▼マルツ パーツまめ知識
CR型トーンコントロール回路(音質調整)
原理ゲンリ
○トーンコントロール
オーディオ回路カイロにおけるトーンコントロール(音質オンシツ調整チョウセイ)にはいくつかの方式ホウシキがあります。
今回コンカイ動作ドウサ原理ゲンリ簡単カンタンな「CRカタトーンコントロール回路カイロ」を紹介ショウカイします。
1に一般的イッパンテキなトーンコントロール特性トクセイシメします。
低域テイイキ(BASS)および高域コウイキ(TREBLE)における周波数シュウハスウ特性トクセイ上昇ジョウショウ(ブースト)、下降カコウ(カット)
させることが出来デキる、CRカタコントロール回路カイロ2にシメします。
これは文字モジドオり、C(コンデンサ)とR(抵抗テイコウ)で構成コウセイされたもので、そのわせで
周波数シュウハスウ特性トクセイ操作ソウサしています。
○CRによる特性トクセイ
R(抵抗テイコウ)は周波数シュウハスウアタイによらず、その抵抗テイコウ一定イッテイです。
これにタイし、C(コンデンサ)は周波数シュウハスウによってリアクタンス(インピーダンス)が変化ヘンカします。
したがって、3の回路カイロでは「ある周波数シュウハスウからウエ」になると出力シュツリョクOUTは減衰ゲンスイします。
CRカタトーンコントロール回路カイロはこのようなCの特性トクセイとRをわせて、周波数シュウハスウ特性トクセイ上昇ジョウショウ/
下降カコウさせています。
4に高域コウイキでの回路カイロシメします。
VR2を最大サイダイ最小サイショウにした状態ジョウタイでは4 b ) ,c ) のようになり、上昇ジョウショウ下降カコウします。
5に低域テイイキ高域コウイキにおける上昇ジョウショウ下降カコウ周波数シュウハスウ特性トクセイシメします。
テキスト ボックス: 図5 CR型トーンコントロール回路の特性
製作セイサクレイ
CRカタトーンコントロール回路カイロモチいて製作セイサクしてみました。
○ブロック
CRカタトーンコントロール回路カイロ原理的ゲンリテキに「ヒクインピーダンス」で駆動クドウする必要ヒツヨウがあり、
6のバッファはその役目ヤクメです。
また、これも原理的ゲンリテキにCRカタトーンコントロール回路カイロは「減衰ゲンスイさせて周波数シュウハスウをフラット(一定イッテイ)」
にしているので、入出力ニュウシュツリョク利得リトクわせの目的モクテキ最終サイシュウダンにアンプをモウけます。
回路カイロ
7に回路図カイロズシメします。
バッファおよびアンプは製作セイサク容易ヨウイとなるようにオペアンプをモチいました。
電源デンゲン外部ガイブACアダプタが利用リヨウできるように、タン電源デンゲン供給キョウキュウとし、内部ナイブリョウ電源デンゲン動作ドウサにして
います。(J1のGNDと回路カイロナカのGNDシンボルはコトなるので注意チュウイ
BASS、TREBLEの上昇ジョウショウ/下降カコウ周波数シュウハスウはそれぞれ330Hz、3.3KHzとしてみました。
部品ブヒンヒョウ
部品ブヒン番号バンゴウ 品名ヒンメイ   型番カタバン   メーカー 数量スウリョウ 備考ビコウ
C1,C8 ケミコン 10μF/50V 50YK10   Ruby-con 2  
C15,C16 ケミコン 10μF/50V 50YK10   Ruby-con 2  
C2,C5 フィルムコンデンサ223 CBB21-250-223J   2  
C17,C18 フィルムコンデンサ223 CBB21-250-223J   2  
C3,C19 フィルムコンデンサ224 CL21XB-DC100V0.22UF   2  
C4,C20 フィルムコンデンサ222       2  
C6,C21 フィルムコンデンサ104 CL21XB-DC100V0.1UF   2  
C7,C22 セラコン 47pF       2  
C9,C10 ケミコン 470μF/25V 25YK470   Ruby-con 2  
C11〜C14 セキセラ 0.1μF CT4-0805B104K Linkman 4  
IC1,IC2 オペアンプ   NJM5532D NJRC 2  
J1,J2 DCジャック   MJ14ROHS   2  
J3,J4 Φ3.5ジャック MJ073H     2 ステレオ
R1,R2 カーボン抵抗テイコウ 10KΩ       2  
R12,R13 カーボン抵抗テイコウ 10KΩ       2  
R3,R14 カーボン抵抗テイコウ 1KΩ       2  
R4,R15 カーボン抵抗テイコウ 22KΩ       2  
R5,R7 カーボン抵抗テイコウ 2.2KΩ       2  
R16,R17 カーボン抵抗テイコウ 2.2KΩ       2  
R6,R18 カーボン抵抗テイコウ 100KΩ       2  
R9,R19 カーボン抵抗テイコウ 10KΩ       2  
R10,R11 カーボン抵抗テイコウ 1KΩ       2  
VR1,VR2 2レンボリューム RD925G-QA1-A104 Linkman 2 100K,A
XIC1,2 ICソケット8P(イタばね)       2  
  ユニバーサル基板キバン LUPCB-7247-NS Linkman 1  
  ボリュームヨウツマミ K-100-16RL-B   サトーパーツ 2 クロ
  ツマミキャップ K-100-16CL-GY   サトーパーツ 2 ハイ
  ケース   YM-100   TAKACHI 1  
  金属キンゾクスペーサ       一式イッシキ  
  ビスルイ         一式イッシキ  
トーンコントロールのコンデンサはすべて「フィルムケイ」です。
なるべく小型コガタのほうが実装ジッソウラクになります。
ボリュームは「Aカーブ」です。Bカーブ特性トクセイモチいるとボリューム位置イチセンターで周波数シュウハスウ
特性トクセイがフラットにならないので注意チュウイ
今回コンカイはこのボリュームにLinkmanセイモチいました。このボリュームは基板キバン実装ジッソウタイプで
余計ヨケイなワイヤー配線ハイセンをする必要ヒツヨウく、便利ベンリです。
DCジャックが2つあるのは、ホカ機器キキ電源デンゲン供給キョウキュウさせるためのもので、電源デンゲン独立ドクリツして
モチいる場合バアイ不要フヨウです。
オペアンプは手持テモちの関係カンケイからNJM5532Dを採用サイヨウしました。
電気的デンキテキ特性トクセイ後述コウジュツしますが、オペアンプの特性トクセイがそのままるようです。
(ただし、基板キバンツクカタによりコトなるかもしれません)
製作セイサク
製作セイサクにはユニバーサル基板キバンモチいました。
Linkman LUPCB-7247-NS
基板キバンサイズ 72×47 で、写真シャシン1に内部ナイブ様子ヨウスシメします。
この基板キバンは「GNDヨウパターン」があり、このパターンを利用リヨウしてケースにGNDを接続セツゾクします。
8を参照サンショウ
なお、この回路カイロはインピーダンスがタカいので金属キンゾクケースに収納シュウノウしないとノイズをヒロいやすく
ケース収納シュウノウ必須ヒッスです。
ケースにはTAKACHIのYM-100をモチ完成カンセイ外観ガイカン写真シャシン2にシメします。
電気的デンキテキ特性トクセイ
ツクりぱっなしではいけませんので、電気的デンキテキ特性トクセイ測定ソクテイしてみました。
周波数シュウハスウ特性トクセイ
フラット(ボリュームセンター)、ブースト(ボリューム最大サイダイ)、カット(ボリューム最小サイショウトキ
特性トクセイヒョウ1、グラフ1にシメします。
ブースト、カットトキ特性トクセイは、ほぼ、設計セッケイどおりです。
○ひずみリツ特性トクセイ
ヒョウ2、グラフ2にシメします。BASS、TREBLEともにブーストした状態ジョウタイ測定ソクテイしています。
オペアンプの特性トクセイがそのままアラワれています。
条件ジョウケン
BASS、TREBLE最大サイダイ
10KΩ負荷フカ、THDN (LPF = 100KHz)
○SN
条件ジョウケン 結果ケッカ
フラットトキ、JIS-A Lch → 98.0dB
1KHz、0dBV出力シュツリョク、10KΩ負荷フカ Rch → 98.2dB
○チャンネルセパレーション
条件ジョウケン 結果ケッカ
フラットトキ Lch → Rch 78.2dB
1KHz、0dBV出力シュツリョク、10KΩ負荷フカ Rch → Lch 79.9dB
JIS-A
○コメント
製作セイサク原理ゲンリ試作シサクフクめてユニバーサル基板キバンにて2ダイオコナっています。
最初サイショ原理ゲンリ試作シサクではチャンネルセパレーションがかなりワルアタイで、なおかつ、カクチャンネルへ
アタイコトなっていました。
これは部品ブヒン配置ハイチおよびGND接続セツゾクをそれほど意識イシキしないで製作セイサクした結果ケッカです。
SNおよび周波数シュウハスウ特性トクセイは、どのように製作セイサクしても、それなりの特性トクセイるとオモいます。
製作セイサクされるカタは、なるべく部品ブヒン配置ハイチはL/Rの距離キョリハナし、GNDラインは極力キョクリョクミジカく、共通キョウツウ
インピーダンスをツクらないほうが結果ケッカるとオモいます。
ヒョウ1 周波数シュウハスウ特性トクセイ ヒョウ2 ひずみリツ特性トクセイ
VP-7725B AG16C/AD725D 100KHz-LPF
周波数シュウハスウ(Hz) フラット ブースト カット 出力(Vrms) 1KHz 100Hz 10KHz
20 0.1 14.4 -15.86 0.2 0.019 0.019 0.0175
30 0.74 14.36 -14.38 0.4 0.0095 0.0095 0.0092
40 0.82 13.73 -13.42 0.6 0.0063 0.0063 0.0060
50 0.74 12.94 -12.64 0.8 0.0047 0.0047 0.0046
60 0.61 12.1 -11.91 1.0 0.0037 0.0037 0.0036
70 0.46 11.33 -11.2 1.2 0.003 0.003 0.0030
80 0.32 10.6 -10.6 1.4 0.00265 0.00265 0.0026
90 0.21 9.93 -10.00 1.6 0.00235 0.00233 0.0023
100 0.13 9.3 -9.40 1.8 0.0021 0.002 0.0021
200 -0.3 5 -5.40 2.0 0.00182 0.00187 0.0018
300 -0.35 2.89 -3.10 2.2 0.0017 0.0017 0.0017
400 -0.3 1.77 -1.85 2.4 0.00155 0.00155 0.0016
500 -0.28 1.14 -1.00 2.6 0.0014 0.0014 0.0015
600 -0.22 0.75 -0.58 2.8 0.0013 0.00135 0.0014
700 -0.16 0.53 -0.25 3.0 0.00125 0.00125 0.0013
800 -0.1 0.4 0.00 3.2 0.0012 0.0012 0.0013
900 0 0.32 0.13 3.4 0.0012 0.0012 0.0013
1000 0 0.3 0.23 3.6 0.00115 0.00115 0.0013
2000 0.23 0.97 0.00 3.8 0.0011 0.0011 0.0013
3000 0.31 2.19 -0.80 4.0 0.00108 0.00108 0.0014
4000 0.34 3.5 -1.87 4.2 0.22 0.4 0.2450
5000 0.35 4.74 -2.94 4.4 1.3 1.9 1.3500
6000 0.36 5.88 -4.00
7000 0.35 6.9 -5.00
8000 0.35 7.81 -5.90
9000 0.35 8.64 -6.70
10000 0.35 9.39 -7.50
20000 0.26 14.1 -13.10
30000 0.13 16.38 -16.73
40000 0 17.5 -19.40
50000 -0.26 18 -21.48
60000 -0.5 18.3 -23.30
70000 -0.77 18.4 -24.88
80000 -1 18.35 -26.30
90000 -1.3 18.23 -27.56
100000 -1.6 18.07 -28.75
使用シヨウカン
仕事シゴトでは「LM4752をモチいたミニアンプ」と「ミニコンポヨウスピーカ」をBGMヨウとして
モチいています。ミニコンポヨウスピーカは小型コガタですから、若干ジャッカン低域テイイキ不足フソクカンじてい
ましたので、このわせに今回コンカイのトーンコントロールを付加フカしました。
トクにBASSをブーストするとかなり迫力ハクリョクがある低域テイイキとなっています。
ミニコンポヨウスピーカの低域テイイキ増強ゾウキョウ効果コウカがあり、筆者ヒッシャはBASSをブースト最大サイダイモチいています。
ブースト/カットを強調キョウチョウしたい場合バアイ9のようにFL、FHを現在ゲンザイ設計セッケイアタイから内側ウチガワにすると
いです。変更ヘンコウ前記ゼンキ5のように定数テイスウ変更ヘンコウします。
最近サイキン回路カイロシミュレーションソフトが容易ヨウイ入手ニュウシュできますから、このようなツールを利用リヨウして
事前ジゼン特性トクセイ確認カクニンしてから製作セイサクすることをおススめします。