ユニバーサル基板の種類と使い方
◎ユニバーサル基板
ユニバーサル基板は実験、試作、および電子工作での配線、組立に用いられますが、
その基板パターンはさまざまです。
部品をはんだ付けする「ランド」の間隔も「2.54mmピッチ」、「4mmピッチ」その他があり、
そのパターンも「ドット」、「連結ドット」、「ICパターン」などがあります。
それぞれ、部品に応じて使い分け、自由に配線することが出来ます。
そこで、各ユニバーサル基板の特徴と使い分け、使い方について紹介します。
◎パターン
★ドット
部品を穴に通してはんだ付けする部分を「ランド」と言います。
この例では縦横一定の間隔で配置されています。
その間隔は「2.54mm」で、インチに換算すると「0.1インチ」です。
このような間隔(ピッチ)を「2.54mmピッチ」または「0.1インチピッチ」と言います。
他に「4mmピッチ」その他のピッチがありますが、
DIP-IC等はインチピッチが基本になりますから、「2.54mmピッチ」が便利です。
したがって、以下の説明はすべて「2.54mmピッチ基板」で話を進めます。
ドットパターンの特徴は、
・自由に配置、配線できる
・部品実装密度を高くすることができる
部品同士が当たらなければ配置は自由ですから、部品実装密度を高くする
ことができます。
★ICパターン
あらかじめICの電源配線用のパターンが用意されています。
このパターンを利用すれば電源、GND配線の本数が少なくなり、また、電源
パスコンの配線も容易です。
★ICパターン + 連結ドット
ICパターンに「連結ドット」があるものです。
連結ドットとは図3の例では2個または3個のランドがすでに連結(接続)されて
いるもので、この部分を利用すれば線材による部品間の配線が不要です。
★シャーシGNDパターン付
基板取り付け穴は通常、穴のみですが図4のように1箇所のみ「シャーシGND」接続用の
取り付け穴が用意されているものもあります。
基板を金属ケースに収納する場合、金属スペーサ等を利用してシャーシGNDを取りたい
場合に便利です。
◎ユニバーサル基板による配線要領
配置、配線は自由です。
以下、各パターンによる配線例を示します。
★ドットパターンによる配線
@最初にメッキ線(部品の余ったリード線でも良い)で電源、GNDラインを配線。
  (すべてのランドで無く、メッキ線が浮かない程度のポイントで可)
AICのパスコンは近くに配置、配線。
★ICパターン + 連結ドットによる配線
@電源、GNDパターンはすでにあるので、各ポイントで接続。
A連結ドットを利用して配線数を少なくする。
◎製作例
マイクアンプを題材として製作してみます。
★回路
コンデンサマイクをオペアンプにて必要なレベルまで増幅し、ステレオ機器に接続する
ためのマイクアンプです。
電源電圧は3Vとし、用いるオペアンプは「レール・ツー・レール」です。
VR1にてマイク感度を調整し、VR2にて出力レベルを調整します。
R8,R9で簡易的にL/Rに振り分けます。
★部品表
表1
部品番号   品名   型番   メーカー 数量
C1,C3 ケミコン 10μF/50V   50YK10   Ruby-con 2
C2 セキセラ 0.22μF/50V   CT4-0805Y224M*10 Linkman 1
C4 セラコン 47pF   CCDC50V47P*10   1
C5 セキセラ 0.1μF/50V   CT4-0805B104K*10 Linkman 1
C6 47μF/25V     25YK47   Ruby-con 1
C7 ケミコン 1μF/50V   50YK1   Ruby-con 1
ECM1 コンデンサマイク   KUC3523-040245 ホシデン 1
IC1 オペアンプ     LMC6482AINNOPB NS 1
J1 Φ3.5ステレオジャック   MX387GL   マル信 1
R1 カーボン抵抗 7.5K         1
R2 カーボン抵抗 2.2K         1
R3,R4 カーボン抵抗 100K         2
R5 カーボン抵抗 1K         1
R6 カーボン抵抗 3.3K         1
R7 カーボン抵抗 10K         1
R8,R9 カーボン抵抗 330Ω         2
VR1,VR2 半固定ボリューム 100K   GF063P1B502*2   東京コスモス 2
XIC1 ICソケット 板バネ 8P   21208NE   Linkman 1
XBATT1 電池スナップ     006PI   Linkman 1
XBATT2 単3×2用電池ケース   BH3211B   Linkman 1
  ユニバーサル基板   ICB86   サンハヤト 1
  金属スペーサ、ビス類         1式
  乾電池 単3         2
コンデンサマイクは基板実装タイプの2線式。
この型番以外の場合、R1,R2は定数変更の必要がある。
C2はフィルム系のコンデンサが望まれるが、実装面積を考慮して、この型番
を採用。
C2,C4,C5は10個入りの型番。数量に注意。
VR1,VR2は2個入りの型番。数量に注意。
★実装図
ICパターン + 連結ドットのサンハヤト「ICB-86」で製作してみました。
電源の006Pスナップ以外は線材を用いないで、部品のリード線、連結ドットを利用して
います。なお、J1ははんだ面に実装しています。
◎主な基板
表2  主な72×47mmサイズの片面ユニバーサル基板
型番   パターン   穴数
ICB88   ドット   371
ICB288   ドット   479
ICB288V   ICパターン   479
ICB86   ICパターン + 連結ドット 417
LUPCB-7247-NS ドット + シャーシGND 471
LUPCB-7247-NSの穴数はシャーシGNDを除く