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1.LEDの基本

発光ダイオード(Light Emitting Diode 以下、LEDと呼ぶ)は身近な表示素子で、赤色、青色 などの 発光色があり、形状も丸型、角型、7SEG-LEDなどさまざまです。

LEDを光らせるためには「電流」を流せば良いわけですが、あらためて基本的なことを解説 します。

表1 主なΦ5 LED
発光色 型番 順方向電圧VF 最大定格
IF(mA)
最大定格
VR(V)
メーカー
typ(V) IF(mA)
1L0534V24H0CA003 1.9 20 30 5 Linkman
BL503V2CA3B01 1.8 20 20 5 Linkman
SEL1210R 1.9 10 30 3 サンケン
SLI560UT 1.8 20 50 9 ROHM
UR5366X 2.2 20 50 9 スタンレー
BL503A2CA1A01 1.8 20 20 5 Linkman
SEL1910D 1.8 10 30 3 サンケン
SLI580DT 1.9 20 50 9 ROHM
1L0534Y24F0CA002 2 20 30 5 Linkman
UY5364X 2.2 20 50 5 スタンレー
SEL1710Y 2 10 30 3 サンケン
SLI560YT 1.9 20 50 9 ROHM
LHALED-G501 2.2 20 - - Linkman
1L0545G72E0CA003 3.2 20 30 5 Linkman
SEL1410G 2 10 30 3 サンケン
UG5304X 3.7 20 25 5 スタンレー
黄緑 BL503G4CA2A02 1.9 20 20 5 Linkman
LLED-B501 3.2 20 25 5 Linkman
BL503B2CA1A01 3.6 20 20 5 Linkman
UB5305S 3.7 20 25 5 スタンレー
1L0545W31B0CA208 3.7 20 25 5 スタンレー
NSPW500CS 3.6 20 30 5 日亜化学
UW5805S 3.7 20 25 5 スタンレー
電球色 LA504W5CA1A01 3.2 20 30 5 Linkman
LLED-P501 3.2 20 25 5 Linkman

★LEDの基本回路

図1 a ) にLEDを点灯させる基本回路を示します。

LEDには2つの極性があり、

アノード → A と表記

カソード → K と表記


ダイオードと同じようにLEDも電流が流れる極性があり、図1 a ) のようにアノードに電源のプラス側を接続すれば電流が流れて点灯します。

これとは逆に図1 b ) の接続ではLEDに電流が流れず、点灯しません。
このようにLEDは電流が流れることにより点灯(発光)します。

言い方を変えれば、点灯させるためには「アノード(A)を正の極性、カソード(K)を負の極性」 となる電圧(電流)を印加すればよく、これを「順方向」と言い、図1 b ) の接続を 「逆方向(電圧)」と言います。

なお、抵抗Rは流れる電流を制限するためのもので「電流制限抵抗」と呼ばれます。


図2は「やってはいけない回路」です。

図2 a ) は電流制限抵抗がありませんので、LEDに過大電流が流れるためLEDの破壊に つながります。

図2 b ) は電源に交流電源を用いた場合です。
LEDもダイオードと同じように図1 b ) のような接続では電流は流れませんが、流れない電圧方向 (これを逆電圧と言います)での絶対最大定格値が低いので、図2 b ) のような 交流電圧では逆電圧が印加されますから、これも素子破壊につながります。一般的にLEDの逆電圧の最大定格値は3V~5V程度
このような場合、なんらかのLED保護回路が必要です。


★LEDの特性

LEDの特性を図3に示します。

順方向で電圧を印加すると「ある電圧以上」から電流が流れはじめ、これを順電流(記号ではIF)と言い、 点灯する明るさは電流に比例します。 この時の「アノード・カソード間電圧」を順電圧VFと言い、 電流値が大きくなるほどVFの値も大きくなります。

この説明では「電圧(VF)を印加した結果の電流(IF)」としましたが、 「電流が流れた結果の電圧」 とも言えます。

逆方向の場合は、電流はほとんど流れませんが、「ある値以上の逆電圧」で急激に逆方向 の電流が流れはじめ、素子を破壊する恐れがあります。

この逆方向電圧は最大定格としてLEDのデータシートに 掲載されています
一般的には3V~ 5V程度で、逆方向電圧が印加される場合に注意が必要です。
また、順方向電流IFも最大定格項目の1つで、これも「絶対に超えてはいけない値」です。

表1に主なΦ5 LEDの規格を示します。

順電圧VFは規定の順電流(例えば、10mA、20mA)が流れた場合の値です。
表1は標準(typ)値で、順電圧は発光色、型番により異なります。

緑色などはVFが2.2V、3.7Vとかなり異なるものがありますので、「緑色は約2V」などと思い込ま ないで、 データシートでの確認が必要です。



★電流制限抵抗の求め方

図4のように、この回路は 電源 E に抵抗 R およびLEDが直列接続されていますから、
LEDに流れる電流も抵抗に流れる電流も同じです。

電流 IF は抵抗の両端電圧を抵抗値で割ればよいので(オームの法則、I = V|R)
この両端電圧は電源 E から VF を引いたものですから、

抵抗両端電圧 = E - VF

電流 IF はこの両端電圧を抵抗で割ったものですから、


①を変形して、



★必要な電源電圧

LEDは順方向電圧VFを印加することにより電流が流れることになりますが、「電流を流した 結果の電圧(VF)」 であるとも言えます。

十分な明るさで点灯する条件は図5 a ) のように

E > VF であり、かつ、抵抗両端電圧が確保できる値


です。例えば、図5 b ) のように十分に明るい時のVFの値が2.0VとなるLEDでは、電源電圧が1.5Vでは電流を流すことができません。
したがってこの場合、電源電圧は2V以上が必要な条件で、電源に1.5Vの乾電池を用いるとすれば2本を直列接続します。




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設計例
★LEDが1個の場合

LEDを点灯するための電流値に決まりはありません。

一般的には1mA~10mA程度になりますが、近年は「高輝度タイプ」が増えてきましたので、  用途によっては1mAくらいで十分明るいものがあります。
つまり、同じ電流値でも用いるLEDにより輝度が異なり、  用いるLEDで十分な明るさとなるような電流値にすれば良いわけです。

この例ではLinkmanの「BL503V2CA3B01」(Φ5 赤)を用いて5mA流れるようにしてみます。
(図6)
▼BL503V2CA3B01 
http://www.marutsu.co.jp/shohin_934/

データシートのVF値は規定の電流値20mAでの値ですが、5mA時のVF値が不明です。
ただし、LEDにはVF値のバラツキもありますので単純な表示用途ではVF値に神経質になる必要はなく、この例では20mA時のVF値(1.8V)で計算します。
計算結果は図6のように240Ωとなり、用いる抵抗はカーボン抵抗(抵抗誤差±5%)です。





各部の電流、電圧確認は図8のように行います。

デジタルテスタの「DCVファンクション」(直流電圧測定)で抵抗両端電圧を 測定し、これを 電流値に換算します。

この換算結果はカーボン抵抗の抵抗誤差(±5%)を含みますが大抵の用途ではこの方法で 良いと思います。
これにより回路を切断することなく、手早く確認出来ます。
VF値は電源電圧から抵抗両端電圧を引いた値です。


電流は抵抗の両端電圧を測定して電圧値に換算する。
例えば、両端電圧が「1.169V」であったとすれば、流れている電流IFは
IF = 1.169V / 240Ω ≒ 4.87mA
ただし、この結果には抵抗誤差(±5%)を含んでいる。

順電圧VFは電源Eの値が正確な3Vであればこの結果から、
VF = 3V - 1.169V = 1.831V
としても良い。

点灯確認には「ブレッドボード」を用いると便利です。
参考として確認風景を写真1に、使用部品、機材を表2に示します。

表2
部品名 型番 メーカー 備考
LED BL503V2CA3B01 Linkman
抵抗 1/4Wカーボン240Ω
電池ケース BH3221B Linkman
電池スナップ 006P-P Linkman ブレッドボード用
ブレッドボード 0165-42-0-15010
デジタルテスタ LDM-86D
クリップアダプタ TL8IC 三和電気
乾電池

LEDの極性は「リードの長いほうがアノードA」です。

電池スナップは「ブレッドボード用」を用いると接続に便利で、また、テスタのテストリード に 「クリップアダプタ」を用いています。


(計算結果が半端な場合)
図6では抵抗値計算結果が240Ωとなりましたが、必ずしも「きっちりとした値」とならず、 数値が半端な場合があります。
例えば、図9の場合、計算結果が1440Ωとなりました。





ところで、1440Ω(1.44KΩ)の抵抗は市販されていません。
このような場合、計算結果が市販されている抵抗値に近いものを用います。


LEDの電流制限抵抗は一般的にカーボン抵抗(誤差±5%)が用いられ、表3 のようなs 抵抗値になります。

数値は1.0~9.1までの24個(種類)で、例えば、

E >1.2 → 1.2Ω 12Ω 120Ω 1.2KΩ 12KΩ 120KΩ

E >1.5 → 1.5Ω 15Ω 150Ω 1.5KΩ 15KΩ 150KΩ


のようになり、このような数列を「E24系列」と言います。

図9の計算結果は1440Ω(1.44KΩ)ですから、この場合、1.3KΩまたは 1.5KΩのカーボン抵抗を用います。

表3 E24系列
1.0 1.1 1.2 1.3 1.5 1.6 1.8 2.0
2.2 2.4 2.7 3.0 3.3 3.6 3.9 4.3
4.7 5.1 5.6 6.2 6.8 7.5 8.2 9.1


★LEDが直列の場合

図10はLEDを2個直列接続し、制限抵抗が1本の場合です。

この例では電源Eと各部の関係が、

E < VR + (2×VF)


ですからLEDに電流を流すことが出来ず点灯しません。



このようにLED直列接続では電源電圧に注意が必要で図11のように電源電圧を4.5V以上にします。 発光色「青」などはVF値が3V以上ですからLED直列接続では特に電源電圧に注意が必要です。



図12に直列接続時の電流制限抵抗値の求め方を示します。
各LEDに「赤」、「青」などを混在してもかまいませんが、直列接続ですから各LEDに流れる電流値は同じです。



図13に計算例を示します。

計算結果は480Ωになりますが、E24系列の中から470Ωのカーボン抵抗を用います。




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接続の注意点
★やってはいけない接続

図14は「やってはいけない接続(回路)」です。

複数のLEDを並列接続し、電流制限抵抗は各LEDに共通の1本です。
LEDは同じ型番でも特性(VF)にバラツキがあるので、各LEDに流れる電流が同じになるとは限りません。

LEDは流れる電流値により明るさが変わりますから、電流値が異なると複数のLED接続では明るさにバラツキが出ます。
したがって、この接続は不可です。



表4は同じ型番のLEDを1mA流した場合のVF値を測定した結果で、最大値が1.94V、最小値 は1.711Vです。

表4 順方向電圧VF 実測値 IF = 1mA時 (赤LED サンプル数50)
1.766 1.797 1.759 1.793 1.761 1.829 1.77
1.749 1.792 1.82 1.819 1.808 1.763 1.779
1.806 1.762 1.766 1.786 1.804 1.767
1.761 1.821 1.795 1.786 1.81 1.761
1.762 1.797 1.788 1.769 1.759 1.76
1.793 1.711 1.799 1.812 1.797 1.94
1.757 1.76 1.749 1.819 1.806 1.758
1.82 1.765 1.767 1.822 1.788 1.766

図15に実験結果を示します。LED1にVFが「1.711V」のもの、LED2に「1.94V」のものを用い各LED に1mA(つまり、Rには2mA)流すつもりの回路ですが実際には

LED1 → 1.80mA


LED2 → 0.23mA


電流値がかなり異なり、LED1は「明るく」、LED2は「かなり暗い」結果です。


★並列接続時は電源電圧を高くしたほうが明るさのバラツキが少なくなる

図16は同じLEDを複数接続する例です。
電流制限抵抗はそれぞれ用意(R1,R2)しますが、電源電圧が低いと明るさにばらつきが生じる可能性があります。



図17は各電源電圧においてLEDに約1mA流した実験結果です。

R1,R2を同じ値にしますが、抵抗値誤差がありますので、実際の測定は抵抗値誤差を排除する目的で同じ抵抗器を用いています。

各電圧時における各LEDの電流を測定し、その比率をパーセントで表します。

電源電圧 3V → 80.7%


電源電圧 5V → 92.1%


電源電圧 9V → 96.1%


電源電圧 12V → 97.3%


電源電圧が高いほどLED間の電流誤差が少なくなることが分かります。



このように電源電圧により各LEDへの電流誤差が発生しますが、電流誤差を少なくする ために必要な電源電圧の目安は図18のようにします。

電流制限抵抗の両端電圧(VR)がLEDのVF値以上となるようにし、この例では3.6V以上 となります。
ただし、この方法は「あくまでも目安」ですので、実際の確認が必要です。




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まとめ
★順電圧VFをデータシートで確認し、必要な電源電圧を用いる。

★基本回路




★やってはいけない回路


★電源電圧に注意