電源専用設計におけるUSB Type-Cの概要
著者 Jeff Smoot 氏
VP of Apps Engineering and Motion Control at CUI Devices
2020-08-31
マルツ掲載日:2020-12-21
1996年に最初のUSB規格が発表されて以降、USBコネクタとその関連規格は、長年にわたり物理コネクタタイプ、データレート、電力伝達機能において数多くの変化に直面してきました。
2014年に追加されたUSB Type-Cは、最新の物理規格を採用し、双方向のリバーシブルパッケージ、データ転送速度の高速化、高電力仕様による優れた機能と柔軟性をユーザーに提供しました。結局のところ、USBコネクタは3つの異なる関連規格(物理コネクタ、データ伝送プロトコル、電力供給)と結び付いています。
ただし、規格間の関係に注目すると、しばしば混乱が生じます。電源専用USB Type-Cコネクタの新しいトレンドについて説明する前に、さまざまなUSB規格の関連性を明確化することに価値があります。
USB規格を理解する
高い次元において、最新のUSB Type-C規格は、今日の携帯電話や電子デバイスの多くでユーザーが目にする物理コネクタのみを定義しています。USB 3.2や現在のUSB 4などのデータ転送プロトコルは、電気信号に対してのみ適用されます。
しばしば同時に使用されますが、技術者はUSB 3.2のデータ転送仕様と、物理的なUSBコネクタ規格に準拠しない独自のコネクタを使用してシステムを作成することもできます。
USB電源供給(PD)の仕様についても同様です。設計上、USB Type-Cコネクタは、最大5Aの電流定格と20VDCの電圧定格をサポートし、USB PD 3.0で定義された最大100Wの電力伝達機能を実現します。
USB Type-CコネクタはUSB PDをサポートできますが、電力供給の仕様は実際のところ充電回路により制御され、物理コネクタの電圧や電流機能によってのみ制限されます。ただし、USB Type-Cコネクタがサポートするこの高電力能力は、新たな給電機能の向上につながりました。
図1:USB電力レベルの進歩。(画像提供:CUI Devices)
電源設計におけるUSB Type-Cコネクタの利点
16個のデータ転送端子、4個の電源端子、4個の接地端子を搭載した標準的な24端子USB Type-Cコネクタは、最大100Wの電力伝達をサポートしています。これにより、データ転送が不要な場合でさえ、標準のDC電源コネクタを置き換える性能を備えたUSB Type-Cコネクタは、電源アプリケーションにとって魅力的なソリューションとなっています。
標準化は、USBを電源供給に活用することの主な利点の1つです。USBコネクタは多くの異なる業界で幅広く採用されており、Type-Cは携帯電話やモバイルデバイスにおけるユニバーサルコネクタとしてその地位を確立し続けています。
このため、欧州連合では、USB Type-Cコネクタを地域内で今後売買されるすべてのデバイスの標準として採用する可能性について議論されました。エンドユーザーにとって、さまざまな製品とインターフェース接続するために単一の市販ケーブルしか必要でなくなることの利便性は過小評価できません。USBコネクタは簡単に見つけられ、標準化により一定の相互運用性が保証されるため、OEMも安定したサプライチェーンから恩恵を受けます。
この標準化により、設計統合の課題も低減されます。さらに、USB Type-Cコネクタは通常、多くのバレルコネクタよりも小型のパッケージサイズ、高い信頼性、10,000嵌合サイクル定格の長寿命を提供します。
電源専用USB Type-Cコネクタ
前のセクションで挙げた利点ゆえに、CUI Devicesは、充電や電源供給を唯一の使用目的とするアプリケーション向けに電源専用USB Type-Cレセプタクルを開発しました。CUI Devicesの電源専用USB Type-Cレセプタクルは、16個のデータ転送端子と2個の接地端子を排除し、4個の電源端子と2個の接地端子のみを残しています。
図2:24端子Type-Cと6端子電源専用Type-Cの比較。(画像提供:CUI Devices)
16個の端子を排除することにより、標準24端子Type-Cと比較すると端子がわずか6個に減ってコネクタ設計が簡素化され、大幅なコスト削減につながります。これにより、部品コストが削減されるだけでなく、故障する端子や関連するはんだ接合部の減少により、複雑さや故障率も低減されます。
これらの電源専用USB Type-Cコネクタはデータを転送しませんが、依然として標準のデータ/電源対応USB Type-Cケーブルと互換性があります。これにより、コネクタとケーブル間でインターフェース接続する際にハードウェアや要件の追加がなくなるため、利便性が向上します。
その他の電源シナリオ
USB Type-Cはさまざまなアプリケーションや設計向けに適した選択肢となりますが、DC電源コネクタなどの専用電源供給オプションにも引き続きその役割があります。最も重要なこととして、USB Type-Cコネクタには100Wの電力伝達制限があるため、100W以上を必要とする設計においては選択肢となりません。
標準化されたフットプリントは多くのシナリオで恩恵をもたらしますが、別のフットプリントやパッケージタイプがより適切な選択肢となる場合もあります。言い換えれば、よりカスタマイズされたコネクタが必要な場合、USB Type-Cはその標準化されたサイズや制約により制限される可能性があります。
他の電源コネクタが依然として最適なソリューションとなる事例の詳細については、CUI Devicesのブログ「DC電源コネクタの選択」をご覧ください。
USB Type-Cの今後の展望
USB Type-Cコネクタとその広範な採用は、電力の管理や伝達を考察する新たな手段を技術者に与えました。万能のソリューションではありませんが、Type-Cの最大100Wの給電能力とグローバルな標準化は、幅広い製品やアプリケーションにおける強力な基盤をもたらしました。
低コストの簡素化された設計統合により、CUI Devicesの電源専用USB Type-Cレセプタクルは、電力供給が唯一の機能である場合、魅力的な選択肢を技術者に提供します。
現在、CUI Devicesは、最大3Aの電流定格、20VDCの電圧定格の60W電源専用USB Type-Cレセプタクルを提供しています。USB Type-Cコネクタがサポートする電流定格5A、電圧定格20VDCの出力100WバージョンはCUI Devicesが開発中で、近いうちに入手できるようになるでしょう。
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