[WEBライブ・セミナ]3GHzネットアナ付き!初めてのIoT向け基板アンテナ設計 ~①電磁界シミュレータSonnet Liteで学ぶ基板レイアウトの基本 ②Sパラメータの基礎 ③NanoVNAV2よる周波数特性測定まで~
講師:知念 幸勇
企画:ZEPエンジニアリング
開催日時:7月2日(土) 10:00~13:00
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■本セミナで使う実習キット
講義中または講義後にベクトル・ネットワーク・アナライザNanoVNAV2によるSパラメータ測定を実施してみたい方は,アンテナ実験キット(20,000円相当)の購入をご検討ください.本セットの詳細は antenna.pdf をご参照ください.
(1)50kHz~3GHzのベクトル・ネットーク・アナライザNanoVNAV2(アンテナ測定データ付き)
(2)広帯域校正用SOLT端子(4個)
(3)広帯域同軸ケーブル(2本)
(4)2.4GHz帯パッチアンテナ
※NanoNVAV2をお持ちで,2.4GHz帯パッチ・アンテナのみを購入される場合は,info@zep.co.jp までご連絡ください.
■学ぶこと
本セミナでは,両面銅張FR-4基板上の2.4GHz帯パッチ・アンテナ(指向性アンテナ)を例に,フリーの電磁界シミュレータ「Sonnet Lite」とベクトル・ネットワーク・アナライザ「NanoVNAV2(SAAV2)」を使用して,IoT向けパターン・アンテナを設計する方法を学びます.
本例題のアンテナ給電線路は50Ωマイクロ・ストリップラインです.Sonnet Lite上でFR-4基板の誘電体,金属,空気などの材料情報と銅金属のセル・サイズ,FR-4基板外形を入力してアンテナ・パターンを描画すると,Sパラメータと2D電流密度分布を確認できます.携帯機器などに使われる逆Fアンテナ(IFA)についても,Sonnet Liteによる,シミュレーション事例を紹介します.
設計ではSパラメータを使用します.そのため,Sパラメータの基礎理論(基本方程式,タッチストーン記述様式)も学びます.
アンテナのSパラメータ周波数特性測定には.NanoVNAV2(SAAV2)を使用します.フリーのアプリケーション・ソフトウェアNanovna Saverをパソコンにインストールし,NanoVNAV2(SAAV2)の環境設定,SOLT校正を行います.Sonnet Liteにより設計したアンテナ・パターンに基づき,あらかじめ作製された2.4GHz帯パッチ・アンテナのSパラメータ(S11)の周波数特性(1GHz~3GHz)を測定します.測定値をSonnet Liteで得られたSパラメータと製作基板の測定結果を比較することで,アンテナ設計法とSパラメータ測定法の理解が深まります.
(1)電磁界シミュレータSonnnet Liteで学ぶ2.4GHz帯指向性パッチ・アンテナ設計
・電磁界シミュレーション入門
・FR-4基板を用いたパッチ・アンテナのレイアウト作成
両面銅張FR-4基板の寸法,誘電体/金属情報の入力.FR-4片面にマイクロストリップ・ラインに接続した2.4GHz帯アンテナのレイアウト作成
・Sパラメータ(S11)による周波数特性のシミュレーション
Sonnet Lite のシミュレーション設定,グラフ作成方法,Sパラメータの保存
(2)Sパラメータの基礎
・Sパラメータとは
・ベクトル・ネットワーク・アナライザ入門
・スミス・チャートとは
(3)NanoVNAV2によるSパラメータ測定技術
・NanoVNAV2の概要
・4個のSOLT端子を使用してNanoVNAV2の校正(S11,S21)
・アプリケーション・ソフトウェア「Nanovna Saver」を用いたNanoVNAV2による測定法
※上記(2)と(3)には,「3GHzベクトル・ネットアナ付き!RF回路シミュレーション&設計・測定入門」講義ビデオ付きパーツセットと重なる講習内容が含まれています.
■受講対象
・ベクトル・ネットワーク・アナライザ(VNA)の測定を体験したい方
・Sパラメータの基礎知識を理解したい方
・2.4GHz帯パッチ・アンテナのレイアウト作成とシミュレーションを体験したい方
・電磁界シミュミレータSonnet Liteを体験してみたい方
※Sonnet Liteの機能制限のため,アンテナの3D放射電界分布,ゲインなどを扱うことはできません.また解析メモリ・サイズは64MB以下なので,高精細なレイアウトは作成できません.アンテナ設計はレイアウト作成・シミュレーションまでで,基板作製法は含まれていません.
■あると望ましい予備知識
電気回路の基礎知識
■講演の目標
・べクトル・ネットワーク・アナライザ(VNA)の測定に関する基礎知識の理解
・Sパラメータの基礎知識の習得
・3GHz帯NanoVNAV2(SAAV2)の扱い方の習得
・Nanovna Saver の使用法の習得
・2.4GHz帯パッチ・アンテナのレイアウト作成
・電磁界シミュミレータSonnet Liteの使用法
■受講者が準備するもの
・パソコン(Windows10,マイクロソフトのOfficeまたはその互換アプリ)
本セミナは,2.5GHz,4コア,8GB程度の演算環境をベースに進めますが,それ以下の環境でもシミュレーション時間を気にしなければ問題ありません.
・電磁界シミュレータSonnet Lite
セミナ開催3日前までにソフトウェアの入手先などを連絡させていただく予定です.
■講師紹介
●略歴
沖縄高専名誉教授,GLEX代表 (教育・研究コンサルタント)
(株)東芝にて光通信用半導体・送受信器の開発,高周波デバイスの応用技術などに25年間従事.国立沖縄高専にて,アナログ・ディジタル電子回路,高周波回路の講義などに12年間従事.専門領域:光通信,無線工学,半導体工学, バイオ・エレクトロニクス(工学博士,第一級陸上無線技術士,電気通信主任技術者)
●主な著者
(1)7大電子回路シミュレータRF解析性能の見極め方,トランジスタ技術2020年1月号,CQ出版社.
(2)測定周波数50k~900MHz 5千円のネットワーク・アナライザ NanoVNA,トランジスタ技術2020年7月号,CQ出版社.
(3)FR-4基板でつくる2.5GHz帯アンテナの設計・製作,トランジスタ技術2021年2~3月号,CQ出版社.
(4)QAM-OFDM変調ディジタル無線通信における多層・複合材料の電磁波遮蔽の評価,電子情報通信学会論文誌 招待論文2021年6月号,電子情報通信学会論文誌
(5)高電子移動度トランジスタでつくる1G~3GHz帯低雑音アンプの設計・制作,トランジスタ技術2021年6~12月号連載,CQ出版社.
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