ニュウリョク信号シンゴウ変化ヘンカ必要ヒツヨウになり、ノイズによる誤動作ゴドウサタイして
ツヨくなります。
このようにヒステリシスの評価ヒョウカヨウとして11のように「ノイズをフク信号シンゴウ」をMIX AMPをモチいてツクります。
A,Bの信号シンゴウゲンは「ファンクションジェネレータ」トウ発振ハッシンモチい、このレイではAを本来ホンライ信号シンゴウ
Bをノイズ成分セイブン信号シンゴウゲンとしてモチいます。
評価ヒョウカ回路カイロ12のとおりで、
実際ジッサイ波形ハケイ13、14に
シメします。
13はヒステリシスしの場合バアイで、
Eoにチャタリングがショウじているのが
かります。
14はヒステリシスりの場合バアイで、
適切テキセツなヒステリシスをかけることに
より、チャタリングは発生ハッセイしていません。
13,14におけるノイズをフク信号シンゴウ作成サクセイ15のようにしてオコナっています。
ダイのファンクションジェネレータを用意ヨウイし、それぞれの設定セッテイ15のとおりです。
MIX AMPはA,B入力ニュウリョクはAC結合ケツゴウとし、MIX OUTはDC結合ケツゴウです。A,Bの信号シンゴウ振幅シンプクレベルはそれぞれの
ファンクションジェネレータによりオコナい、MIX OUTの出力シュツリョクが0-5VとなるようにMIX AMPのOFF SETを
調整チョウセイします。
写真シャシン3に実験ジッケン風景フウケイシメします。
使用シヨウカン
写真シャシン3のように信号シンゴウゲン(ファンクションジェネレータトウ)の接続セツゾクは「BNC同軸ドウジクケーブル」が基本キホン
なりますのでこのようなのコネクタもBNCにしておくと便利ベンリです。
ケースは、「微少ビショウ信号シンゴウ」をアツカわないのであれば金属キンゾクケースではなくプラスティックケースでも
いとオモいます。
電源デンゲン外部ガイブにプラスマイナスのDCを供給キョウキュウしますが、スコ面倒メンドウがします。
写真シャシン3ではこのDC電源デンゲンウツっていません)
スコオオきめのケースにして電源デンゲン内蔵ナイゾウにすればさらに使ツカ勝手ガッテいものになります。
◎その応用オウヨウレイ
加算カサン回路カイロはオーディオテキえば「ミキサー」です。
加算カサン回路カイロ応用オウヨウレイとして16に「オーディオヨウミキサー」の回路カイロレイシメします。
カクチャンネル(CH)を独立ドクリツして音量オンリョウ制御セイギョし、ミキサー信号シンゴウ出力シュツリョク)にも音量オンリョウボリュームをモウけたものです。