◎はじめに
オペアンプ回路は理解しているつもりでも、実際の回路設計において「どのようなオペアンプ」を用いたら良いか迷うことが多いと思います。

特に近年はアナログ信号をマイコンを含めたディジタル回路へ接続するインターフェース的な役割でオペアンプが活用されることが多くなっています。
また、このようなディジタル回路部で用いるオペアンプは単電源動作が望ましく、ますます、オペアンプの選定に迷うところです。

そこで、従来からある汎用オペアンプ(両電源)、単電源用オペアンプ、CMOS構造オペアンプ、さらにレール・ツー・レール(Rail-to-Rail)オペアンプの特徴を理解し、実際のオペアンプ選定に役立てていただければと思います。
~オペアンプの選び方~
オペアンプの分類
オペアンプは、用途、性能、構造などで汎用、単電源、CMOS、高精度、高速、差動(計装)などのように細かく分類されます。それぞれ、回路、用途によって選定しますが、よく使われる以下の4つの分類について特徴等を解説します。

1.汎用(両電源)オペアンプ

汎用とは特別な機能、高性能はないが、一般的な回路(用途)で用いられるオペアンプのこと。

・電源はプラスマイナスの「両電源」動作を基本とする。

・オペアンプの内部構造は、トランジスタなどの「バイポーラ」または「FET入力タイプ」

・普通に用いて、発振等が発生しなく、安定に動作するもの

2.単電源オペアンプ

・単電源動作が可能なバイポーラ構造

・レール・ツー・レール動作は含まない

3.CMOSオペアンプ

・レール・ツー・レールは保証していないが、定電圧動作、低消費電流などで特徴のあるCMOS構造のオペアンプ

4.レール・ツー・レール(Rail-to-Rail)

・入出力がRail-to-Railと表現されているもの

 
▼各分類解説の前に基本となる電源供給、波形等について解説します。

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電源供給と波形
【1】両電源の場合

オペアンプは図1のように2つの電源端子があります。

基本的にはプラスの「+Vcc」とマイナスの「-Vee」が必要です。
両電源動作時の出力波形例を図2に示します。
出力波形はGND(0V)を中心にして+Vccと-Veeの間で振れ、扱う信号レベルが小さければ図2 b)のように+Vccと-Veeの値が異なってもいいです。
【2】単電源の場合

電源に+Vcc(または-Vee)のみを供給する方式を「単電源」と言います。

図3に電源の与え方を示します。
図3a)が基本的な単電源の与え方で、出力信号は+VccとGNDの間です。
図3b)はオペアンプの+Vcc端子にGND、-Vee端子にマイナスの電源を接続した例で、この場合でもオペアンプは正常に動作しますが、扱える信号はGND~-Veeの間です。

また、単電源用オペアンプは必ずしも単電源動作(供給)ではなく、図3 c)のように両電源動作で用いても構いません。

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レール・ツー・レールとは
汎用の両電源および単電源オペアンプは、供給した電源電圧の範囲内すべてで信号を扱うことができません。

これに対し、オペアンプの電源電圧(+Vcc~-Vee)いっぱいまで動作するものを「レール・ツー・レール」オペアンプと言います。
なお、レールとは電源電圧を指しています。

図4にオペアンプに+VccとGNDを供給した場合のレール・ツー・レールの信号波形を表します。
ダイナミック・レンジとは振幅の範囲のことで、図5に各方式の違いを示します。
汎用(両電源)の場合は+Vcc、-Vee付近での振幅レベルは扱えなく、汎用単電源の場合は+Vcc付近は扱うことができません。

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