テキスト ボックス:               簡単治具製作シリーズ
         「デジタルテスタ用 周波数カウンター拡張装置の製作」

                       2009年10月  KY
◎はじめに
最近サイキンのデジタルテスタ(マルチメータ)は電圧デンアツ電流デンリュウ以外イガイ周波数シュウハスウ測定ソクテイ機能キノウソナえたものも
オオくなっています。また、測定ソクテイデータをパソコンにめるものもあります。
筆者ヒッシャもこのようなデジタルテスタを利用リヨウしていますが、テスタの機種キシュにより測定ソクテイ可能カノウ周波数シュウハスウ範囲ハンイ
コトなり、測定ソクテイ可能カノウ上限ジョウゲンアタイスウ100KHzまたはスウMHzの機種キシュもあります。
機種キシュによってはタカ周波数シュウハスウでも測定ソクテイ可能カノウなものもあるようです)
また、信号シンゴウレベルがスウ10mVでは測定ソクテイ不可フカ機種キシュもあります。そこで、測定ソクテイ周波数シュウハスウ拡大カクダイ
感度カンドアップを目的モクテキとした「周波数シュウハスウカウンター拡張カクチョウ装置ソウチ」を製作セイサクしましたので紹介ショウカイします。
◎システム
1のようにデジタルテスタヨウのアプリケーションソフトを利用リヨウして、パソコンウエ周波数シュウハスウドリフト
のグラフを描画ビョウガします。
また、周波数シュウハスウドリフトではなく、単純タンジュン周波数シュウハスウカウンターとしてモチいることも出来デキます。
◎ブロックおよび回路図カイロズ
(インピーダンス変換ヘンカン
J-FETをモチいたソースフォロワ回路カイロです。
入力ニュウリョクインピーダンスはヤク1MΩで、過大カダイ入力ニュウリョクスウV)にタイしてはダイオードD1〜D4の保護ホゴ回路カイロハタラきます。
増幅ゾウフク
トランジスタTR2のエミッタ共通キョウツウ回路カイロによる増幅ゾウフクと、インバータIC(アンバッファ)74HCU04により、
ほぼ、デジタル信号シンゴウまで増幅ゾウフクします。
IC1(74HCU04)の電源デンゲン接続セツゾク注意チュウイしてください。
ホン装置ソウチではIC1の電源デンゲンおよびGNDカン抵抗テイコウR11,R12をれています。
波形ハケイ整形セイケイ
IC1の出力シュツリョク完璧カンペキなデジタル信号シンゴウではありません。この信号シンゴウをシュミットトリガインバータの74HC14
できれいなデジタル信号シンゴウ波形ハケイ整形セイケイします。
参考サンコウとして100に74HC14の入出力ニュウシュツリョク波形ハケイシメします。
74HC14の「IN」信号シンゴウ完璧カンペキなデジタル信号シンゴウではない)がきれいなデジタル信号シンゴウ「OUT」になって
波形ハケイ整形セイケイされているのがかります。
ブンシュウおよび切換キリカエスイッチ)
デジタルテスタの周波数シュウハスウレンジ拡大カクダイ目的モクテキとして「1/10のブンシュウ回路カイロ」をモウけました。
タトえば、INPUT端子タンシに20MHzの信号シンゴウクワえた場合バアイブンシュウウツワモチいればOUTPUT端子タンシには
20MHz÷10=2MHz の信号シンゴウ変換ヘンカンされ、最大サイダイ2MHzの周波数シュウハスウレンジのデジタルテスタでも20MHzの
信号シンゴウアツカえる(測定ソクテイ)ことになります。
1/10にすれば4のように実際ジッサイ周波数シュウハスウを10バイしてめばいので、換算カンサンラクです。
ブンシュウには10ススムカウンターICの「74HC390」をモチいています。
なお、このICは2回路カイロりなのでもう1つの回路カイロ利用リヨウすれば「1/100ブンシュウ」も可能カノウです。
製作セイサク
基板キバンとケース実装ジッソウ
サイズ 72×95 の片面カタメンユニバーサルを利用リヨウしててました。
配線ハイセンはTR1,TR2のGNDを極力キョクリョクミジカくすることと、GNDの配線ハイセン順番ジュンバン注意チュウイします。
5にホン装置ソウチカクブロックの配置ハイチとGND配線ハイセンシメします。
ケースにTAKACHIのYM-150をヨコきにしたイメージでユニバーサル基板キバン製作セイサクしました。
基板キバン実験ジッケンねて5のとおり製作セイサクしたのですが、
その、ケースをYM-150にタイして1ランク
チイさいYM-130の縦置タテオきにすることにしました。
基板キバンもYM-130のタテきにすべきですが、実験ジッケン
ねたユニバーサル基板キバンでうまく動作ドウサし、スコ
面倒メンドウになってきたので基板キバンはそのままです。
YM-130のタテきにする場合バアイ6の配置ハイチ
いとオモいます。
5の基板キバンではINPUTと基板キバンへのグチスコ
距離キョリがあるので、INPUTのBNCコネクタと基板キバンカン
配線ハイセンには「50Ωの同軸ドウジクケーブル」をモチいています。
同軸ドウジクケーブルは不要フヨウかもしれません)
6の配置ハイチにすれば同軸ドウジクケーブルでの配線ハイセン
不要フヨウです。
写真シャシン1に内部ナイブ様子ヨウスシメします。
INPUT,OUTPUTは「絶縁ゼツエンタイプのBNCコネクタ」です。これにより不要フヨウなGNDループをツクらない
ようにし、アナログとデジタルのGND経路ケイロをはっきりさせます。
今回コンカイ使用シヨウしたユニバーサル基板キバンアナの1箇所カショが「ベタパターン」になっています。
基板キバンはLinkmanのLUPCB-9572-NS)
このパターンを利用リヨウして基板キバンのGNDをシャーシへ接続セツゾクします。
7にその方法ホウホウシメします。
ベタパターンを基板キバンのGNDに接続セツゾクし、金属キンゾクスペーサをカイしてシャーシと接続セツゾクします。
なお、今回コンカイ入力ニュウリョクのインピーダンスは1MΩとタカくしていますので、金属キンゾクケースに実装ジッソウ収納シュウノウ
しないと外来ガイライノイズの影響エイキョウけます。(金属キンゾクケース実装ジッソウしないと使ツカモノにならない)
ケースをYM-150からYM-130に変更ヘンコウした理由リユウツギのとおりです。
8のようにケースをタテきにした場合バアイ筆者ヒッシャ所有ショユウのデジタルテスタをそのままケースウエけて
場所バショらないからです。
写真シャシン2にケース外観ガイカンシメします。
部品ブヒンヒョウ
部品ブヒン番号バンゴウ 品名ヒンメイ   型番カタバン   メーカー 備考ビコウ  
C1,C6〜C8 積層セキソウセラミックコンデンサ 0.1μF     耐圧タイアツ50V  
C2,C3 セラコン   0.01μF     耐圧タイアツ50V  
C4,C12 ケミコン   100μF     耐圧タイアツ25V以上イジョウ
C5 ケミコン   10μF     耐圧タイアツ25V以上イジョウ
C9,C10 積層セキソウセラミックコンデンサ 0.1μF     耐圧タイアツ50V  
C11 ケミコン   47μF     耐圧タイアツ25V以上イジョウ
D1〜D6 ダイオード   1N4148     同等品ドウトウヒン  
IC1 ロジックIC   74HCU04        
IC2 ロジックIC   74HC14        
IC3 ロジックIC   74HC390        
IC4 3端子タンシレギュレータ 7805        
J1,J2 BNCコネクタ   CN24A   テイシン 同等品ドウトウヒン絶縁ゼツエンタイプ)
J3 DCジャック   MJ14ROHS   マルシン無線ムセン    
R1 カーボン抵抗テイコウ   1MΩ        
R2,R9 カーボン抵抗テイコウ   100KΩ        
R3,R5 カーボン抵抗テイコウ   100Ω        
R4 カーボン抵抗テイコウ   4.7KΩ        
R6 カーボン抵抗テイコウ   330Ω        
R7,R8 カーボン抵抗テイコウ   47KΩ        
R10〜R12 カーボン抵抗テイコウ   220Ω        
S1 トグルスイッチ 3P        
TR1 FET   2SK192A-Y 東芝トウシバ Yランク  
TR2 トランジスタ   2SC1906   ルネサス 代替ダイガエ  
XIC1 ICソケット   14P     IC1ヨウ  
XIC2 ICソケット   14P     IC2ヨウ  
XIC3 ICソケット   16P     IC3ヨウ  
  金属キンゾクスペーサ 8mm     M3ヨウメスーメス
  ビス         M3セットビス  
  ケース   YM-130   TAKACHI    
  基板キバン   LUPCB-9572-NS Linkman サイズ 95mm×72mm
  ゴムアシ   BP42   TAKACHI    
# 2SK192AはなるべくYランクを使用シヨウ
   ホカのランクの場合バアイ、R4,R5の調整チョウセイ必要ヒツヨウになるかもしれません。
# 2SC1906は2SC1815トウ汎用ハンヨウトランジスタでも動作ドウサするとオモ
  ますが、なるべくftのタカいトランジスタがノゾまれます。
  (タトえば、2SC2668トウ
#   基板キバン片面カタメンユニバーサル 95mm×72mmであれば同等品ドウトウヒン
評価ヒョウカ
出来上デキアがったものを評価ヒョウカしてみました。
評価ヒョウカは「感度カンドチェック」です。ヒョウ1、ヒョウ2に結果ケッカシメします。
カク信号シンゴウレベルを入力ニュウリョクした場合バアイで、「○」は正常セイジョウカウントした部分ブブンです。
「×」はミスカウントまたはカウントしない部分ブブン数値スウチ正常セイジョウカウントしたトキ入力ニュウリョクレベルです。
ヒョウ1の結果ケッカから、「おおむね、10Hz〜10MHzの範囲ハンイでは入力ニュウリョクレベル150mVrms以上イジョウであれば
正常セイジョウカウント」します。
オオきい信号シンゴウレベルでは「1/10のブンシュウモード」正弦セイゲンで7Vrms、矩形クケイで10Vp-pまでは
正常セイジョウカウントします。(それ以上イジョウ振幅シンプクレベルはテストしていない。オオきい信号シンゴウレベルをアツカいたい
のであれば、外部ガイブにアッテネータを付加フカすればい)
ヒョウ
  正弦波セイゲンハ 40mVrms 正弦波セイゲンハ 1Vrms 正弦波セイゲンハ 3Vrms
  1 1/10 1 1/10 1 1/10
10Hz 70mVrms 70mVrms
100Hz
1KHz
5MHz
6MHz
7MHz 50mVrms 50mVrms
8MHz 90mVrms 70mVrms
9MHz 130mVrms 90mVrms
10MHz 130mVrms 110mVrms
11MHz 220mVrms 140mVrms
12MHz 270mVrms 180mVrms
13MHz 510mVrms 210mVrms
14MHz 560mVrms 270mVrms
15MHz 650mVrms 320mVrms
ヒョウ
  正弦波セイゲンハ 5Vrms 正弦波セイゲンハ 7Vrms 矩形クケイ 5Vp-p 矩形クケイ 10Vp-p
  1 1/10 1 1/10 1 1/10 1 1/10
10Hz
100Hz
1KHz
5MHz
6MHz
7MHz
8MHz ×
9MHz ×
10MHz ×
11MHz ×
12MHz × ×
13MHz × × ×
14MHz × × ×
15MHz × × ×
○ カウントOK
× ミスカウントまたはカウントせず
数値スウチ正常セイジョウカウントしたトキ入力ニュウリョクレベル
周波数シュウハスウタカいほどブンシュウしないモードのほうが感度カンドテン不利フリ結果ケッカです。
この理由リユウはOUTPUT出力シュツリョク手前テマエのR10のアタイが220Ωとタカめになっているので、負荷フカ(テスタトウ
アタイによってホン装置ソウチ出力シュツリョク波形ハケイクズれるからです。
このR10はICの出力シュツリョクショートの保護ホゴヨウですが、当初トウショアツカ信号シンゴウは10MHz程度テイドカンガえていたので
このようなアタイです。
IC(74HC14)自体ジタイはもうスコタカ周波数シュウハスウまで動作ドウサ可能カノウです。
ヒョウ3に出力シュツリョクバッファの74HC14の入力ニュウリョクピンで正常セイジョウカウントしたカク周波数シュウハスウでの入力ニュウリョクレベルを
シメします。
ヒョウ
周波数シュウハスウ 入力ニュウリョクレベル
(Vrms)
TR2の増幅ゾウフクは、やや、オサなのでこの部分ブブン調整チョウセイするか、 20MHz 0.49
IC1での増幅ゾウフクげれば感度カンド改善カイゼンされるとオモいますが、 25MHz 0.69
これでとしました。 30MHz 1.26
もし、10MHz以上イジョウアツカうのであれば9のような 35MHz 1.31
「バッファ能力ノウリョク強化キョウカ」をタメすのもいとオモいます。 40MHz 1.4
9ではR10を50Ω(1W)とし、カクゲートを並列ヘイレツ接続セツゾクしてバッファ能力ノウリョクげます。
また、デジタルテスタガワでインピーダンス整合セイゴウヨウの「50Ω終端シュウタン抵抗テイコウ」を接続セツゾクします。
50Ω終端シュウタン抵抗テイコウには「BNCカタターミネータ(50Ω)」をモチい、カク変換ヘンカンコネクタをモチいると接続セツゾクラク
なります。また、同軸ドウジクケーブルは各種カクシュナガさを用意ヨウイしておくと便利ベンリです。
使用シヨウした感想カンソウ
10に「周波数シュウハスウドリフト測定ソクテイ接続セツゾク」、写真シャシン3に測定ソクテイ風景フウケイシメします。
ケースウエにデジタルテスタをくようにしたのは場所バショらなくていです。
測定ソクテイケーブルは50Ωの同軸ドウジクケーブルが基本キホンです。
デジタルテスタのパソコンヨウのアプリケーションソフトで自動的ジドウテキ周波数シュウハスウドリフトをグラフして
くれますので、このような測定ソクテイ非常ヒジョウラクオコナえていです。
出力シュツリョク信号シンゴウについて
ホン装置ソウチ出力シュツリョク信号シンゴウ11のようにデジタル信号シンゴウです。
デジタルテスタの機種キシュによっては、このようなデジタル
信号シンゴウタイして周波数シュウハスウカウントしない(反応ハンノウしない)
ものがあるかもれません。
このような場合バアイ12のように出力シュツリョク信号シンゴウをコンデンサを
トオしてからデジタルテスタに接続セツゾクしてください。
コンデンサをトオして抵抗テイコウ終端シュウタン接地セッチ)すればGNDを
マタ信号シンゴウになります。つまり、デジタル→交流コウリュウ信号シンゴウ変換ヘンカンします。