ソリッドステートリレー

ソリッドステートリレー(SSR)

（１）　概要

ソリッドステートリレー（Solid State Relay : SSR)は出力部に半導体を用いたリレーです。（以下、SSRと呼びます）

一般的な電磁リレーと同じ機能を持ち、入力（制御）信号が印加されている間のみ出力がONとなり、入力信号が無くなれば出力はOFFします。

入力-出力間が絶縁されており、一般的な電磁リレーとの違いは
・機械的な消耗が無い
・出力の開閉(ON/OFF)速度が速い

などが挙げられます。

主な用途として

・モーターのON/OFF
・ヒーター制御
・ランプの制御

など、電力制御で使われます。

（２）　SSRの分類

SSRは入力信号（制御信号）と負荷(AC,DC)により図１のように分類されます。

ゼロクロス機能とは図２のように印加される入力信号のタイミングによらず交流電源電圧のゼロまたはその付近でONし、負荷電流のゼロ付近でOFFします。

ゼロクロス機能無しの場合は任意の交流電源の位相で制御できます。
ただし、制御ON時にこれによるスイッチングノイズが発生しますので、このノイズを問題しない機器で使用されます。

図２　ゼロクロス機能

（３）　SSRの動作原理

SSRはAC負荷で使われることが多く、AC負荷用の回路構成例および原理を以下に示します。

図３　AC負荷用の構成例（ゼロクロス機能有）

入力と出力の間は絶縁されており、絶縁部の方式は

・フォトカプラ

・フォトトライアック

・フォトダイオード

などがあります。

図３の場合は、入力端子に制御電圧を印加すると絶縁部のフォトトライアックがONし、これによりゼロクロス回路が動作して交流電源電圧のゼロ付近で出力部のトライアックがONします。

これにより、交流電源からトライアックを通して負荷に電流が流れます。

入力端子の制御電圧をOFFすると SSRはトライアックの特性で負荷電流のゼロ付近でOFFします。

各部の信号波形を
図４に示します。（抵抗負荷）

スナバ回路は出力部の過渡電圧

に対する保護回路で、内蔵している

ものもあります。

図４　信号波形（抵抗負荷）

（４）　SSRの応用

SSRの入力端子（入力回路）はフォトトライアック等なので、トランジスタ等で簡単に制御することが出来ます。

図５にCPU（マイコン）等で電球を制御する例を示します。

図５　電球の制御

（５）　製品例

以下に製品例を示します。詳細は各メーカーのデータシートを参照願います。

外観例