マルツ パーツまめ知識
テープLED
◎テープLEDとは
テープLED(または、LEDテープ)とは写真1のように
複数のLED(チップ)がテープに配列されたもので、テープは「薄型」または「基板型」があります
薄型テープの場合、曲がった部分(曲面)にも取り付け可能です。
▼パトス PATOS 1210型
http://www.marutsu.co.jp/GoodsListNavi.jsp?path=&q=YH-1210
★構造
図1にテープLEDの構造例を示します。
PATOSの1210型は長さ1mの薄型テープにLED 60個(灯)が実装されていて、
3灯毎にカット(切断)出来る構造です。
1210型のような薄型タイプは「ハサミ」で簡単にカット出来ます。
すべてのLED(この場合は60灯)を点灯させても良いですし、任意の長さ、個数で用いても
良いわけです。
また、LED3灯ごとに電流制限抵抗を内蔵していますので、
LED個数に関係なくそのままDC12Vに接続するだけで点灯します。(図2)
★消費電流の計算方法
用いる電源はLEDの消費電流に対して十分余裕のあるものを用いますが、
1210型を例として電流の計算方法を説明します。
(1210型の仕様)
・LED数 60
・カット可能数 3灯毎
・消費電流 400mA
テープLEDの内部構造は図3のとおりで、LEDがすべて点灯(60個)した場合に消費電流が
400mAという意味です。
LEDは3灯毎ですから、これを1ピースとすれば、
60 / 3 = 20 (ピース)
つまり、1ピース(3灯)あたり、
400mA / 20 = 20mA
となります。例えば、
9灯(3ピース) → 60mA
15灯(5ピース) → 100mA
◎LEDの点滅
★原理
1210型などのテープLEDは電源を供給(接続)すれが点灯しますが、このままでは点滅しません
そこで、LED点滅の原理について考えてみます。
図4に点滅の原理を示します。
この例では電源GND接続箇所にスイッチを設け、このON/OFF制御によりLEDが点灯/消灯
を繰り返す「点滅動作」になります。
このスイッチ部は機械式ではなく「電子的」に行うことにします
図5にトランジスタ制御の原理図を示します。
ON/OFFを繰り返す発振回路を用意し、トランジスタによりLEDが十分な明るさとなるように
駆動します。
ただし、LEDの数によってはトランジスタでは不十分な場合があります。
★MOS-FETを使う
図6にMOS-FETを用いたスイッチ回路の原理を示します。
NチャネルのMOS-FETはゲート・ソース間電圧の値によりドレイン電流の大きさを制御すること
が出来、この例ではゲート・ソース間電圧を大きくするほどドレイン電流が大きくなります。
このような特性を「エンハンスメント特性」と言い、ドレイン電流がほとんど流れていない領域で
は「スイッチOFF」、ドレイン電流が十分大きな領域では「スイッチON」とみなせます。
したがって、スイッチとして用いるにはゲート・ソース間電圧に「OFF」と「ON」となる2値の電圧
を加えれば良いわけです。
図7にスイッチとして用いた場合のトランジスタとMOS-FETの違いを示します。
スイッチONの場合、トランジスタはコレクタ・エミッタ間の電圧はゼロではなく、なんらかの
電圧が残り、これによりトランジスタは熱を持ちます。
これに対しMOS-FETの場合、ドレーン・ソース間電圧はわずかで、トランジスタと比較すると、
あまり熱を持ちません。
このことは同じ消費電流(コレクタ電流、ドレイン電流)でも場合によってはMOS-FETでは
放熱器が不要になります。
また、トランジスタの場合、必要なコレクタ電流を流すために「ある程度のベース電流」が
必要ですが、MOS-FETではゲート・ソース間に電圧を加えるだけですので、ゲートには
ほとんど電流は流れません。
これは言い方を変えると、MOS-FETを動作させるには小さな電力(電流)で済むということ
です。
◎点滅回路を作る
★システム構成
ON/OFF発振回路を複数用意し、大電流(数100mA)にはMOS-FETを用い、
小電流(50mA以下)はトランジスタにてテープLEDを駆動することにします。
ON/OFF発振回路の周波数(周期)はすべて任意に設定出来、
それにより各テープLEDの点滅具合を変えることが出来ます。
テープLEDはスイッチングACアダプタを電源とし、ON/OFF発振回路もそのままACアダプタで
動作させて、部品点数の削減をはかることにします。
★発振回路
発振回路は「タイマICの555」などが考えられますが、
今回は「シュミットIC」による方法を用いてみました。
図9のように抵抗、コンデンサがそれぞれ1本で発振回路を構成することが出来、
発振回路が複数欲しいときに便利です。
動作原理は「CRの充放電」を利用したもので、周期Tおよび周波数Fは@、A式で表わ
されます。
@、A式はICにTC4584Bを用い、電源電圧12Vで動作させた場合の目安です。
周波数を可変したい場合は図10のように
Rにボリューム(半固定)を追加することに
より行います。
また、TC4584Bはインバータ(シュミット)
が6個入っていますから、最大6個までの
発振回路を構成することが出来ます。
★回路図
図12に回路図を示します。
発振は4回路搭載し、数100mA以上のLEDに対してはMOS-FET、
50mA以下のLEDに対してはトランジスタで駆動することにします。
発振周波数(周期)はすべて半固定ボリュームにて可変です。
Q1部のみゆっくりとした周期(約2.6sec〜5.3sec)、それ以外は周期0.34sec〜3.7secとし、
任意に設定することにします。
IC1は東芝のTC4584BP(他メーカー品でも可)で、デジタルICの4000Bシリーズの1つで、
動作電源電圧が3V〜18Vと広いのが特徴です。したがって今回のように12V電源でも電圧
変換する必要が無く、そのまま12Vに接続します。
発振部のR2,R5,R8,R12は原理的には不要なのですが、ICの入力保護として入れています。
IC1のインバータが2つ余りましたので、これを利用し、Q3/Q4およびQ5/Q6が交互点滅と
なるようにしてみました。
これによりインバータはすべて使用しましたが、もし余った場合は図11のように入力ピンは
GNDまたはVccに接続しておきます。
トランジスタQ5,Q6は2SC1815ですが、hFEのやや大きいGRランクを用いています。
コネクタCN1,CN2はテープLEDへの接続用です。
CN1 → LEDのマイナスへ接続
CN2 → LEDのプラスへ接続
電源はスイッチングACアダプタを利用しますが、電流容量に注意します。
今回はテープLEDに以下の型番を用いています。
1210型 1本 400mA×1=400mA
MH型 3本 250mA×3=750mA
消費電流は合計1150mAです。したがって、ACアダプタの電流容量は1Aの上のクラスが
必要です。
今回は電流容量が2AのLinkman STD-12020Uを採用しました。
★部品表
部品番号   品名   型番   メーカー 数量
C1〜C4 セキセラ 2.2μF   CT4-0805Y225M Linkman 4
C5 ケミコン100μF   25YK100   Ruby-con 1
C6 セキセラ 0.1μF   CT4-0805B104K*10 Linkman 1
CN1,CN2 スクリューレス端子台   ML700NV8P サトー 2
IC1 デジタルIC     TC4584BP(NF) 東芝 1
J1 DCジャック     MJ14ROHS マル信 1
LED1 LED Φ3.5 青   LLED-B301 Linkman 1
Q1〜Q4 MOS-FET     2SK2382(Q) 東芝 4
Q5,Q6 トランジスタ     2SC1815GR(F) 東芝 2
R1 カーボン抵抗  1MΩ         1
R2,R5 カーボン抵抗  1K         2
R3,R6,R11 カーボン抵抗  100Ω         3
R4,R7 カーボン抵抗  100K         2
R8,R12 カーボン抵抗  1K         2
R9,R10 カーボン抵抗  100Ω         2
R13,R14 カーボン抵抗  10K         2
R15 カーボン抵抗  4.7K         1
VR1〜VR4 半固定抵抗 1MΩ(上調整) GF063P1B105*2 東京コス 4
XIC1 ICソケット 14P (板バネ)   212014NE   Linkman 1
  テープLED リール基板 青 YH-1210B-60-100 パトス 1
  テープLED 板基板 緑   MH-1400-G パトス 1
  テープLED 板基板 赤   MH-1400-R パトス 1
  テープLED 板基板 黄   MH-1400-Y パトス 1
  ユニバーサル基板 95×72サイズ LUPCB-9572-NS Linkman 1
  スイッチングACアダプタ12V/2A STD-12020U Linkman 1
  金属スペーサ、ビス類         1式
  線材 AWG22〜24 各色         必要量
*C6,VR1〜VR4の型番、数量に注意
テープLEDへの接続はAWG22〜24を用いる。
CN1,CN2には「スクリューレス端子台」を採用。
この型番はユニバーサル基板へ実装できるので便利。
図13にスクリューレス端子台による線材接続要領を示します。
★製作
写真3に基板の様子を示します。
基板は金属スペーサ4個を利用し、絶縁代わりとしましたが、
基板には少し大きな電流が流れますので、ケース収納をお勧めします。
CN1,CN2,MOS-FETの配線は太めの線材(またはメッキ線)を用い、MOS-FETのソース
は他のGNDに接続しないで、それぞれ単独でJ1のGNDへ接続します。
(ソースは一緒に1本にまとめても可)
★飾りつけ
図16に全体の接続を示します。
1210型はリール基板ですので、カット、加工が楽です。
そこで、「星型」に加工してみました。
加工要領は図15のようにカットしたものをそれぞれ「プラスとプラス」「マイナスとマイナス」
をメッキ線等を利用し接続(はんだ付け)します。
リール基板はテープ状ですから形により強度不足であれば補強します。
MOS-FET駆動部はそのまま1210型、MH型を駆動出来ますが、トランジスタ駆動部は
50mA以下までですので、今回はMH型をカット(3灯)したものを点滅しています。
写真4のように観葉植物に飾りつけてみました。
写真では分かりにくいのですが、結構明るくて最初は驚きます。
◎点滅のアイディア
テープLEDの用途はアイディア次第ですが、図12の回路では点滅のみです。
そこで、図17のような回路を紹介します。
TC4017は「カウンターIC」です。クロック(CK)が変化する毎にQ0〜Q9はどれか1つが「H」
になり、その出力パターンは「Q0→Q1→Q2・・・・・Q9→Q0→Q1・・・」と変化します。
このQ出力にLEDをドライブするためのMOS-FETまたはトランジスタを接続すれば、
LEDは「順次点灯」するパターンになります。
順次点灯のスピードはTC4584による発振周波数を変えれば良いです。
例えば図18のように1210型を星型にすれば10分割ですから、1分割あたり40mAの消費
電流です。この値であればトランジスタで十分ドライブ可能です。
また、図19のようにMOS-FETを「PWM制御」すればLEDの明るさを調整することができます。
図19では青系の色になっていますが、1210型、MH型では「白」「電球色」もありますから、
このような色を用いると良いです。