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Digi-Key社【アプリケーションラボ】技術解説記事のご紹介「電圧リファレンスを使用して高精度で安定したデータ変換を実現する方法」

 「アプリケーションラボ」は、Digi-Key社のご協力をいただいて、Digi-Key社が公開している新製品や技術情報を日本語でご紹介するWebページです。基礎技術から最新技術まで有益な情報を公開していますので、是非ご活用ください。

 今回は、IoT機器などで重要度が増す電圧リファレンス(基準電圧)の役割Analog Devices社のADR43xシリーズを活用する方法について解説した記事をご紹介します。

■電圧リファレンスを使用して高精度で安定したデータ変換を実現する方法

 IoT機器はセンサによるデータ収集やモータの制御などを行いますが、その際にはA/D変換やD/A変換でアナログからデジタルに、またデジタルからアナログに迅速かつ効率よく変換することが求められます。そのためには、基準となる電圧リファレンスが重要な役割を果たします。

 電圧リファレンスには、ツェナーダイオード(定電圧ダイオード)を使う方法バンドギャップリファレンスによる方法があります。ツェナーダイオードは温度特性が悪く高精度ではありません。それに対し、バンドギャップリファレンスは、トランジスタのバンドギャップ電圧を利用して温度や電源電圧の変動に対して安定した電圧を作り出します。すなわち、温度特性が同じで向きが逆になっている2つトランジスタの電圧を足し合わせることで、両者の温度特性を打ち消し合って、温度依存性のない安定した電圧を出力します。

 Analog Devices社のADR43xは、XFET(eXtra注入FET)と呼ばれる技術を採用することにより、バンドギャップリファレンスよりも優れたノイズ特性温度特性を持つ高精度な電圧リファレンスです。XFETでは、2個の接合型FETを使用して温度特性を打ち消します。一方のJFETにピンチオフ電圧を上げるためのチャネルを追加すると、両方のJFETは同じドレイン電流で動作しますが、ピンチオフ電圧の差が増幅されて安定した電圧リファレンスになります。

 【アプリケーションラボ】の解説記事では、ADR43xを使用して電圧リファレンスの性能の維持する方法を解説しています。具体的には、

 1. 電圧降下やノイズなど、レイアウトの問題
 2. 出力ドライブ(ソース/シンク)、負荷バッファリング、および過渡性能
 3. 短期的な安定性と温度関連のドリフト
 4. 経時変化、物理的なストレス、パッケージングによる長期的なドリフト

などを解決する方法を詳しく説明しています。

 ここで解説されているデバイスは、マルツオンラインのウェブサイトで購入できますので、是非参考にしてください。

 

超低ノイズXFET電圧リファレンス
【ADR431BRZ-REEL7】 1,332円

 

下記の2本の解説記事も同時に公開しました。合わせて参考にしてください。
 
■使いやすいArduino Starter Kitでメイカーの世界を体験しよう
IoTに興味を持つと、エレクトロニクスや制御システム、マイクロコンピュータ、センサ、アクチュエータなどについて学習する必要があります。このときに簡単に始められる方法の一つは、Arduinoのスターターキットを利用することです。
 
■正確なサーミスタベースの温度検出回路を迅速に作成
センサを使って温度を測定する場合、デジタルデータに変換する信号チェーンを構築する必要があります。ここでは、負温度係数(NTC)サーミスタで温度を正確に測定する際に役立つAnalog Devices社のUSB給電回路ソリューションを紹介します。

 

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