「アプリケーションラボ」は、Digi-Key社のご協力をいただいて、Digi-Key社が公開している新製品や技術情報を日本語でご紹介するWebページです。基礎技術から最新技術まで有益な情報を公開していますので、是非ご活用ください。
今回は、A/D変換において重要な働きをするサンプル&ホールド回路の役割と代表的なS&Hデバイスについて解説した記事をご紹介します。
■アナログの基礎:サンプル&ホールド回路の働きとADCの確度を確保する方法
A/Dコンバータは、温度や圧力などの物理量をマイコンで処理するために欠かせないものです。すなわち、アナログ値をデジタルデータに変換するわけですが、アナログ値は常に変化しているので、変換開始時と変換終了時で値が変化してしまうと、正しい値を得られません。そのため、変換開始時の値を保持する必要があります。そのためにサンプル&ホールド回路やトラック&ホールド回路が必要になります。
一般的にアナログ入力信号は、増幅された後、エイリアスの発生を防ぐためにアンチエイリアスフィルタを通り、サンプル&ホールド回路やトラック&ホールド回路を介してA/Dコンバータに入ります。
サンプル&ホールド回路とトラック&ホールド回路は、一般的に同じものとして説明されることが多いです。違いは、サンプル&ホールド回路の場合、サンプリングした時点の入力信号の値は次のサンプリング時点まで保持されますが、トラック&ホールド回路の場合、A/D変換している間だけ値を保持し、すぐに入力信号を追随します。そのため、より正確な値をサンプリングしやすくなります。トラックとは追随するという意味です。
 < LF398MX/NOPBの外観とブロック図 >
【アプリケーションラボ】では、サンプル&ホールド回路の役割や特性、用語などについて説明した後、代表的なS&HデバイスとしてTI社のLF398MX/NOPB、Maxim Integrated社のDS1843D+TRL、Analog Devices社のSMP04などの機能と特長を解説しています。
ちなみに、Analog Devices社はMaxim Integratedを買収することを2020年7月13日に発表しました。買収は2021年夏に完了するということです。これにより、アナログ半導体の大手メーカーはTexas Instruments(TI)社とAnalog Devices社の2社になりそうです。
ここで解説されているデバイスは、マルツオンラインのウェブサイトで購入できますので、是非参考にしてください。
モノリシックサンプル&ホールド回路 【LF398MX/NOPB】 253円 |
 |
高速サンプル&ホールド回路 【DS1843D+TRL】 287.5円 |
 |
クワッドサンプル&ホールドアンプ 【SMP04ESZ-REEL】 1,813.33円 |
 |
下記の2本の解説記事も同時に公開しました。合わせて参考にしてください。
■音声起動設計において音声検出とキーワード認識を支えるMEMSマイクロフォン
スマートスピーカーが日常的に使用されるようになり、音声ユーザーインターフェース(VUI)に注目が集まっています。ここでは、VUIの設計に重要となるMEMSマイクロフォンの特性について詳しく解説します。
■安全回路の基礎理解
機械は作業効率を上げるために大きな貢献をしますが、人間に危害を加えることも頻繁にあります。ここでは、製造装置などの機械を使用中に、人間が事故に遭わないようにする安全回路の基礎を解説します。
|