● テスターの内部抵抗のおはなし

 

テスターをこれから購入されようとしている方、および、すでにお持ちの方へテスターについて参考としてお話します。

 

▼デジタルテスターの特徴

  1.精度の高い測定ができる。アナログ(約3%)に比較して高精度(1%以下)

  2.内部抵抗(インピーダンス)が高いため測定ロスがない。

  3.読み取り誤差がない。アナログのように視差や使用者の読み取り間違いがおきない。

 

▼アナログテスターの特徴

  1.短い周期で変化する値の平均値を読み取りやすい。(デジタルでは数値が安定しない)

  2.抵抗レンジ以外は動作電源を必要としない。

  3.直感的な判断に適する(導通試験など)

 

※以上の特徴はSANWAのカタログから引用

 

▼「内部抵抗」

デジタルテスターの特徴として、

「内部抵抗(インピーダンス)が高いため測定ロスがない」ことが挙げられていますが、これについて補足します。

 

例えば以下の回路のB点の電圧を測定する場合を考えます。

 

図1で、テスターを接続しない場合のR2の両端電圧は2.5Vです。

しかし、例えば内部抵抗20KΩ/Vのテスター を接続して測定した場合、1.36Vと表示されてしまいます。

なぜなら、テスターの内部抵抗が測定において無視できないからです。

ここでいう内部抵抗とは、テスターの測定端子からテスター内部を見たみかけの抵抗です。

アナログ式の場合は原理的にテスターの内部抵抗が無限大ではなく、測定条件を考慮する必要があります。

 

       「内部抵抗

        ⇒ 20KΩ/V」

             1Vあたり20KΩの抵抗があることを意味しています

             例えばテスターの3Vレンジでは  20 × 3 = 60KΩ 

 

図1の場合は図2のように等価的にR2に60KΩの抵抗を並列接続された形になります。

したがって、テスターは1.36Vを表示することになります。

アナログテスターの場合は測定する回路のインピーダンス(抵抗)が高い場合、測定に注意してください。