簡単治具製作シリーズ
        
hFEチェッカーの製作
2011年2月  KY
◎hFEとは
hFEとは1のようにエミッタ共通キョウツウ接地セッチ回路カイロにおけるコレクタ電流デンリュウとベース電流デンリュウです。
ベース電流デンリュウにわずかな直流チョクリュウ電流デンリュウナガれると、オオきなコレクタ電流デンリュウナガれます。
つまり、増幅ゾウフクをおこなっていて、この直流チョクリュウ増幅ゾウフクリツを「直流チョクリュウ電流デンリュウ増幅ゾウフクリツhFE」います。
◎hFEのアタイオナじトランジスタ品種ヒンシュでもばらつく
hFEはオナじトランジスタ品種ヒンシュでもそのアタイに「ハバ」があり、hFEのアタイをランクけしています。
タトえば、東芝トウシバの2SC1815などは以下イカのようなランクけです。
Oランク : hFE範囲ハンイ 70〜140
Yランク : hFE範囲ハンイ 120〜240
GRランク : hFE範囲ハンイ 200〜400
このようにhFEのアタイには「ハバ」がありますが、指定シテイのランクナイ、またはどのようなランクが
あっても正常セイジョウ動作ドウサするように回路カイロ設計セッケイします。
◎hFEチェッカーをツク
hFEのアタイかればトランジスタの「良否リョウヒ判定ハンテイまたはNPNとPNPの「ペアトランジスタ選別センベツ
便利ベンリです。(注意チュウイ正確セイカクにはhFEのみではペアトランジスタになりません)
そこで、簡単カンタンにhFEがかるチェッカーを製作セイサクしましたので紹介ショウカイいたします。
◎hFE測定ソクテイ原理ゲンリ
○ベース電流デンリュウ
2にhFEの測定ソクテイ原理ゲンリシメします。
2 a) は抵抗テイコウRをモチいてベースに電流デンリュウナガします。
これにより、ベース電流デンリュウとコレクタ電流デンリュウをDC電流デンリュウケイモチいて電流デンリュウ測定ソクテイすれば、この電流デンリュウ
計算ケイサンすることによりモトまります。
しかし、この方式ホウシキでは電源デンゲン電圧デンアツVccのアタイによりベース電流デンリュウ変化ヘンカしてしまい、その都度ツド
カク電流デンリュウ測定ソクテイする必要ヒツヨウがあります。
そこで、2 b)のようにベース電流デンリュウは「テイ電流デンリュウゲン」により、ツネ一定イッテイ電流デンリュウナガことをカンガえて
みます。
この場合バアイ、ベース電流デンリュウ電源デンゲン電圧デンアツによらず、ツネ一定イッテイアタイです。
したがって、このベース電流デンリュウ計算ケイサンしやすいアタイタトえば「10μA」のようにしておけば、
コレクタ電流デンリュウのみ測定ソクテイすればく、また、ベース電流デンリュウが「きりの数値スウチ」ですから、
hFEの計算ケイサン暗算アンザンですることが可能カノウです。
今回コンカイ試作シサクはこのテイ電流デンリュウによる方式ホウシキ採用サイヨウしています。
テイ電流デンリュウゲン
テイ電流デンリュウゲンには「接合セツゴウカタFET」(JFET)をモチいています。
3にJFETの特性トクセイシメします。ヒク電圧デンアツ領域リョウイキでなければドレイン電流デンリュウはVDSに依存イゾンしなくなり、
ゲート・ソースカン電圧デンアツにより決定ケッテイされます。
これを利用リヨウし、ゲート・ソースカン接続セツゾクすればゲート・ソースカン電圧デンアツは0Vになり、IDSSのドレイン
電流デンリュウナガれ、これは一定イッテイ電流デンリュウです。
ゲートとソースをそのまま接続セツゾクした場合バアイ3のようにJFETの特性トクセイ決定ケッテイされる電流デンリュウ
になりますが、4のようにソースに抵抗テイコウRを追加ツイカしてみます。
この場合バアイ、ゲートの直流チョクリュウ電位デンイはソースを基準キジュンにするとマイナスになります。
つまり、このマイナス電圧デンアツによりドレイン電流デンリュウ減少ゲンショウし、この電流デンリュウテイ電流デンリュウです。
したがって、Rのアタイにより任意ニンイテイ電流デンリュウゲンにすることが出来デキます。
製作セイサク
回路図カイロズ
5に今回コンカイ製作セイサクした回路図カイロズシメします。
スイッチS1は「4回路カイロ3接点セッテン」の「3ポジション」で、以下イカのファンクションです。
ミギ : NPNトランジスタチェック
中央チュウオウ : チェックモード
ベース電流デンリュウ確認カクニンオコナいます
ヒダリ : PNPトランジスタ
Q1はテイ電流デンリュウゲンのJFETでVR1により「10μA」に設定セッテイします。
一般的イッパンテキショウ信号シンゴウトランジスタの場合バアイ、hFEのアタイは100〜400になりますから、タトえば、
コレクタ電流デンリュウアタイがmA単位タンイであればこのアタイを100バイしたものがhFEのアタイです。
レイ
コレクタ電流デンリュウ測定値ソクテイチ 1.78mA  → hFE = 178
モチいる電源デンゲンカナラず「CC機能キノウ」があるものとし、CC設定セッテイは100mA程度テイドにします。
なお、ポリスイッチは安全アンゼンタメ回路カイロ保護ホゴヨウとしてれています。
6〜8にカクファンクションでの電流デンリュウ経路ケイロシメします。
部品ブヒンヒョウ
部品ブヒン番号バンゴウ 部品ブヒンメイ   型番カタバン   メーカー 数量スウリョウ 備考ビコウ
J1 DCジャック   MJ14ROHS マルシン無線ムセン 1  
J2 チップジャック TJ563アカ   サトーパーツ 1  
J3 チップジャック TJ563クロ   サトーパーツ 1  
J4 チップジャック TJ1アカ   サトーパーツ 1  
J5 チップジャック TJ1クロ   サトーパーツ 1  
LED1 LED   Φ3 アカ     1  
Q1 FET   2SK30A   東芝トウシバ 1 Yランク
R1 カーボン抵抗テイコウ 1/4W 100K     1  
R2 カーボン抵抗テイコウ 1/4W 4.7K     1  
S1 ロータリースイッチ 4回路カイロ3接点セッテン   1  
VR1 ハン固定コテイ抵抗テイコウ100K GF063P1B104 東京トウキョウコスモス 1  
  ポリスイッチ0.05A RXEF005   レイケム 1  
  ケース   SW100S   タカチ 1  
  ツマミ   K10022RLB サトーパーツ 1  
  ツマミキャップ K10022CLGY サトーパーツ 1  
  ユニバーサル基板キバン LUPCB-7247-ND Linkman 1 両面リョウメン
  ピンソケット         1シキ タカ
  金属キンゾクスペーサ、ビスルイ       1シキ  
FETは2SK30Aの「Yランク」です。
このランクとコトなる場合バアイはR1,VR1の定数テイスウ変更ヘンコウ必要ヒツヨウです。
製作セイサク
ケースでもいですが、基板キバンのむきだしはトラブルの原因ゲンインになります。
ケース収納シュウノウをおススめします。
9に概略ガイリャク構造コウゾウシメします。
チェックしたいトランジスタは「ピンソケットのタカタイプ」を3Pにカットしたものに実装ジッソウします。
このトキ10のようにピンソケットのアタマがケースウエメンから若干ジャッカンウエになるようにします。
なお、強度キョウド考慮コウリョしてモチいたユニバーサル基板キバンは「両面リョウメンタイプ」です。
ピンソケットはケースウエメンカクアナをあけて、トランジスタ実装ジッソウできるようにしておきます。
写真シャシン1に外観ガイカンシメします。
調整チョウセイ
11に接続セツゾクシメします。
モチいるDC電源デンゲンは「CC機能キノウ」のあるもので、CCアタイ設定セッテイは0.1Aくらいにしておきます。
チェックポジションにしてテイ電流デンリュウアタイが「10μA」になるようにVR1を調整チョウセイします。
この調整チョウセイ初期ショキ一度イチドだけでいとオモいます。
使用シヨウ方法ホウホウ
@11のように接続セツゾクする。ただし、テスタ(DC電流デンリュウ)はJ2,J3に接続セツゾク
ANまたはPのポジションにしてトランジスタを実装ジッソウする
B電源デンゲンのOUTPUTをONする(これによりホン装置ソウチのLEDが点灯テントウ
CテスタのDC電流デンリュウアタイ
DhFEアタイ換算カンサン
使用シヨウカン
○トランジスタ実装ジッソウヨウソケット
このhFEチェッカーをモチいてみるとチェックに非常ヒジョウ便利ベンリであることを実感ジッカンします。
TO-92などのパッケージを想定ソウテイしてピンソケットをモチいましたが、ホカのトランジスタ
パッケージヨウベツなソケットも装着ソウチャクすればかったとオモいます。
○チェックモードの改良カイリョウアン
チェックモードトキ電流デンリュウ測定ソクテイ確認カクニン)はコレクタ電流デンリュウ測定ソクテイヨウ端子タンシベツなものになっています。
これは、モチいたスイッチS1が「ショーティングタイプ」なので、これを考慮コウリョした設計セッケイです。
もし、スイッチS1に「ノンショートタイプ」をモチいることが出来デキれば、13のような接続セツゾク
可能カノウで、この場合バアイ、いちいち、電流デンリュウケイ接続セツゾクしなおす必要ヒツヨウく、さらに使ツカ勝手ガッテ
ものになるとオモいます。
このようなスイッチが入手ニュウシュ出来デキれば、トランジスタソケットの工夫クフウフクめた試作シサク2号機ゴウキ
しくなりました。