IC温度センサ
(1)概要
温度を検出(測定)するものとして、サーミスタ、熱電対、白金等がありますが、IC(集積回路)で構成されたものがあります。
サーミスタは温度に対して抵抗値が変化し、熱電対は温度に対応した熱起電力が発生し、温度を検出するものです。
これらの一般的な特性を図1 a ) , b ) に示します。このようにサーミスタ、熱電対の場合は温度に対して変化(抵抗値、熱起電力)は直線ではありません。
このままでは扱いにくいので、正確な温度を測定したい場合はなんらかの方法で特性が直線とみなせる処理を行う必要があります。
これに対して c ) のように温度に対応した電圧を出力し、特性も直線となっている「IC温度センサ」があります。特性が直線であれば、直線化の処理が不要となり、扱いが容易になります。
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図1 |
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a ) サーミスタの |
b ) 熱電対の特性 |
c ) IC温度センサの特性例 |
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(2)製品例1
上記 c ) のように電圧出力タイプで代表的なものとしてナショナルセミコンダクタ社のLM35の概観と仕様を示します。
(LM35DZ)TO-92パッケージ
・動作電源電圧範囲 4V~30V
・動作温度範囲 0℃~+100℃
・精度
±0.6℃(+25℃、typ)
±0.9℃(+100℃、typ)
・出力電圧 +10mV/℃
つまり、温度に対して
+10℃ → 100mV
+25℃ → 250mV
+50℃ → 500mV
左から | |
サーミスタ | |
熱電対(K線、先端) | |
LM35DZ |
(応用例1)
図2に最も簡単な応用例を示します。 この場合、LM35DZの出力をアナログ電流計に接続して温度を表示させています。
(応用例2)
図3にマイコンを使用したデジタル表示例を示します。
LM35DZは出力が10mV/℃の特性ですので、場合によっては、ADコンバータへのレベル変換を設けます。
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図3 デジタル温度計 |
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(3)製品例2
製品例1はアナログ出力ですが、ADコンバータを内蔵したタイプもあります。
その例としてナショナルセミコンダクタ社のLM70,LM74の仕様を以下に示します。
インターフェースはすべて、SPIおよびMICROWIREです。
型番 |
パッケージ |
分解能 |
動作電源電圧 |
動作温度範囲 |
誤差 |
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*1 |
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(V) |
(℃) |
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10bit |
4.5~5.5 |
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12bit |
3~3.6 |
±1.25℃(max) |
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12bit |
4.5~5.5 |
±1.25℃(max) |
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*1 分解能はこれにサインビット |
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詳細な仕様に関しては、各ICのデータシートを参照願います。 |
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(標準的な接続例) |
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LM70,74 |
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マイコン |
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CS |
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SI/O |
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SC |
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