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マイクロスピーカエンクロージャの設計のベストプラクティス
著者 Bruce Rose 氏
CUI Inc. 提供
2019-10-03
マルツ掲載日:2019-12-16
マイクロスピーカのエンクロージャには、思わぬ損傷からスピーカを保護し、音量を増幅させるという役割があります。この記事で紹介するスピーカエンクロージャの設計技術の基礎を正しく理解することで、目的のアプリケーションのオーディオ性能を高めることができます。
スピーカの基本構造
スピーカの基本構造として、いくつかのパーツがあります。スピーカの中心部はワイヤコイルです。永久磁石の両極の間にあり、振動板に取り付けられています。振動板は、前後に自由に動くように浮いた状態になっています。電気信号がワイヤコイルに加えられると、磁界でコイルが動くことによって振動板も動きます。この動作が引き起こす空気圧の波が、スピーカの前と後ろから発せられ、音となって出てきます。
しかし、この波は位相がずれているため、互いに部分的または完全に打ち消し合います。したがって、スピーカエンクロージャを適切に設計することが、位相のずれた波によって減少する音のレベルを高めることにつながります。

図1:基本的なスピーカ構造(画像提供:CUI Devices)

図1:基本的なスピーカ構造(画像提供:CUI Devices)
マイクロスピーカエンクロージャの基礎
スピーカを物理的に保護することに加え、求める音の減衰を最小限に抑えることも、エンクロージャのフロントキャビティの役割です。フロントキャビティは一般的に、スクリーンや穴を開けた硬いプレートを使って作られます。穴のパターンは、大まかに考えて、スピーカのサイズに応じて、硬いプレートの面積のほんの20%に穴を空けることで、効果的に音が伝わります。エンクロージャの前面とスピーカの間のスペースにも注意が必要です。ほとんどの場合、1~2mm空けることで、動いているスピーカ振動板がエンクロージャの前面に接触するのを防ぎます。
マイクロスピーカの背面エンクロージャについては、設計者は密閉されたキャビティを作成して、後部の音圧の波の放射を防ぐ必要があります。そのためには、キャビティ内部に吸音材を入れるか、筐体に音を放射しない剛体材料を選びます。背面エンクロージャの設計によっては、後部の音圧の波を利用して前部の音波を向上させることができますが、これはより複雑な応用として、ここでは割愛します。


図2:前後のスピーカエンクロージャ(画像提供:CUI Devices)
背面エンクロージャの設計で次に考えるべき要素は、エンクロージャのサイズ(容積)と圧力変化の微妙なバランスです。マイクロスピーカが採用されるようなコンパクトなアプリケーションではリアキャビティの容積が小さい方が望ましいことがありますが、容積が小さいと、スピーカ振動板の動作によって生じる気圧の変化が大きくなってしまいます。
これらの気圧の変化は、突き詰めれば振動板の動きを制限し、その結果、スピーカから出る音が制限されます。経験から言えば、スピーカの口径は、 リアキャビティの奥行きを決める際の有効な基準値となります。これにより、気圧の変化を最小限にし、マイクロスピーカのアプリケーションにふさわしいコンパクトなサイズを維持します。
しかし、奥行きが重要となるようなアプリケーションでは、同じ容積を維持するため、リアキャビティの面積を広くして、奥行きを浅くすることもあります。
マイクロスピーカエンクロージャの取り付け
マイクロスピーカの取り付けも、製品の最終的な音質における重要な役割を果たしています。エンクロージャの前後は、間にスピーカがしっかりと装着されて背面エンクロージャ構造の一部として機能するように、ぴったりと合わせる必要があります。
これにより、エンクロージャの背面からの音の伝わりが減少するだけでなく、ガタガタとした音が発生しないようになります。高密度フォームを使用すると、確実でタイトな接合の助けとなります。
まとめ
選び抜いたスピーカやマイクロスピーカの音質を向上させるのに、オーディオの専門家は必要ありません。ここで紹介した基本的なガイドラインを理解することで、技術者はすぐれた音響機器を設計できることでしょう。
CUI Devicesは、このプロセスがもっと簡単になるように、直径10mm、奥行き2mmほどのコンパクトなパッケージの、さまざまなマイクロスピーカのオプションを用意しています。


図3:さまざまなタイプのパッケージを提供するCUI Devicesのマイクロスピーカ(画像提供:CUI Devices)
免責条項:このウェブサイト上で、さまざまな著者および/またはフォーラム参加者によって表明された意見、信念や視点は、Digi-Key Electronicsの意見、信念および視点またはDigi-Key Electronicsの公式な方針を必ずしも反映するものではありません。
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