AI やIoT、ロボティクス、さらに省エネルギーで高効率な回路やデバイスの基礎研究ならび開発に邁進されている全国の高専生・大学生・大学院生の皆様へ。マルツエレックとDigiKey社がエレクトロニクス分野における学習や研究、開発に必要とされる電子部品を【無償提供】いたします。

◆結果発表(2024年4月開催)

最優秀賞
10万円相当のマルツポイントを進呈
①木更津工業高等専門学校 林 様 
 アプリケーション名:視線入力をすべての人に!
 ~オープンソース虹彩検出ソフトウェア及びハードウェア設計~
コメント(講評):「視線入力をすべての人に!」は、重度障碍者や研究用に視線入力技術を普及させることを目指す素晴らしい提案です。特に印象的だったのは、独自の虹彩検出アルゴリズムを用いて高速かつ精度の高い顔検出を実現し、それをマイコンに実装しやすくした点です。このアプローチにより、コストを抑えたシステム構築が可能となり、多くの人々に手軽に利用できる視線入力環境を提供できることが期待されます。

提案されたシステムは、Haar-like特徴量による顔検出とHoG特徴量による顔特徴点検出を組み合わせ、Pythonで実装されています。この選択は、深層学習を用いないことで処理速度の向上と内部構造の可読性を高め、システムの普及を促進する重要な要素となっています。また、具体的な利用シーンに応じたGUIの設計やパッケージ化を目指している点も評価できます。さらに、音声入力の導入を検討している点は、多様な入力方法を提供することでユーザーの利便性を高めるための前向きな取り組みです。

全体として、この提案は技術的に高度でありながら、実用性と普及のしやすさを兼ね備えている点が非常に優れていると感じました。視線入力をより多くの人々に届けるための努力と情熱が伝わり、今後の発展が非常に楽しみです。

テーマ名にある「視線計測」とはどのようなものかご存知でしょうか。

この通りです。

このように視線を検出します。

脳機能の推定であったり、ヒューマンインタフェースなど用途は多くありますが、体が動かない、声が出せない、手が動かない、利用するときのコミュニケーションの最終手段としてこのようなものがあります。

現状あまり普及していない状況を鑑みて「より使いやすくより高速に、それでいて可能な限り高性能で、何より安くあれば・・・」と思い、そうすればもっと価値のあるものがより多くの人に届くのではないかと思っております。

どのような状況であってもゆっくりとでもコミュニケーションがとれるように、そのような願いを込めてこのアイディアを提案いたしました。

具体的な方針としてはアルゴリズムを提案し、今後の発展としてマイコン等に実装することによってパッケージング化を目指しています。

そして最後に多くの課題も残り、完成に至るまではまだまだ遠いと言える私の提案ですが、この度最優秀賞という栄誉ある賞をいただくことができ、認められ背中を押されたような気持ちです。

「絶対に成し遂げる」という無責任なことは言えませんが、期待にお応えできるようにこれからも精一杯頑張っていきたいと思います。

宜しくお願い致します。

優秀賞
5万円相当のマルツポイントを進呈
②日本大学 曽根 様 
 アプリケーション名:HEPTA-Sat LITE を活⽤したリアルタイム気象モニタリングシステム
コメント(講評):「HEPTA-Sat LITE を活用したリアルタイム気象モニタリングシステム」は、超小型衛星を利用して気象データを収集・解析するというもので、そのコンセプトはユニークでありながら実現可能性が高いです。

まず、HEPTA-Sat LITEという教育用超小型衛星をベースにしたシステムは、専門知識がない人でも気象データの収集・解析を楽しみながら学べる点が魅力です。温度、湿度、気圧、雨量、風速、空気中の塵やPM2.5など、幅広い気象パラメータを計測できるため、気象現象の多面的な理解を深めることが期待されます。

また、Wi-Fi通信を利用してリアルタイムでデータをクラウドに送信し、閲覧・解析を行う仕組みは、データサイエンスやIoT技術の学習にも繋がる点が優れています。特に、家庭での設置を想定した「おうちでリアルタイム気象モニタリング」機能は、教育的な価値が高く、広く普及させることで多くの人々が気象データの重要性を理解し、気象学に興味を持つきっかけとなるでしょう。

さらに、このシステムを用いたワークショップの開催は、実践的な学習体験を提供するだけでなく、宇宙工学や気象観測の複雑さを楽しく学ぶ貴重な機会を創出します。参加者の好奇心や探究心を刺激し、将来の科学技術分野における人材育成にも寄与することが期待されます。

日本大学の曽根凪紗です。

学生アイディアコンテストで表彰いただき誠にありがとうございます。

私たちの研究室では地震の先行現象を捉える人工衛星を開発しています。

マネジメントから開発、解析、評価までを学生が行っており、衛星開発過程で得たノウハウを活かし、宇宙教育教材HEPTA-Satを作り、常にアップデートを続けてきました。

HEPTA-Satトレーニングは教科書とキットを使い誰でも衛星システムを学べる教材です。

HEPTA-Satをより手軽に体験ができるように今回の提案でも使用するHEPTA-Sat LITEを作成しています。

こちらがその(HEPTA-Sat LITE)基板になります。

HEPTA-Sat LITEはこの小さなサイズ(55x55mm)にマイコン、9軸センサ、温度センサなど衛星システムの要素が詰まっています

今回の提案ではHEPTA-Sat LITEに気象用センサ(雨量、風量等)をつけ気象観測を行います。

データはクラウドに保存され登録した誰もがデータにアクセスし利用できるような環境を提供します。

またここベトナムで、昨日HEPTA-Satのワークショップをしてきました。

他にも台湾、南アフリカなどでワークショップをした経験を活かし、HEPTA-Sat LITEを使った気象観測キットで子供向けのワークショップイベントを行い、衛星や気象について学べる場を提供したいと思います。

マルツポイントは気象に関わるセンサ類の購入に使用させていただきたいと思います。

今回は誠にありがとうございました。

奨励賞
3万円相当のマルツポイントを進呈
③東京農工大学工学部 太田 様 
 アプリケーション名:五指ロボットアーム「KAINA」と その遠隔操作及び力覚フィードバック可能なデータグローブの作成
コメント(講評):「KAINA」は、オンラインでの遠隔操作が可能な五指ロボットアームと力覚フィードバック機能を備えたデータグローブの開発を目指す、非常に先進的で実用性の高いプロジェクトです。

提案されたシステムは、曲げセンサーを用いて関節角度を測定し、その値に基づいてロボットアームを制御するバイラテラル制御技術を活用しています。この技術により、ロボットハンドが物を掴んだ感覚を遠隔地の操作員に再現することが可能となり、まるで自分の手を使っているかのような操作感を実現します。このアプローチは、出先での細かい作業や被災地での人が立ち入れない場所での作業など、多様な場面での応用が期待されます。

特に注目すべきは、システムの通信にWi-Fiを利用し、遠隔地からでもリアルタイムで操作が行える点です。さらに、アクチュエーターに電流センサーやエンコーダー、モータードライバーを内蔵することで、配線をシンプルに保ちながらも精度の高い制御が可能となっています。

このプロジェクトは、オンライン作業の限界を突破し、より多くの人々に遠隔作業の可能性を提供するための重要なステップとなるでしょう。提案されたシステムの完成と実用化が非常に楽しみであり、さらなる技術の発展を期待しています。

こんにちは。東京農工大学の太田と申します。

この度は奨励賞をいただくことができ、誠にありがたく思います。

現在私達はロボットアーム「KAINA」とそのデータグローブを作成しています。

このプロジェクトの目的は、人間の指、肘、肩の可動域やトルク、スピードなどを再現したロボットアームと、装着者の関節角度を測定しその通りにロボットアームを動かすことができるデータグローブを作成すること、それに加えて力覚フィードバック(ロボットアームが物を掴んだ際の感覚)をデータグローブ上のサーボモーターを用いて再現することで、遠隔操作でありながら人間の手で直接作業しているかのような感覚を得られることで、作業者がより正確に、より確実に作業できることを目的としたものになります。

現在使用するモーターでも力覚フィードバックの試験は成功し、今後はロボットアーム本体の設計、使用する基板の設計、無線通信のテストなどを行って完成に向けて活動していく予定です。

最後に改めましてこのような光栄な賞とご支援をいただくことができ、誠にありがたく思います。

ご支援いただきましたポイントは、ロボットアームの制作に必要な無線通信の機器や、データグローブに必要な曲げセンサーなどの部品調達に使用させていただきます。

ありがとうございました。

敢闘賞
5,000円相当のマルツポイントを進呈
④秋田県立大学 長谷山 様 
 アプリケーション名:消耗品の在庫管理システム
コメント(講評):「家の倉庫や冷蔵庫管理システム」は、日常生活の効率化と利便性向上を目指した素晴らしい提案です。このシステムは、ラズベリーパイを中心に、カメラやサーモカメラ、計量はかりを組み合わせて、家の冷蔵庫や倉庫の内部を遠隔でモニタリングすることを可能にします。

特に興味深いのは、外出先から冷蔵庫の中身を確認できる機能です。これにより、買い物中に必要なものを忘れることなく、効率的に買い物ができるようになります。また、サーモカメラを導入することで、冷蔵庫内の温度状況を把握でき、冷蔵庫のドアの閉め忘れや故障などの異常を早期に発見することができます。さらに、計量はかりを利用して、飲料や洗剤などの減り具合を記録し、在庫の管理や補充を自動化することも視野に入れています。

ソフトウェアの強化により、週や月ごとの在庫の消費パターンを分析し、異常な消費速度を検知することが可能になります。カメラによる画像認識技術を活用すれば、倉庫内の物品を自動的に検知し、状態を記録することができます。例えば、「ビール500mlが冷蔵庫に入れられた。10℃になるまであとx分かかる」といった具体的なアドバイスを提供することも可能です。

この提案は、技術的な先進性と実用性を兼ね備えており、日常生活の質を向上させるポテンシャルを持っています。システムの実現に向けたさらなる発展が非常に楽しみです。

こんにちは。秋田県立大学の長谷山です。

この度はマルツオンライン第2回学生アイディア・コンテストで敢闘賞をいただくことができ、大変嬉しく思います。ありがとうございます。

今回はIoTを利用した日常生活に役立つ製品がテーマでしたが、このアイディアを考えるにあたって気をつけたポイントは新規性、独自性です。

既存のIoT製品の観察を行い、新規のアイディアが生じるときは「既存のものと既存のもの同士との組み合わせによって生じる」という発想から画像認識と在庫管理という2つの実際のIoT製品を組み合わせ、今回の冷蔵庫の在庫管理システムの発想に至りました。

用務的なシーンから家庭でも活用でき、安価で拡張性の高い製品になることが考えられます。

特に冷蔵庫の中身を外出先からでもわかる、というシステムは特長的なものになっていると思います。

大学で学んでいるメカトロニクスの考え方がハードウェアとソフトウェアの両方を扱うIoT製品というものについて考えるうえで非常に役立ちました。

この度はたくさんのご応募をいただき、誠にありがとうございました。




◆これまでのイベント

過去の学生アイディア・コンテストの概要を掲載しております。

開催年月イベント名 
2024年7月 【第3回】学生アイディア・コンテスト 詳細はこちら
2024年4月 【第2回】学生アイディア・コンテスト 詳細はこちら
2023年10月 【第1回】学生アイディア・コンテスト 詳細はこちら

 

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