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奥深いオーディオジャックのスイッチと構成

著者 Ryan Smoot 氏
Technical Support Engineer, CUI Inc.
2019-05-07
マルツ掲載日:2019-08-05


 業界標準のオーディオジャックコネクタには、本来のオーディオ接続の用途以外にも多くの利用可能性があります。オーディオジャックのさまざまな構成、たとえば導体数やスイッチのオプションなどを理解することで、設計者は、このおなじみの小型で信頼性の高い相互接続ソリューションを最大限に活用できます。

 2.5mmまたは3.5mmのオーディオジャックは、スマートフォン、メディアプレーヤ、ハイファイ製品など多くの機器でよく見かけます。発想力の豊かな設計者であれば、外部スピーカやヘッドフォンの簡単な接続だけではなく、機器の他の機能を操作するいろいろなアクセサリ、たとえばカメラ用シャッターボタンを備えたスマートフォンの自撮り棒などの接続にも、ジャックを使用できるかもしれません。一見単純でも、汎用性の高いオーディオジャックを最大限に活用する方法を理解するには、内部の信号接続とスイッチングの仕組みに注目することから始めます。

 オーディオジャックには、スイッチなしの単純なコネクタ、またはプラグの挿入で作動する1つまたは複数のスイッチを備えたコネクタがあります。スイッチ付きコネクタが必要になるのは、ヘッドフォンを挿入したときに内蔵スピーカを切断する、アクセサリの挿入を検出する、またはオーディオミキシング基板を使用する場合などです。

 スイッチなしのコネクタを使用する場合、アクセサリの検出は専用オーディオジャックスイッチICを使用して実現できます。その場合、使用する部品や開発コストは増えますが、この種のICではスイッチデバウンスやボタンが押されたことを検出する機能などを得ることができます。

 オーディオジャックのデータシートには、導体数とスイッチ数の組み合わせの種類と、それらの指定方法が記載されています。CUIのSJ2-2531X-SMTオーディオジャックは、薄型面実装コネクタの1例です。2つまたは3つの導体を備え、スイッチなし、スイッチ1つ、またはスイッチ2つの構成で注文できます。

基本的なオーディオジャックの接続

 図1は、スイッチなしで導体数3の基本的なジャックを示しています。この図では、プラグが左から右に挿入され、挿入時には先端部、リング、スリーブがジャック内の対応する接点と一致します。


図1:スイッチなしで導体数3の基本型オーディオジャック。(画像提供:CUI Inc.)

 図2には、端子2の位置にスイッチを追加し、プラグの先端で作動する方法を示しています。これは、データシートでチップスイッチと呼ばれています。同様のスイッチは、リング端子にも配置できます。この記事では、マルチリングジャックによってスイッチの複雑な配列をどのようにサポートできるかについて後述します。


図2:導体数3でチップスイッチ付きのオーディオジャック。(画像提供:CUI Inc.)

 図2では、プラグを挿入する前は端子2と端子10は接触しているので、スイッチはノーマリクローズに分類されます。プラグを完全に挿入した状態で、先端が端子2にはまると、スプリングコネクタが押し戻され、端子10と端子2の間の回路が開きます。

さらに複雑な構成

 図3は、追加の導体とスイッチの配列方法を示しています。当然ながら、プラグ上のリング導体の数と位置はソケット内の接点と一致する必要があり、これによりスイッチを目的の順序で作動させます。


図3:チップスイッチ1つとリングスイッチ2つを備える導体数4のプラグとソケット。(画像提供:CUI Inc.)

 ここまでは、ノーマリクローズタイプの単純なスイッチについて説明しました。実際には、スイッチの構成には他にもノーマリオープン、単極双投(SPDT)、双極双投(DPDT)などがあります(図4)。これらのスイッチはオーディオ信号から分離できるので、それらを他のさまざまな回路を制御するために使用できます。


図4:その他のスイッチ構成。(画像提供:CUI Inc.)

実用例

 現在提供されている各種のコネクタ構成により、設計者は数多くのコネクタから選択して、さまざまな信号スイッチング、挿入検出、システム制御機能に対応できます。その主な例には、スピーカとヘッドフォン間のオーディオ切り替え(図5)、プラグ挿入検出、およびオーディオ信号から独立している他の回路部分の制御があります。


図5:スピーカとヘッドフォン間のオーディオ信号切り替え。(画像提供:CUI Inc.)

 図5の最初の図では、ヘッドフォンプラグの挿入前は音声が内蔵スピーカから再生されます。2番目の図のように、プラグを挿入すると、コネクタに組み込まれているチップスイッチとリングスイッチが開きます。これにより、スピーカから音源が切断されると同時に、ヘッドフォンが回路に接続されます。

 図6は、ノーマリクローズ型のチップスイッチを使用して、プラグの挿入を検出し警告インジケータが光るようにする方法を示しています。


図6:チップスイッチを使用したプラグ挿入の検出。(画像提供:CUI Inc.)

 図7に示されているコネクタにはSPDTスイッチが含まれており、プラグの着脱によって機器の2つの動作モードを切り替えるために使用します。コネクタには普通のチップ接点とリング接点が含まれていますが、端子4~6は端子1~3のオーディオ信号から絶縁されています。プラグを挿入しないと、端子4と端子5が接続しています。プラグを挿入すると端子4と端子5が開き、代わりに端子5と端子6が接続します。この切り替えを使用して、メインシステムを1つの動作モードから別の動作モードに切り替えることができます。


図7:オーディオジャックを使用したデバイスの動作モードの切り替え。(画像提供:CUI Inc.)

結論

 小型で優れた汎用性を備えた業界標準のオーディオジャックは、実用的で信頼性が高く、設計者や機器のユーザーに分かりやすいコネクタです。利用できるさまざまな機能について少し知るだけで、設計者はジャックを活用して新製品の新たな機能をサポートできます。これで、ジャックを使用しなければ必要だったディスクリートスイッチやアクセサリポートを追加せずに済む場合もあります。

 このようにオーディオジャックを巧みに利用することで、部品コストを節約し、ハードウェア設計を簡素化し、新たな機能を備えた新製品をいち早く市場に投入できるようになります。

 CUIのオーディオコネクタの製品ラインナップには、幅広い構成とスイッチタイプの2.5mmおよび3.5mmジャックとプラグが含まれています。製品には、面実装またはスルーホール技術が駆使されており、またIP67防塵防水機能を備えたコネクタも揃っています。ケーブル実装とスルーホール構成タイプの2.5mmおよび3.5mmプラグも提供されています。


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