★プッシュプルで用いた例
MOS-FETは比較的大きな電力を扱うことができる品種が多いです。 そこで、電力増幅用としての「プッシュプル増幅」で用いる例を紹介します。
図21に、トランジスタおよびMOS-FETで構成した場合のプッシュプル増幅の原理図を示します。
NPN→Nch、PNP→Pchに置き換えただけです。 なお、MOSFETの場合も「クロスオーバー歪」を減少させる目的で、なんらかのバイアス電圧が必要になり、この原理図を図22に示します。


プッシュプル増幅回路は、
トランジスタの場合は、エミッタフォロワ
MOS FETの場合は、ソースフォロワ ですから、
どちらの回路も電圧利得は1です。
またプッシュプル回路の入力インピーダンスZinは
トランジスタの場合は、 Zin ≒ hfe×RL
MOS-FETの場合は、 Zinは非常に大きい となり、
MOS FETの場合は、信号源(入力)で大きな電力を必要としません。
バイアス回路例を図23に示します。抵抗RA、RB、RCによる電圧分割です。


抵抗RBの両端の電圧降下VBは、
VB = (Vcc×2)×RB / (RA+RB+RC) です。
例えば、
+Vcc=+6V,-Vcc=-6V
RA=RC=3.3KΩ,RB=2KΩ とすれば、
VB=(6×2)×2 / (3.3+2+3.3)≒2.8V となります。
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