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光カーテンの仕様と購入

著者 Lisa Eitel(リサ・アイテル) 氏
Digi-Keyの北米担当編集者 提供
2020-09-09

マルツ掲載日:2021-1-12


 光カーテンは、危険な機械軸をゲートで制御することにより、その機械を使用したり機械の周辺で作業したりするオペレータや他の工場人員の負傷を防止する安全装置です。光カーテンは、棒状のエミッタを使用して光電光ビームを生成し、レシーバによってそれを検出します(図1)。

 ビームが遮断されると、作業現場に動きがあったことを示す信号が機械コントローラに送られ、その危険な動作を停止したり、人間のオペレータに危険を与えない速度へと減速します。安全光カーテンはあまり目立たず、フェンスによる境界よりもはるかに構成しやすいため、その使用は増加傾向にあります。


図1:今日の光カーテンは、かつてない安全性を機械にもたらします。その多くは、エリアセンサに基づく安全システムを置き換えるプロセスを簡素化するように設計されています。(画像提供:Design World)

 この記事では、光カーテンの仕様規定や設置する際の考慮事項の概要を説明します。これは安全重視の活動であるため、設置を試みる前に、関連するすべての国内規格と国際規格を調べる必要があります。さらに良いのは、これらの規格に従った作業に熟達したプロの設置業者が提供するサービスを使用することです。

 この記事は、関連する規格の一部についての紹介とガイドとして扱われるべきものであり、プロの安全システム設置業者と設計要件を話し合う際に役立つ背景知識も提供します。

危険やリスクの識別

 安全システムの仕様を規定する前に、保護されている危険な機械について完全なリスク評価を行う必要があります。これにより、機械の危険領域と可能性のある侵入地点が確定します。危険がもたらすリスクのレベルは、適切な保護に対する仕様の重要な部分を成しています。

最小センサ検出能力

 最小センサ検出能力は、光カーテンを作動させる最小の物体サイズです。光カーテンごとに、ビームは異なる間隔で配列されています。ビーム間の距離が直径5mmの場合、光カーテンのどこに指を挿入しても、停止コマンドが出されます。

 しかし、最小センサ検出能力を150mmに設定すると、機械を停止させずに工場人員の腕全体がカーテン領域内に侵入できるようになります。光カーテンが検出できる物体サイズにより、機械の危険な部分から離す必要のある距離が決定されます。

最小距離

 ガードとは異なり、光カーテンは人が危険ゾーンに侵入するのを物理的に制止しません。代わりに、光カーテンは危険な作業を停止させたり、安全な速度まで減速させたりするコマンドを出します。

 これは、光カーテンを危険から十分に離して配置することにより、人が危険に到達する前に機械を停止するための時間を与える必要があることを意味しています(図2)。この距離は、3つのパラメータ(システム全体の停止性能、侵入距離、接近速度)に依存しています。


図2:光カーテンの仕様は、カーテンのセンシング領域と危険な機械領域間の安全距離を正確に計算し、その値以上の距離を維持することが必要です。そのような距離を定義するのに役立つ基準が存在しています。EN ISO 13855の安全距離基準は、より小型の生産機械を実現しつつ、さらに性能が向上したカーテンを活用するために短縮されました。(画像提供:Panasonic Industrial Automation Sales)

 システム全体の停止性能は、人が光カーテンを通過してから実際に機械が停止するまでの合計時間です。これには、電気制御システムの遅延と、動作中の機械がどれほど迅速に停止できるかを決定する慣性効果が含まれます。システム全体の停止性能は、変数Tによって表されます。

 侵入距離は、光カーテンが作動する前に、指や手など人体の小さな部分が光カーテンを通過して危険ゾーンに侵入するのに移動する距離です。最小センサ検出能力が大きい場合、すなわち人の胴体でしか停止コマンドが作動しない場合、これは最も重要です。この場合、人が光カーテンを通過してしまい、その人の腕では機械を停止できません。

 国際標準化機構により確立され、グローバルに使用されているEN ISO 13855の安全距離基準によると、危険ゾーンへの最小距離Sは、以下の式を使用して計算されます(mm単位)。

   SKTC

 ここで、Kは人間(腕また胴体)の最大接近速度(mm/秒)、Tは全体の停止性能(秒)、Cは侵入距離(mm)です。Kに関して、EN ISO 13855では、人間の腕の最高移動速度を2,000mm/秒、人間の体の最高移動速度を1,600mm/秒として、Kを定義しています。

 たとえば、作業セルに直径40mmの小さな物体を検出可能な光カーテンがあると仮定します。最小距離は、最初に「K=2,000mm/秒」を使用して計算する必要があります。この結果が100mm未満(EN ISO 13855により定義)の距離である場合、この低い結果値を無視して、100mmの値を使用する必要があります。

 結果値が500mm(EN ISO 13855により定義)を超える場合は、「K=1,600mm/秒」を使用して距離を再度計算する必要があり(危険領域に足を踏み入れる人員の負傷を防止するため)、短いほうの距離(500mm以上である場合)を使用できます。他のセンサの検出機能の値も、ISO 13855で提供されています。

 ロボットからの最小距離を計算する場合は、ロボットの最大到達範囲を考慮に入れる必要があります。この場合、ロボットのプログラムに依存して、ロボットをその可動範囲全体の一部に制限してはなりません。ただし、ロボットの到達範囲を安全に制限するインターロックシステムの一部として、ロボットの軸でリミットスイッチが使用される場合があります。

光カーテンの妥当性

 安全システムの仕様規定の初期段階に、光カーテンが適切かどうかを確証することが重要です。ここで、国際電気標準会議(IEC)とISOの規格の分類が不可欠です。これらは安全規格を、基本的なタイプA安全規格、一般機能のタイプB安全規格、機械特有のタイプC安全規格に分類しています。

 最初の考慮事項は、タイプC規格が当該の機械動作に存在するか、その特定用途においてどのタイプの保護を必要とするかです。実際、タイプC規格はしばしば手元の機械タイプと産業の両方に特有のものになり、 A-B-Cシステムに従って規格を分類するEN ISOシステムを長年採用してきたNFPA、BN、ANSI、RIA、または他の規制機関により定義されます。

 タイプC規格が機械動作に適用される場合は、その規格(光カーテンに関する規格を含む)のガイドラインに従う必要があります。これは、タイプC規格が手元の機械機能のすべての危険と必要なリスク軽減方法を明確に定量化し、あまり具体的でない規格の使用に取って代わるためです。

 手元の機械機能に適用されるタイプC規格がなく、光カーテンが適切な選択肢に思える場合は、最小距離を計算する必要があります。最小距離が実際的である場合、設計技術者は光カーテンの仕様規定を継続できます。ただし、スペースが限られたり、機械が停止するのに非常に長い時間がかかったりする場合は、別の形態の保護(物理的ガードなど)を考慮する必要があります。

光カーテンのタイプ

 国際的に採用されているIEC 61496規格は、光カーテンをタイプ2やタイプ4として分類しています。タイプ2の光カーテンは低価格ですが、低速で信頼性の低いエレクトロニクスを使用しています。タイプ2の光カーテンの安全回路で故障が発生した場合は、その故障が検出される前に、保護が提供されない一定の時間があります。

 対照的に、タイプ4の光カーテンは、故障やエラーに対して継続的な自動クロスチェックを採用しています。エラーが発生すると、このタイプはすぐに停止信号を発行します。これは、継続的な安全保護が提供されることを意味します。

 ポイントオブオペレーションコントロール(POC)光カーテンは、オペレータが機械と頻繁に接触する危険の近くに設置するように設計されています。そのため、これらの光カーテンは、指、手、腕を検出するように設計されています。物理的ガードを機械の側面で使用し、POC光カーテンを機械の前面で使用するのが一般的です。

 境界アクセス制御(PAC)光カーテンは、機械の周りにオペレータが接近する必要のない安全な境界を作成します。一般的に、これらは全身の検出のみを提供します。

 エリアアクセス制御(AAC)も、この機能を実行するのに使用できます。多くの場合、PACでは鏡を使用して、完全な境界を作成するのに必要な光カーテンのハードウェアを減らします。

光カーテンの設置に関する国際規格

 光カーテンの正しい設置に関する規格は数多く存在します。工場で安全重視のアプリケーション向けに光カーテンを設置する場合、これらの規格を直接参照する必要があります。

 ISO 13857は、人の手足が危険ゾーンに侵入するのを防ぐための安全距離の規定に関係しています。この安全距離は、リスク推定に依存しています。たとえば、上向きの侵入の場合、危険の700mm以内、危険のリスクが低い場合は500mm以内に人が近づけないようにする必要があります。

 ISO 12100は、危険の重大性や可能性に関する規定です。低レベルの危険とは、打撲や指の爪割れ、または火傷の閾値には達しない温度と接触時間などの可逆的損傷です。火傷の閾値はISO 13732で提供されており、ISO 14121ではリスク推定の詳細が提供されています。

 上述のように、ISO 13855では、人体の異なる部分の接近速度を考慮して保護の位置決めが説明されています。一般的に、これは光カーテン向けのISO 13857よりも関連性があります。なぜなら、光カーテンは人が危険ゾーンに侵入するのを防ぐのではなく、危険な動作を停止させるからです。

 したがって、光カーテンが停止信号を送信してから機械が実際に停止するまでの時間に人が移動する距離を考慮することが重要です。システム全体の停止性能と人の最高接近速度により、危険なプロセスからの光ガードの最小安全距離が決定されます。

 ISO 14119は、物理的ガードに関連したインターロッキングデバイスの仕様と設計をカバーしています。ここで光カーテンがはっきり言及されているわけではありませんが、失敗の可能性を最小化するための設計など、多くの原則に関連性があります。

 ISO 14120は物理的ガード自体の仕様と設計をカバーしているため、光カーテンの設置との関連性は低くなります。ただし多くの場合、光カーテンは物理的ガードと組み合わされます。たとえば、側面からの危険ゾーンへのアクセスを防ぐために物理的ガードが使用され、ゾーンの前面では光カーテンが使用されます。したがって、ISO 14120も参照する必要があります。

結論

 光カーテンにより、機械操作の利便性を大幅に向上させることができます。これにより、機械の可動範囲が明らかになり、ガードを開くという不便なしに、オペレータが内部に達して部品を取り外したり、設備を設置したりできるようになります。ただし、光カーテンは常に同じレベルの保護を提供するわけではありません(特に機械動作によって射出される発射体に対して)。

 また、全体的な停止性能を実現する必要があるため、光カーテンは通常、ガードよりも危険ゾーンからさらに離れて設置されることを覚えておくことも重要です。これらすべてが、適切な保護を選択する際の重要な考慮事項です。



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