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Digi-Key社【アプリケーションラボ】技術解説記事のご紹介「強誘電体メモリを使用した車載用アプリケーションの信頼性強化」

 「アプリケーションラボ」は、Digi-Key社のご協力をいただいて、Digi-Key社が公開している新製品や技術情報を日本語でご紹介するWebページです。基礎技術から最新技術まで有益な情報を公開していますので、是非ご活用ください。

 今回は、書き込み遅延がほぼゼロで、書き込み/読み出しサイクル耐久性がほぼ無制限という特長を持つ強誘電体メモリを車載機器に活用するという内容について解説した記事をご紹介します。

■強誘電体メモリを使用した車載用アプリケーションの信頼性強化

 強誘電体メモリはF-RAM(Ferroelectric-RAM)またはFeRAMと呼ばれていますが、F-RAMはCypress Semiconductor社の商標になっています。一般に、誘電体に電圧を印可すると分極を起こし内部の電荷が一方向に並びますが、印可を止めるとランダムな状態に戻ります。しかし、強誘電体と呼ばれる物質は電圧の印加を止めても分極が残るという性質があり、強誘電体メモリはこの性質を利用して不揮発性を実現しています。

 強誘電体メモリは、電源を切ってもデータが消えない不揮発性と、ランダムアクセス可能という両方の性質を合わせもっています。さらに、EEPROMやフラッシュメモリなどよりも、高速に書き込みができ、低消費電力という特長があります。

 車載機器ではデータを喪失したり、データへのアクセス速度が低下したりすれば、システムの安全性や車両、搭乗者を危険にさらす可能性があります。そこで信頼性が高く低消費電力という特長を持つF-RAMが車載用に最適なメモリとして期待されています。

 【アプリケーションラボ】の解説記事では、F-RAMの特性と車載機器に必要とされる要件について解説した後、Cypress社のExcelon-Auto F-RAMを使用してF-RAM回路の設計、書き込み保護や電源管理の方法などについて詳しく説明しています。Cypress社のExcelon F-RAMには、産業機器向けのExcelon Ultra、車載向けに極限温度下の厳しい動作環境にも耐えるExcelon Auto、ウェアラブルやポータブル医療機器用に消費電流が極めて低いExcelon LPの各ファミリがあります。

 ここで解説されているデバイスは、マルツオンラインのウェブサイトで購入できますので、是非参考にしてください。
 

Excelon-Auto 2Mbit(256K×8)F-RAM(1.8V)
【CY15V102QN-50SXE】 2,168円
Excelon-Auto 2Mbit(256K×8)F-RAM(3.3V)
【CY15B102QN-50SXE】 2,064円

 

下記の2本の解説記事も同時に公開しました。合わせて参考にしてください。
 
■統合RFマイクロコントローラを使用して小型/低電力のBluetoothアクセサリを短期間で開発
 近年、Bluetoothを使ったアクセサリ製品が急増していますが、いかに早く市場に投入できるかが重要になっています。ここでは、電池駆動が可能で個々のアプリケーションの要求に対応できるSTMicroelectronics社のSTM32WB55RGV6マイクロコントローラとその応用法を紹介します。

■市場初のArm Cortex-M33ベースのMCUの活用(パート2):セキュリティ管理のライフサイクル
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