キャノンコネクター

キャノンコネクター

CANNON 社が開発,放送関係の規格・基準に合致または推奨されているため,ほとんどの業務用機材で使用されています。
つまり、マイクや業務用のミキサー、エフェクターからMDレコーダーカセットデッキ、CDプレイヤー、アンプに至るまで、このキャノンコネクターが使用されている機器が多い(というよりは、ほとんど)という事です。
主に、3接点(3ピン)の物が使用されますが、その他に2ピン、4ピン~7ピンまで色々な種類が有ります。
その型番から「XLR」とも呼ばれ、「XLR-3-11C」のようにハイフンに挟まれた数字でピン数を表し,次の二桁の数字のうち,十の位がコネクターの形状,一の位は奇数がメス,偶数がオスを表します。

他に,ノイトリックス社のNC*FX,NC*MX(*はピン数を,FXはメス(FEMALE)MXはオス(MALE)を表します)などがあります。

キャノンコネクター(メス)

マイクをミキサーにつなぐ場合、マイク側につなぎます。
つまり、機器類の出力側につながるコネクターです。

キャノンコネクター(オス)

マイクをミキサーにつなぐ場合、ミキサー側につなぎます。
機器の入力側につながるコネクターです。

キャノンコネクター(バランス接続)

キャノンコネクターを正面から見ると、ピンや穴のそばに「1,2,3」と数字が書いてあるのが読みとれます。

普通に「1番、2番、3番」と読みます。

1番ピンにはアースを流しますが2番ピン、3番ピンに流す電流は規格によって変わります。
その規格は、「アメリカ式」と呼ばれるものと「ヨーロッパ式」と呼ばれている規格の2種類で、日本では両方が混在しています。ちなみに、穴が有るコネクターをメス、ピンが有るコネクターをオスと言います。

・ アメリカ式

1番ピン・・・アース(シールド)

2番ピン・・・コールド(-)

3番ピン・・・ホット(+)

・ヨーロッパ式

1番ピン・・・アース(シールド)

2番ピン・・・ホット(+)

3番ピン・・・コールド(-)

これもミキシングエンジニアには、超常識!的な事なので、必ず覚えておかなければなりません。しかし、1~3番ピンまで、それぞれの規格を覚えなくても、1番ピンはアースで共通なのですから、ホットが何番か?だけ覚えていけば良いのです。
つまり、「アメリカ式なら3番ホット」「ヨーロッパ式なら2番ホット」という事です。
以前は、アメリカ式はレコーディングスタジオの機材に多く、ヨーロッパ式はPA機材に多かったのですが、 最近ではヨーロッパ式に統一されつつあります。
又、放送局の規格は、日本で最初に放送を開始したNHKが定めた「BTS規格」により、2番ホットとなっています。このBTS規格は、ヨーロッパ式を手本に作られた為、この他にもヨーロッパ式と共通する点が多くありますが、BTS規格の独自な点としてキャノンコードに取り付けるコネクターの形状にあります。
アメリカ式、ヨーロッパ式ともに、コードに取り付けるコネクターは片側がメス、反対側がオスなのですが、 放送局だけは両端がメスのコードを使用しています。
ですから、放送用機材は入力、出力、ともにオスが取り付けられている事になります。

通常の機材(放送用機器を除くという意味)でキャノンコネクターを使用している物は、

IN(入力)・・・・メス

OUT(出力)・・・オス

と言うように取り付けられているコネクターが決まっています。これも超常識なので、きちんと覚えておいて下さい。ですから、ケーブルの中を流れる音声信号はメスからオスへ進むという事です。

音響機器には、必ず、IN(入力)とOUT(出力)があります。
音声信号は機器のINから入り、機器の内部を通ってOUTへ出されます。頭の中で、常に信号の流れをイメージし把握する習慣をつけるようにして下さい。
マイク、キャノンケーブル、ミキシングコンソールを例に挙げますとマイクのIN側は、先端の部分です。
ここに音が入ってくるとOUTであるキャノンのオス・コネクター(反対側)へ音声信号を出力します。その音声信号をキャノンケーブルのメス側にINし、ミキシングコンソールまで導き、ケーブルのオス側から出力します。
ケーブルによって導かれた音声信号をミキサーのマイク入力(キャノンメスが付いています)へ入力します。

この関係を覚えていれば、キャノンコードを使用する際に、無駄な作業はかなり減ります。例えば、マイクにつながるキャノンは?と考えたときに、「マイクの音を貰うのだから、キャノンはメスを差せば良い」と、すぐに判断できる筈です。
ただし何度も言いますが、放送用機材はこの関係は当てはまりません。BTS規格は日本独自のものなので、海外では通用しませんので気をつけて下さい。ちなみに、BTS規格のものは機材のケースや取り付けネジに至るまで日本のJIS規格に基づいて「ミリ単位」ですが、海外の物やレコーディング機材、PA機材はNAB規格に基づいた「インチ単位」になっています。