焦電型赤外線センサ
強誘電体が赤外線を受けるとその熱エネルギーによって電荷が生じます。この現象を「焦電効果」
(しょうでんこうか)といいます。この焦電効果を利用した焦電型赤外線センサ
(しょうでんがたせきがいせんせんさ)は熱エネルギーの変化が起こった時に信号を発生します。
内部構成は図1のように抵抗RgとFETを内蔵して電圧の形で出力されます。
なお、焦電体の構造により、デュアル、クワッド等の種類があります。
人間を含めた自然界のすべての物体は熱エネルギーを放射していて、人体から放出される熱エネルギーは赤外線です。(人体は約9~10μmにピークをもつ赤外線を放射)このような人体から発せられる僅かな赤外線を「焦電型赤外線センサ」で検出すれば人体検出センサとして応用することが出来ます。
図1のデュアル型は人体検出センサとして最も多く使用されています。
(一般的な使い方)
図2に人体検出としての一般的な使い方の例を示します。
焦電型センサのソース出力は小さいので増幅器で扱いやすい信号レベルまで増幅し、
コンパレータ等で波形変化を検出します。
この他、太陽光、照明などの影響を避けるため光学系フィルタや、効率よく集光できる
フレネルレンズなどが必要になります。
以上のように増幅器、光学系フィルタなどが必要となりますが、これらがすでに内蔵された製品も
あります。以下にその例として松下電工製「焦電型MPモーションセンサ」を示します。
デジタル出力
(標準検出タイプ)
レンズ色 | 検出距離 | 動作電圧 | 使用温度範囲 | |
AMN11111 | 黒 | 最大5m | 3~6V | -20℃~+60℃ |
AMN11112 | 白 | 最大5m | 3~6V | -20℃~+60℃ |
(微動検出タイプ)
レンズ色 | 検出距離 | 動作電圧 | 使用温度範囲 | |
AMN12111 | 黒 | 最大2m | 3~6V | -20℃~+60℃ |
AMN12112 | 白 | 最大2m | 3~6V | -20℃~+60℃ |
(結線例)
詳細な仕様、使用方法はメーカーのデータシートを参照願います。
左焦電センサ(増幅器、レンズ内蔵タイプ)
AMN11112
右焦電センサ(増幅器外付けタイプ)