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産業用IoTアプリケーション電源が発展するための課題

著者 Florian Haas(フロリアン・ハース) 氏
TRACO Power Groupマーケティングディレクター
2019-08-20
マルツ掲載日:2019-11-11


 進化し続けるIoT技術とソリューションを基盤にする新しい発想やビジネスモデルの可能性に際限はなさそうです。産業界では、プロフェッショナルなIoTアプリケーションの需要が急増しています。その共通する特徴には、さまざまなセンサやアクチュエータを分散型の制御に接続することにより、情報を伝達する機能などがあります。

 センサやアクチュエータを「スマート」にする機能の根底には、それらがデータを収集して(相互に)通信できること、そして情報によって管理するように設計されているという実態があります。産業用IoTアプリケーションの市場は、(ホーム)ヘルスケア、インフラ、ユーティリティ、ホームオートメーション/スマートホーム、自動車、モビリティなど進化するさまざまなアプリケーションの増加によって、拡大し続けると考えられます。

 このようなプロフェッショナルなIoTのトレンドには、小型化、モビリティ、堅牢性、効率性(有効性の度合)、電子デバイスのネットワーキングが関わるであろうことに異論はないでしょう。

 安全性重視の産業用IoTアプリケーションの場合、エンジニアと使用部品の両方を対象とする厳密な規制ガイドラインに従う必要があります。これは、産業用IoTアプリケーションの開発者にとって大きな課題にもなります。そのため、認定を受け信頼性が高く長年の利用実績がある電子部品を使用することが重要になります。

 なぜなら、そのような部品がよく使われるのは安全性や機能を重視するアプリケーションだからです。そうしたアプリケーションでは、部品サプライヤのプロフェッショナルなサポートが非常に重要な役割を果たします。

プロフェッショナルなIoTアプリケーションの電力 ー ACまたはDC入力

 プロフェッショナルなIoTデバイスで使用する電源モジュールの選択と戦略は、システムや製品全体において紛れもなく非常に重要な決断になります。これらの製品では、小型化、低消費電力、サイズ、高効率性がますます重要な意味を持ちつつあります。半導体は、最高レベルの技術革新をもたらす部品と言えるでしょう。

 2番目に重要な技術は、製品で使用されるACまたはDC入力の電力変換と絶縁デバイスです。さらに、IoTデバイスの多くは電池駆動のIoTシステムで、スタンバイモードの状態が大半の時間を占めアクティブモードの時間は非常に短いので、組み込みDC/DCコンバータは高効率性を持ち広い負荷範囲をカバーする必要があります。

図1:IoTアプリケーション向けの電源には、スタンバイモードで超低電力を可能にする設計が必要です。(画像提供:TRACO Power)

重要なのはサイズと効率性 ー 忘れてはならない安全性と規制順守

 このようなプロフェッショナルなIoTデバイスを設計し認証を得て販売しようとするなら、単に技術的な製品の特長以外にも考慮すべきことがあります。プロフェッショナルなIoTデバイスの認定を得て販売しようとする場合、全世界の協調的な規格やガイドラインによって厳しさを増す規制に完全に準拠する必要がありますが、これは現在のIoT電気技術者にとって大きな課題にもなります。IoTの機能が医療技術などの重要なアプリケーションに必要な場合、電子部品は業界特有の規制に適合する形で適切に利用できるように設計する必要があります。

 たとえば、インターネットで患者ファイルにアクセスできる、医療認定を受けた電池駆動式ワイヤレス制御パネルを考えましょう。この制御パネルにワイヤレスで接続されるのは、患者に直接接触する可能性のある別の機器(血圧モニタ機器など)です。

 医療機器の安全性に関する主な問題の1つは、患者が機器、つまり印加部に電気的に接続されることがよくあるという点です。そのため、このIoTアプリケーションの電源とDC/DCコンバータは、IEC/EN 60601-1第3版のBFコンプライアンスや2XMOPP規格などの安全上重要な規制に適合しなければなりません。

図2:医療用のIoTアプリケーション機器の全部品は該当する規格に準拠する必要があります。(画像提供:TRACO Power)

 別の例として、「スマート」ホーム/ビルディングのための産業用IoTアプリケーションがあります。高効率性や低い無負荷消費電力(ErP準拠)、小型サイズ、高信頼性、手頃な価格は、あらゆるスマートホーム/ビルディングのIoTオートメーションアプリケーション、およびIEC/EN 60335-1などの増え続けるコンプライアンスや規格にとって重要な要素です。


図3:TRACO PowerのTBLCシリーズは6~90WのDINレール電源で、ホーム/ビルオートメーションに適しています。その特長は次のとおりです。高効率性と低スタンバイ電力、 ECO-規格への準拠、UL 1310クラスII承認とUL 508認証済み、NECクラス2とIEC/EN 60335-1家庭用電化製品への準拠、信頼性、MTBF計算値(190万時間)。(画像提供:TRACO Power)

サプライチェーン全体で必要な綿密な計画

 共通の認識として、セキュリティ重視に加えて機能的にも重要なアプリケーションに新技術を利用する場合、信頼性、品質、耐用年数、認証、そして主要電子部品のシームレスなトレーサビリティがますます求められる状況があります。

 メーカー各社は、自動車業界で長年にわたり培われ完成された各種のツールをますます必要としていると言えるでしょう。それらのツールは、故障モード解析、改善措置、8Dレポート、DFMEA、PFMEA、総合的な品質管理(TQM)、継続的な改善などに役立ちます。

 昨今、Total Quality(総合的な品質管理)はあらゆる開発の最初期の段階に導入されるべきです。それを実現するために、開発者には単に機能するソリューションを提供する以上の貢献が求められます。

 携帯電話はかつては単に持ち歩きに便利な通信機器でしたが、現在ではスマートフォン1台あれば他に余計なものを何も持たずに済むほどの役割があります。電子マネー、カメラ、アドレス帳、サブスクリプションなど、幅広い機能がスマートフォンに含まれています。

 このように、スマートフォンは今では生活に欠かせないツールに進化しました。製品開発の品質に対して製品設計者が担う責任は、10年前よりはるかに大きくなっています。この傾向は今後も続くだけでなく、急速に広がると考えられます。さらにサプライヤは、個々の部品やサプライチャネルにおけるデジタル化を非常に重要な発展と見なすべきでしょう。適切なデータを確定し、分析、処理することにより、部品を迅速かつ確実に経済的に利用できることは取引先の生産設備での生産性向上に貢献するはずです。

 最後にまとめとして、本記事で述べた状況は、医療技術、ビルオートメーション、モビリティなど重要な応用分野でのIoTアプリケーションにとっては、高い効率性や超低スタンバイ電力消費をともなう小型化が欠かせないだけでなく、長きにわたり利用されトレーサブルで、該当するすべての規格/規制に準拠する必要があることを示唆しています。



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