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「アプリケーションラボ」は、Digi-Key社のご協力をいただいて、Digi-Key社が公開している新製品や技術情報を日本語でご紹介するWebページです。基礎技術から最新技術まで有益な情報を公開していますので、是非ご活用ください。
今回は、現在の電子回路では必ず必要となるクロックを発生させるタイミング回路について解説した記事をご紹介します。
■SPXOを用いて低消費電力回路のタイミング要件をシンプルかつコスト効率よく満たす方法
電子回路においてクロックを発生させるタイミング回路は、一般に水晶振動子と発振回路の組み合わせで構成されます。回路は簡単ですが、実現するには様々な検討事項があります。 例えば、電池駆動の機器では消費電力が重要ですが、発振器がスタンバイ電流の大半を占めます。そのため、発振器の電流消費を抑える必要がありますが、安定した発振をさせるために発振余裕度を大きくすると消費電力が大きくなるため、安定した発振と消費電力は相反します。その他、ジッタ(周波数のゆれ)の回避なども重要な検討事項になります。 その解決策は、モジュール化された市販の水晶発振デバイスを使用することです。水晶発振デバイスには、SPXO、VCXO、TCXO、OCXOなどがあり、精度が高くなるほど高価になります。 SPXO(simple packaged crystal oscillator)は水晶振動子と発振回路を一体化し、温度補償や温度制御をしていない最もシンプルな水晶発振器です。 VCXO(Voltage Controlled Xtal Oscillator)は水晶振動子と可変容量ダイオードを組み合わせ、外部からダイオードの容量を変化させて出力周波数を可変する水晶発振器です。 TCXO(Temperature-compensated crystal Oscillatorは、温度補償回路により安定した温度特性が得られる水晶発振器です。 OCXO(Oven Controlled Crystal Oscillator)は恒温槽を用いて温度を一定に保つ水晶発振器で、TCXOよりも高い安定性が得られます。

【アプリケーションラボ】では、水晶発振器の動作および設計上の課題と対策について詳しく解説しています。 具体的には、低消費電力のワイヤレスSoCでよく使われているピアース発振器の発振余裕度の測定法やジッタを最小化する方法などを解説した後、Abracon社製の低消費電流で動作するように最適化されたSPXOを紹介しています。 Abracon社は、1992年に設立された米国テキサス州に本社を置く受動部品のグローバル企業です。 Abracon社のSPXOには、ASADV、ASDDV、ASEDVというファミリがあります。 ASADVは1.25MHzから100MHzまで、ASDDVとASEDVは1MHzから160MHzまでの周波数範囲をカバーしています。 これらは、気密封止(ハーメチックシール)されたセラミック製の面実装パッケージを採用し、-40℃~+85℃の動作温度範囲において周波数安定性は±25ppmです。 サイズはASADVが2.0×1.6×0.8mm、ASDDVが2.5×2.0×0.95mm、ASEDVが3.2×2.5×1.2mmです。
ここで解説されているデバイスは、マルツオンラインのウェブサイトで購入できますので、是非参考にしてください。
▼ ASADV連続電圧SMD水晶発振器(26MHz) 【ASADV-26.000MHZ-LR-T】 ¥258 (税込¥284) |
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▼ ASDDV連続電圧SMD水晶発振器(27MHz) 【ASDDV-27.000MHZ-LR-T】 ¥258 (税込¥284) |
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▼ ASEDV連続電圧SMD水晶発振器(27MHz) 【ASEDV-27.000MHZ-LR-T】 ¥258 (税込¥284) |
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下記の2本の解説記事も同時に公開しました。合わせて参考にしてください。
■精密薄膜技術 抵抗を薄膜集積構造にすると、構成する要素を極めて精密にマッチングさせることができ、インダクタンスを下げるなど信頼性も向上させることができます。ここでは、製品の小型化などに役立つ薄膜集積構造を用いた抵抗ネットワークの構造や特性などを、Vishay社の製品を例に解説します。
■電流センシング用の抵抗温度係数 電流を検出するために用いる抵抗は、抵抗温度係数(TCR)の安定性が重要です。このTCRは材料や構造によって大きく異なり、抵抗の安定性を大きく左右します。ここでは、TCRの精密な測定法や構造がTCRに与える影響などについて解説します。
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