ホール素子

ホール素子

1.原理

図1 ホール素子の原理

  ホール素子は磁気(磁界)を検出する

  磁気センサの1つで、図1のように

  「ホール効果」を利用したものです。

ホール効果

ホール効果とは電流が流れているもの

に対して電流に垂直に磁界をかけると

電流と磁界の両方に直行する方向

に起電力が発生する現象。

   この出力を「ホール出力」と呼び記号VH

   として、次のような関係があります。

VH = K・Ic・B

図2 特性例

K 積感度と呼ばれ、ホールセンサ
   の感度を表わす

Ic 制御(動作)電流

B磁界

   図2のように磁界の強さに対してホール電圧の

   直線性が良く、使いやすいものとなっています。

(主なホール素子材料)
InSb (インジウム・アンチモン)
GaAs (ガリウムひ素)

(主な用途)
モーター位置検出
磁気検出
電流センサ

2.使い方

図3  a ) 定電圧動作

  図3 a ) b ) に基本的な使い方を示します。

  a ) は定電圧で制御電流Icを流す方式で、b ) は
  定電流でIcを流す方式です。
  それぞれの特徴は以下のとおりです。

(定電圧動作)

  ・回路が簡単

・特性は定電流方式より劣る (定電流動作)

・高精度に適している   図4に定電流動作の回路例を示します。

図4 定電流動作回路例

図3  b ) 定電電流動作

  ホール素子の出力VHは一般的に小さい
  (数mV~数100mV)ので増幅する場合は
  図5のように差動アンプを使います。

3.製品例

  表1に製品例の主な特性を示します。

図5 差動アンプによる増幅回路例

表1 GaAsホール素子の製品例(東芝)

 

ホール

内部抵抗

出力抵抗

 

電圧(mV)

(Ω)

(Ω)

THS119

55~140

450~900

580~1350

THS123

80~190

450~900

3.2K(max)

THS126

130~170

1K~1.5K

1.8K~3K

 

 

 

 

THS130

130~170

1.6K~2.4K

4.2K~7.8K