AI やIoT、ロボティクス、さらに省エネルギーで高効率な回路やデバイスの基礎研究ならび開発に邁進されている全国の高専生・大学生・大学院生の皆様へ。マルツエレックとDigiKey社がエレクトロニクス分野における学習や研究、開発に必要とされる電子部品を【無償提供】いたします。

◆結果発表(2023年10月開催)

最優秀賞
10万円相当のマルツポイントを進呈
①東京農工大学 ロボット研究会R.U.R 川村 様 
 アプリケーション名:学生ロボコンに向けた完全自律走行のロボット開発
コメント(講評):東京農工大学ロボット研究会のアプリケーション構想は、完全自律走行ロボットの開発に向けた野心的な目標を設定しています。具体的には、画像認識とLiDARを組み合わせた自律走行技術の開発を目指しており、これによりロボットが環境を理解し、経路を動的に生成する能力を持つことが求められています。技術的には、深度カメラを用いた高度な画像認識、エンコーダーやIMUからのデータを活用した自己位置推定、そしてこれらの情報を基にした経路生成と制御の実現が核となっています。このアプローチは、ロボット工学における最先端の課題に対処し、実世界の応用に向けた重要な一歩を踏み出しています。

私たちは東京農工大学のロボット研究会です。

この度は最優秀賞をいただき、大変光栄に思っております。また部品の支援をいただき、まことにありがとうございます。

私たちの目標は、完全自律走行のロボット開発です。

このプロジェクトは、NHK学生ロボコンというロボット競技大会に向けて開発を進めているプロジェクトです。
競技中にロボットが自己位置推定を行い、自動走行ができるシステムを開発中です。
ロボットを安定して動かせるように、高性能なモータードライバの製作や通信の信頼性向上に向けた改良などを行なっています。
提供していただいた部品を活用して、ロボットの全体的な開発を進め自律ナビゲーションを実現することを目指しています。

最後に、このプロジェクトを評価し、ご支援いただけることに心から感謝申し上げます。

この受賞を励みに、NHK学生ロボコンでよい結果を残せるよう、努力と情熱をもって取り組んでまいります。

これからも私たちの挑戦を応援いただけると幸いです。

どうもありがとうございました。

優秀賞
5万円相当のマルツポイントを進呈
②電気通信大学 田中 様 
 アプリケーション名:粘土を用いた簡便な粉末焼結式3Dプリンタ
コメント(講評):このアイディアは、粉末焼結式3Dプリンタの革新的な代替案を提案しています。従来の樹脂粉末の代わりに、液中に分散した粘土(ポリマークレイ)を使用し、レーザで焼結するというアイデアは、粉塵爆発のリスク削減と家庭での利用拡大の可能性を秘めています。ポリマークレイの使用は、サポート材の必要性を排除し、サポート除去に関連する問題(時間、コスト、怪我のリスク)を解決するとともに、創造性を制限することなく形を造形する自由度を3Dプリンタユーザに与えます。技術的には、レーザ焼結の精度と粘土供給の均一性が重要な課題となりますが、提案された機構はこれらの問題に対処するための有効な第一歩を示しています。全体として、このアイデアは3Dプリンティング技術の新たな応用領域を開く可能性を秘めており、環境とユーザビリティの観点からも評価されます。

優秀賞をいただきました電気通信大学の田中と申します。

今回、私のアイデアが高く評価されたことを非常に嬉しく思います。
このプロジェクトは大学の研究とは別の個人的な取り組みであり、資金援助をいただけることは大変嬉しいです。
このプロジェクトは、私が過去に何度も使用した既存の3Dプリンターを使う際に直面した経験や課題から生まれました。
従来の3Dプリンターですと、造形物に足のようなものがついてしまい、それを切り落とす作業が非常に大変です。[中略]光造形式の場合、
それに対して、焼結式の3Dプリンターは、支持構造を必要とせず、有毒な化学薬品を必要としない点も魅力です。
そこで個人が使用できるFDM 3Dプリンターを作ることを目的にこのプロジェクトを始めました。

今できているものとしては、レーザーを手動で動かして粘土を光にさらし、焼成して固めることを確認した段階です。現在、機械部品の作業に取り組んでおりますが、プロジェクト全体が完成するにはもう少し時間がかかるかもしれません。

完成した場合、すべてをオープンソースハードウェアとして公開する予定ですので、楽しみにしていてください。

奨励賞
3万円相当のマルツポイントを進呈
③秋田県立大学 長谷山 様 
 アプリケーション名:Moog Etherwave Thereminの自作再現
コメント(講評):応募されたブロック図と部品リストは、電子楽器の設計における深い理解を示しています。ブロック図は、ピッチとボリュームを制御するオシレーターからオーディオアンプへの信号の流れを明確に示しており、部品リストには、電圧調整や信号増幅のための積分回路、トランジスタ、ダイオード、そしてピッチとボリュームの精密な調整に不可欠なインダクタなどが含まれています。特に、LM386オーディオアンプや2N3904トランジスタの選択は、信頼性と音質を考慮した設計意図を反映しています。このプロジェクトは、技術的内容と実用性をバランス良く組み合わせ、教育的かつ音楽的な応用に優れた可能性を秘めています。全体として、この学生プロジェクトは、電子工学の原則に対する深い理解と計画の細部に至るまでのレベルの高さが伺えます。

秋田県立大学の長谷山と申します。

学生アイデアコンテストで奨励賞をいただいたことに、心の底から感謝申し上げます。

現在、秋田県立大学 システム科学技術学部に在籍し、メカトロニクスの研究に取り組んでいます。

今回応募したプロジェクトは、電子楽器テルミンを作成することです。

テルミンに初めて出会ったとき、その奇抜さと原理に興味をもち、自分の手で作ってみたい、と感じました。

今後は必要な部品を集め、回路と筐体をデザインし、理想的な形のテルミンを実現できるように努力していきたいと思っています。

賞金はテルミンの部品調達に有効活用させていただきます。

改めて、この度、この賞をいただき、まことにありがとうございました。

感謝申し上げます。

敢闘賞
5,000円相当のマルツポイントを進呈
④電気通信大学 宗友 様 
 アプリケーション名:人力飛行機における、CLASとMovingBaseによる高度と姿勢の推定

このような貴重な機会をいただき、たいへん光栄です。

私たちU.E.C. Wingsは、日本の琵琶湖で開催される鳥人間コンテストに向けて、人力飛行機を設計、製作しています。

人力飛行機の安全な飛行と、飛行データの記録と解析には、信頼性の高い計測器が必要不可欠です。

従来の地磁気センサーを用いた方位角の推定は、偏角や環境の要因による影響が大きく、校正が必要で、小回りの聞かない人力飛行機においては信用に足りないものでした。

また超音波センサーやLiDARでは必ずしも連続した高度が得られるとは限りませんでした。

そこで私たちはみちびき衛星からのセンチメートル級の測位補強情報を受信し、位置、高度、姿勢角を高精度に計測するGNSSモジュールを設計、試作、評価しました。

日本で一般的に使用されているセンチメートルレベルのGNSSモジュールは外部アクティブアンテナを必要としますが、私たちのモジュールは、受信強度は若干低いものの、外部アンテナなしで同等の機能を実現しています。
[中略]
琵琶湖のような開放的な環境では、チップアンテナだけで十分な精度を得ることができると考えています。

現在はムービングベースからローバーへ、LoRaWAN経由で補正情報を配信し、基線ベクトルから方位角を含む姿勢角を得るための拡張ボードの設計を行なっています。
この拡張ボードにより、さらに運用の幅を広げることができると考えています。

⑤旭川工業高等専門学校 武井 様 
 アプリケーション名:自家製フェーズドアレイ壁透視マシン

旭川高専専攻科の武井と申します。

学生アイデアコンテストで私のアイデアが受賞できたことを嬉しく思います。

まさか選ばれるとは思っていなかったので、とても驚きました。

今回のアイデアは「自家製フェーズドアレイレーダー」です。電波を使って壁を透視する技術をヒントに思いつきました。その機器は、壁の後ろにいる人々の動きや姿勢を特定でき、特殊部隊の突入作戦などにも役立てることができる、というものでした。魔法のようでとてもおもしろいテーマではないでしょうか。
[中略]
しかし、壁を透視するためにWi-Fi電波を使用する従来のシステムには、大掛かりで手軽には使えないという点や、軍事用の特殊な部品を使用している、という欠点がありました。

私のプロジェクトの最終目標は、ハンドヘルドかつ民生用の部品を使用して、個人の工作の範疇で作れるガジェットを製作することです。電波出力の制限などの制約を考慮すると、壁を透視するという目標はチャレンジングでおもしろいと考えています。

フェーズドアレイレーダーの概念を実証するために必要なSDR実験デバイスを購入するために、賞金を使用する予定です。

今回、私のアイデアが賞を受賞したことを大変嬉しく思います。

ありがとうございました。

この度はたくさんのご応募をいただき、誠にありがとうございました。

【第2回】学生アイディア・コンテスト
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◆これまでのイベント

過去の学生アイディア・コンテストの概要を掲載しております。

開催年月イベント名 
2023年10月 【第1回】学生アイディア・コンテスト 詳細はこちら

 

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