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圧電トランスデューサブザーでより大きな音声出力を得る設計手法
著者 Ryan Smoot 氏
Technical Support Engineer, CUI Devices 提供
2020-03-26
マルツ掲載日:2020-07-06
圧電トランスデューサ(ピエゾトランスデューサ)ブザーは、可聴識別やアラートの手段として幅広い用途と産業で使用されており、アプリケーションのニーズに応じて可変のトーンやサウンドを生成できます。
圧電トランスデューサブザーによるサウンドの振幅は、選択した特定のブザーとブザーの駆動に使用する信号の両方に応じて異なります。トランスデューサブザーにはトーンやサウンドの生成用に外部の駆動回路が必要なのにともない、外部ドライバ回路の設計に基づいて圧電ブザーの音声出力に影響を与える方法がいくつかあります。
この記事では、比較的単純な圧電トランスデューサの動作原理と、トランスデューサの音声出力を増加させるための一般的な設計手法の利点と制約について解説します。
圧電トランスデューサの動作原理
CUI Devicesのブザーの基礎に関する技術文書では、圧電トランスデューサについて掘り下げながら概説していますが、ここではその技術について改めて簡単に取り上げます。圧電デバイスは、デバイスに電圧がかかると物理的に変形する素材で作られています。そこでの変形量と変形で生じるノイズの量は、圧電素材に加えられる電圧と連動しています。
前述のように、トランスデューサブザーが動作するには外部の励起信号が必要です。一方、インジケータブザーに必要なのは、内部の発振器により動作する電源電圧のみです。このためインジケータブザーの設計は容易ですが、トランスデューサに比べると生成されるトーンとサウンドの種類に制約があります。
簡単なドライバ回路
図1の回路図に、圧電トランスデューサブザー用の比較的単純なドライバ回路を示します。この回路は、FETやBJTなどの電子スイッチとリセット抵抗で構成されます。この回路に必要なのは数個の安価な部品のみのため、ベーシックな設計に好んで採用されます。
しかし、単純な回路だけに、リセット抵抗が電力を消費し、ブザーに印加される電圧が電源電圧(+V)に限られるという欠点もあります。注目すべき点はブザーと回路が同じように機能することで、ブザー端子の片方が+V電源(図1に示される)かグランドのどちらに接続されているかを問いません。

図1:電子スイッチとリセット抵抗で構成される駆動回路。(画像提供:CUI Devices)
バッファ付きドライバ回路
エンジニアは、2つのバッファトランジスタを追加することで、上述のドライバ回路でリセット抵抗の電力損失を削減できます(図2)。これら2つのバッファトランジスタにより、さらに高いインピーダンスのリセット抵抗を使用できますが、代償としてブザーに印加される電圧が約ダイオード2つ分、つまり1.2Vほど低下します。
この場合も図1の回路と同様に、ブザーとバッファ追加済みの回路は同じように機能し、ブザー端子の片方が+V電源とグランドのどちらに接続されているかを問いません。

図2:2つのバッファを追加した駆動回路。(画像提供:CUI Devices)
電圧低下の問題に対処するには、上記で使用されているBJTバッファの位置を逆にするだけでかまいません。この回路では、バッファ部品としてBJTの代わりにFETを使用した構成も可能です。両方のバッファ構成を図3に示します。

図3:BJTバッファの位置が逆(左)の場合、またはBJTの代わりにFETバッファを使用した場合(右)。(画像提供:CUI Devices)
ハーフブリッジとフルブリッジドライバ
図3のバッファ構成の変更は任意で行うものですが、この変更を行うとバッファのドライバ回路がより複雑になり、ディスクリート部品を含む設計には向かないことも考えられます。プッシュプルバッファを使用するこのようなドライバは、一般的に「ハーフブリッジ」ドライバと呼ばれます。
ブザーは2つのハーフブリッジドライバの出力間に接続できます。また、これら2つのハーフブリッジドライバは、位相差に基づいて駆動すると「フルブリッジ」ドライバと呼ばれます。ハーフブリッジとフルブリッジのドライバは両方とも、電気モータの駆動に使用されることが多く、安価な集積回路として入手できます。
フルブリッジドライバには、ベーシックなドライバやハーフブリッジドライバよりも2倍の電圧をブザーに供給するという利点もあります。これにより、他のソリューションと同じ電源電圧を使用しながら、さらに大きなサウンド出力を得られます。

図4:フルブリッジドライバ回路(画像提供:CUI Devices)
共振ドライバ回路
トランスデューサブザーに存在する寄生容量により、エンジニアには、ディスクリートインダクタを使用して共振回路を形成することで圧電トランスデューサを駆動するという、もう1つのオプションがあります。
共振回路は、2つのエレメント間でエネルギーの蓄積と転送を交互に行います。この用途における2つのエレメントは、寄生コンデンサとインダクタです。図5は、圧電トランスデューサブザーの共振ドライバ回路の実装例を示しています。
共振ドライバ回路にはいくつかの利点があり、たとえば単純な構造や、高い電気的効率が期待できることなどが挙げられます。また、圧電ブザーで生じる電圧は、電源電圧よりもはるかに高くなる場合もあります。
一方で、共振ドライバ回路には、圧電トランスデューサの寄生容量に依存するというマイナス面もあり、この寄生容量は製造過程で必ずしも適切な特性が与えられる、または制御されるとは限りません。また、共振圧電トランスデューサのドライバ回路は特定の1つの周波数でのみ適切に機能するため、複数の周波数のトーンを必要とする用途には適しません。
さらに、選択した動作周波数が、他の回路部品に比べて大きく重い場合もあるインダクタに影響します。共振回路の動作のモデリングにも難しい面があり、場合により回路を設計用コンピュータではなく実験室で仕上げる必要があります。

図5:共振ドライバ回路の例(画像提供:CUI Devices)
まとめ
エンジニアは、圧電トランスデューサブザーのドライバ回路を多くの選択肢から設計できます。シンプルなディスクリート部品を使用する場合からより複雑な回路設計まで、用途に応じて目指すサウンド出力を得るまでに、ドライバごとに独自のトレードオフがあります。
主要な性能パラメータが決まれば、CUI Devicesが提供するすぐに使える各種の圧電や磁気ブザーから、設計の要件を満たすコンポーネントを容易に選ぶことができます。
免責条項:このウェブサイト上で、さまざまな著者および/またはフォーラム参加者によって表明された意見、信念や視点は、Digi-Key Electronicsの意見、信念および視点またはDigi-Key Electronicsの公式な方針を必ずしも反映するものではありません。
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