テキスト ボックス:               MC1496使用レポート
                「AMトランスミッタの製作」

                       2010年1月  KY
◎はじめに
放送ホウソウラジオは「AM」と「FM」がありますが、筆者ヒッシャトクにAM(ナカナミ放送ホウソウ)がコノみでいていて、
くだけではなく、ラジオも自作ジサクしてタノしんでいます。
そこで、受信ジュシンガワ(ラジオ)ではなく、送信ソウシンガワ(AMトランスミッタ)の製作セイサクオモち、簡単カンタンなものを製作セイサク
しましたので紹介ショウカイします。
◎AMラジオの原理ゲンリ
ナカナミ放送ホウソウとAM
ナカナミ(ちゅうは)放送ホウソウ国内コクナイけの放送ホウソウラジオで、周波数シュウハスウはおおよそ、530KHz〜1600KHzのアイダです。
変調ヘンチョウはAMです。
1のように高周波コウシュウハ電流デンリュウ電圧デンアツ)をアンテナに接続セツゾクすれば
電波デンパ発射ハッシャされます。
しかし、このナカには音声オンセイ信号シンゴウフクまれていませんので、
音声オンセイ信号シンゴウツタえられません。
したがって、高周波コウシュウハ電流デンリュウ音声オンセイ信号シンゴウせる操作ソウサ必要ヒツヨウ
になり、この操作ソウサ変調ヘンチョウ」(へんちょう)います。
AM放送ホウソウ、FM放送ホウソウはすべて「変調ヘンチョウ」をオコナって電波デンパ発射ハッシャしています。
このAM、FMは変調ヘンチョウ方式ホウシキ意味イミしていて、
AM  振幅シンプク変調ヘンチョウ(Amplitude Modulation)(しんぷくへんちょう)
FM   周波数シュウハスウ変調ヘンチョウ(Frequency Modulation)(しゅうはすうへんちょう)
リャクで、ナカ放送ホウソウ短波タンパ放送ホウソウはAM、FM放送ホウソウはFMで変調ヘンチョウオコナっています。
AM : 電波デンパ利用リヨウリツ
FM : オト
変調ヘンチョウする装置ソウチを「変調ヘンチョウ」とび、高周波コウシュウハ電流デンリュウ電圧デンアツ)を「搬送ハンソウナミ」(はんそうは)とびます。
また、音声オンセイ信号シンゴウ一般的イッパンテキに「信号シンゴウナミ」(しんごうは)といます。
送信ソウシンガワ受信ジュシンガワ簡単カンタン構成コウセイ2にシメします。
受信ジュシンガワ変調ヘンチョウされたものをモト信号シンゴウナミ音声オンセイ信号シンゴウ)にモドすために「復調フクチョウ」(ふくちょう)という操作ソウサオコナい、
この装置ソウチ復調フクチョウいます。
受信ジュシンガワにある「同調ドウチョウ」(どうちょう)は希望キボウ放送ホウソウナミ選択センタクする部分ブブンです。(選局センキョクすること)
○AMの波形ハケイ 3 AMナミ
AMナミ3のように搬送ハンソウナミ振幅シンプク信号シンゴウナミ変化ヘンカさせたものです。
信号シンゴウナミ搬送ハンソウナミ合成ゴウセイしただけでは3 c ) のAMナミにはなりませ
んが、最終的サイシュウテキに c ) のカタチになります。
タトえば関東カントウ地区チクのTBSラジオは周波数シュウハスウが954KHzですが、
これは4のような波形ハケイになっています。
つまり、搬送ハンソウナミ周波数シュウハスウが954KHzです。
搬送波ハンソウハタイする信号シンゴウナミ度合ドアい(オオきさ)を「変調ヘンチョウ」といます。
変調ヘンチョウmは次式ジシキ定義テイギされます。
m = Vs / Vc = ( A - B ) / ( A + B ) 
○ゲルマラジオ
5 ゲルマラジオ
受信ジュシン装置ソウチの1バン簡単カンタンレイとして5に「ゲルマラジオ」を
シメします。
復調フクチョウ検波ケンパ(けんぱ)ともい、この部分ブブンにゲルマニウム
ダイオードをモチいていることからゲルマラジオとばれます。
6に各部カクブ波形ハケイシメします。
AMナミ信号シンゴウナミ成分セイブン)は搬送波ハンソウハ上下ジョウゲ対称タイショウになって
います。ダイオードD1にトオすと、下側シタガワ成分セイブンはカット
されます。
7にAMナミ拡大カクダイして、検波ケンパ原理ゲンリ説明セツメイします。
6 各部カクブ波形ハケイ
a ) のように搬送波ハンソウハ増加ゾウカする期間キカン
D1→C1のルートで充電ジュウデンされます。
搬送波ハンソウハ減少ゲンショウする期間キカン b ) ではD1には
電流デンリュウナガれないで、C1→Rdのルートで
放電ホウデンします。
充放電ジュウホウデンカエすと d ) の波形ハケイになり、
搬送波ハンソウハ成分セイブンくなり、信号シンゴウナミのみ
再現サイゲンされることになります。
d ) の波形ハケイ信号シンゴウナミはギザギザに
えますが、実際ジッサイは、搬送波ハンソウハ信号シンゴウナミ
周波数シュウハスウはかなりのがありますので、
信号シンゴウナミはなめらかです。
なお、このままでは直流チョクリュウブンもあります
ので、6のようにC2で直流チョクリュウブンをカット
して交流コウリュウ信号シンゴウナミ)のみします。
7 AM検波ケンパ
回路カイロ
MC1496モチいる
AMの発生ハッセイ色々イロイロ方式ホウシキがあるのですが、今回コンカイは「MC1496」をモチいました。
このICは「DBM」ヨウですが、AMも発生ハッセイすることが出来デキます。(詳細ショウサイはデータシートを参照サンショウネガいます)
8に回路図カイロズシメします。MC1496回路カイロは、ほぼ、データシートどおりで「タン電源デンゲン動作ドウサ」です。
搬送波ハンソウハ発生ハッセイ
搬送波ハンソウハ(キャリア)の発生ハッセイは「LTC1799」をモチいています。
当初トウショ、「LC発振ハッシン」でカンガえていたのですが、周波数シュウハスウ変動ヘンドウ問題モンダイカンガえているうちに以前イゼン製作セイサクした「LTC1799」
モチいた発振ハッシンオモし、これを採用サイヨウすることにしました。
(LTC1799については「パーツまめ知識チシキ」を参照サンショウネガいます)
発振ハッシン周波数シュウハスウ今回コンカイ場合バアイ固定コテイ」です。
発振ハッシン周波数シュウハスウは@シキアラわされ、今回コンカイ場合バアイ
N = 10
RSET = R6 = 10KΩ
ですから、1MHzになります。
筆者ヒッシャんでいる地域チイキでは1MHz近辺キンペン
放送局ホウソウキョクいのでこの周波数シュウハスウにして
います。
ホカ地域チイキでは放送局ホウソウキョクのいない周波数シュウハスウ設定セッテイしてください。
モチいる抵抗テイコウR6は「金属キンゾク皮膜ヒマク固定コテイ抵抗テイコウ」の抵抗テイコウ誤差ゴサ±1%ヒンモチいています。この部分ブブンに「切換キリカエスイッチ」
モチいて周波数シュウハスウ選択センタク出来デキるようにすれば、さらに使ツカ勝手ガッテいものになります。
R6に金属キンゾク皮膜ヒマク固定コテイ抵抗テイコウモチいた理由リユウは「発振ハッシン周波数シュウハスウ変動ヘンドウ温度オンドドリフト)」を考慮コウリョしてのものです。
○バッファーアンプ
トランジスタQ1による「バッファーアンプ」はMC1496の音声オンセイ信号シンゴウ入力ニュウリョクMODの入力ニュウリョクインピーダンス
ヒクい(ヤク51Ω)ので信号シンゴウロスをフセ目的モクテキれています。
筆者ヒッシャ場合バアイオモ信号シンゴウゲンは「ポータブルMDプレーヤ」です。ステレオなので、R1,R2,VR1により簡易カンイテキ
にモノラル信号シンゴウ変換ヘンカンし、変調ヘンチョウ調整チョウセイできるようにしてあります。
変調ヘンチョウmは筆者ヒッシャ場合バアイ、0.3〜0.5クライになるようにしています。この調整チョウセイはオシロスコープが必要ヒツヨウになり
ますが、ミミいてもかります。変調ヘンチョウmのアタイオオきいと極端キョクタン場合バアイ音声オンセイ音楽オンガク)がひずみます。
したがって、いたカンじでひずみカンいレベルにVR1を調整チョウセイします。
製作セイサク
写真シャシン1に内部ナイブ様子ヨウスシメします。基板キバンは「LTC1799レポート」予備ヨビ基板キバンモチいました。
LTC1799がチップ部品ブヒンなのでこのような方法ホウホウにしましたが、ユニバーサル基板キバンでも簡単カンタン製作セイサク
できます。
写真シャシン1のように無理ムリやり「空中クウチュウ配線ハイセンがあるので、かなりキタナいです。最初サイショからユニバーサル基板キバン
にすればよかったと後悔コウカイしています)
LTC1799は5V動作ドウサです。このレイでは1Aクラスのレギュレータをモチいていますが、消費ショウヒ電流デンリュウスクない
ので100mAクラスのレギュレータでもいです。
J1は外部ガイブ電源デンゲン(DC12V)のジャック、J2はΦ3.5ステレオジャックです。
調整チョウセイ
調整チョウセイ以下イカ手順テジュンオコナいます。
@J2に信号シンゴウ入力ニュウリョクしない(つまり、MODも入力ニュウリョク)にし、CARの振幅シンプクレベルを確認カクニンします。
 ヤク150mVp-pになっていることを確認カクニンします。この振幅シンプクレベルはR7(4.7K)でめています。
 この振幅シンプクレベルは、おおむね「120mVp-p 〜 180mVp-p」のアイダであればいです。
  CARの波形ハケイ正弦波セイゲンハではなく、矩形クケイです。
AMC1496の6ピンの振幅シンプクレベルが最大サイダイとなるようにVR2を調整チョウセイします。
Bホン音楽オンガクソースナド入力ニュウリョクし、ヘン調度チョウドが0.3〜0.5になるようにVR1を調整チョウセイします。
  音楽オンガクソースの場合バアイツネ振幅シンプクレベルが変化ヘンカし、AMの変調ヘンチョウ変化ヘンカしますので、ラジオからの
 オトでひずみカンいレベルに調整チョウセイしてもいです。
以上イジョウ調整チョウセイ完了カンリョウですが、なるべくオシロスコープ(トクに、アナログオシロが便利ベンリ)をモチいたほうが
調整チョウセイおよび不具合フグアイ対応タイオウハヤくなります。
写真シャシン2,3にそれぞれのMOD信号シンゴウでのIC1-6ピンの波形ハケイシメします。
使用シヨウカン
受信ジュシンガワのラジオにオトいものをモチいると、意外イガイオトです。
10に使ツカカタシメします。AMトランスミッタからの電波デンパヨワいです。AMラジオにアンテナ端子タンシからの
センチカづけます。それでもヨワ場合バアイはロッドアンテナにセン接続セツゾクします。
オモいついて写真シャシン4のように真空管シンクウカンシキラジオ「5タマスーパーヘテロダイン」を押入オシイれのオクからして
いてみます。
すると、すばらしくAMのさがてきました。AMは原理的ゲンリテキにFMとクラべて音質オンシツオトるのですが、
なんとなくこのわせは「昭和ショウワのにおい(オト」がします。
モチいたラジオは筆者ヒッシャヤク25ネンほどマエ製作セイサクしたもので、昭和ショウワ60ネン前後ゼンゴオモわれます。
真空管シンクウカンラジオが「昭和ショウワ」ですから、AMトランスミッタへのソースも昭和ショウワ時代ジダイ歌謡カヨウキョクフルい)、落語ラクゴ
えてみます。すると、どれも「昭和ショウワのにおいがぷんぷん」です。
写真シャシン4は昭和ショウワへの「エフェクター」テキ使ツカカタになりましたが、トータルの音質オンシツはラジオガワ
決定ケッテイされます。
AMトランスミッタガワ高域コウイキ強調キョウチョウトウ簡易カンイテキな「イコライザー」を搭載トウサイさせれば、さらに面白オモシロ音質オンシツ
になるかもしれません。
いっそのコト、レコードプレーヤヨウの「イコライザーアンプ」を搭載トウサイして、ムカシのレコードをAMトランスミッタ
送信ソウシンしてみようかなどとカンガえています。
発振ハッシン周波数シュウハスウ変動ヘンドウはLTC1799とR6で決定ケッテイされます。LTC1799自体ジタイは「±40ppm/℃」です。
したがって、R6にモチいる抵抗テイコウで、ほぼ決定ケッテイされます。ちなみに、周波数シュウハスウ変動ヘンドウ測定ソクテイしようと
しましたが、室温シツオン変化ヘンカではスウ10Hzの変動ヘンドウしかなかったのでデータはっていません。