光カーテンのミューティング機能の仕様と使用方法
著者 Scott Orlosky(スコット・オルロスキー) 氏
Digi-Keyの北米担当編集者 の提供
2021-05-13
マルツ掲載日:2021-09-06
光カーテンとは、機械をガードし、事故を減らすための、便利で目立たない自動化された安全装置です。多くの場合、光カーテンは金網やその他の物理的な機械的ガードを補完し(状況によっては置き換えることもでき)、さらに追加のシステム機能を付加することができます。
実際、多くのマシンテンディング作業(機械に原料を投入したり、機械の出力部で完成品を降ろしたりする作業)は、光カーテンがあって初めて可能になります。また、従来の産業用ロボットを製造作業員がいるワークセルの近くで使用する施設でも、これらの安全部品の適応性により、怪我のリスクを大幅に減らすことができます。
図1:適切に設置され、定期的にテストされた場合、正しく操作される光カーテンは、作業者を危険から守るためのシンプルで価値あるコンポーネントとなります。この展示会のデモでは、黄色の光カーテンのポストが透明なアクリル板(実際の用途では存在しません)の後ろに設置されています。(画像提供:Design World)
以前のDigi-Key記事で光カーテンの基本と基本パラメータについて述べたように、ミューティングは、設計時に指定すべき数多くの設定の1つにすぎません。他にも、分解能、位置決め、停止距離、EN ISO 13849-1のタイプ分類、周辺監視のためのミラーリングなど、相互に関連する光カーテンのパラメータがあります。
光カーテンのミューティングの設定、操作、テスト
光カーテンを正しく動作させるには、初期設定と較正が重要です。このような設置作業を容易にするために、現在ではほとんどの光カーテンメーカーがLEDと一体化したコンポーネントを提供しています。
赤と緑のシンプルなLEDは、エミッタカーテンとレシーバカーテンの位置が正しく調整されている場合は緑に、調整が必要な場合は赤に点灯します。設置作業者は以下のことを確認する必要があります。
・光カーテンのすべての動作部分のLEDが緑色に点灯していること(正しく動作するように設定されていることを示す)
・光カーテンから危険な機械やロボットの軸までの距離は、光カーテンのメーカーが提供する値、および適用されるISO、OSHA、ANSI規格の範囲内であること
設置は2つのステップで行います。まず、光カーテンの設置は、ガード対象の危険な機械やロボットの電源を完全に切った状態で行い、適切なロックアウト/タグアウト手順に従う必要があります。その後(光カーテンの独立した動作が確認されたら)、設置担当者は、カーテンを作業ゾーンの緊急停止(Eストップ)に接続し、保護された機器に電源を入れて安全モードで動作させた状態でシステムを再テストします。
図2:この光カーテンは、小型生産機の機器のアクセスポイントを保護するために設計されたものです。0.1~2mの範囲で高さは160mm、240mm、320mm、分解能は14mm(指の検出)や24mm(手の検出)のバリエーションが用意されています。エンドツーエンドでセンシングすることで、ブラインドゾーンを防ぎます。(画像提供:Banner Engineering)
もちろん、すべてのマシンガードに光カーテンが適しているわけではありません。たとえば、アクティブなマシンエリアの近くに高反射面があるような環境では問題となります。また、煙の多いプロセスや、空気中の微粒子が多い環境では、誤作動を起こすことがあります。このような環境では、光カーテンでガードされた装置は、その境界線が破られた場合、安全に停止するまでの時間が極端に長くなることがあります。
また、この問題が原因で、装置が定義されたアクティブエリア外に材料を排出することもあります。そのため、煙やほこりの多い環境用に安全システムを設計するエンジニアは、光カーテンが効果的に人員を保護できるかどうか、あるいは物理的なマシンガードが必要かどうかを慎重に検討する必要があります。
光カーテンが正常に作動するためには、各シフトの開始時に簡単な検証テストを行うことが望ましいとされています。また、半年に一度、より徹底した検査を行う必要があります。これらの検査では、動作能力の低下、特に応答時間の遅延や作業ゾーンのアクティブエリアの不明瞭化などの問題を定量的に把握する必要があります。
後者は、新しい製品ラインの製造に対応するために機械のセットアップが変更された場合に最も関係があります。このような変更が大規模に行われる場合には、作業者と機械を十分に保護するために、作業ゾーン周辺の光カーテンを移動したり、状況によっては交換したり、光カーテンの分解能やその他の設定を調整したりする必要があります。
光カーテンのミューティングを伴う特殊な状況
作業ゾーンが非常に広い場合は通常、光カーテンをまとめて使用する必要があります。これらを連続して配置することで、保護エリアの境界を広げることができます。このような設置方法では、通常、光カーテンの向きを交互に変えて、あるカーテンのエミッタポストと次のカーテンのレシーバポストが背中合わせになるようにする必要があります。このエミッタ、レシーバ、エミッタ、レシーバポストの順番により、クロストークを回避することができます。
もちろん、このような配置では(他の光カーテンの設置と同様)、技術者は、すべての光カーテンのエミッタとレシーバのポストが上から下まで同じ向きであることを確認する必要があります。これにより、アクティブエリアが期待通りにカバーされ、意図した分解能が維持されます。
ガードされたエリアで光カーテンにコーナーを設ける必要がある場合は、ヒンジ付きポストアセンブリ(2本のまっすぐなコンポーネントをジョイントでつなぎ、コーナーに沿って90°以上で配置する)と、コーナーミラーの使用という2つの選択肢があります。
後者では、エミッタポスト、レシーバポスト、2つの背の高いミラーで作業ゾーンの3面をガードすることができます。つまり、エミッタポストは、ミラーが設置された1つのコーナーを向き、ミラーは次のコーナーにある2つ目のミラーに向かって90°曲がった方向を向いています。
エミッタの信号は、1つ目のミラーから2つ目のミラーを経て、ガードされたエリアの最後の4つ目のコーナーにあるレシーバに届きます。これは、より大きな面積を囲むための簡単な方法ですが、その代償として、それぞれの鏡の反射が100%の効率ではなくなるため、信号は反射するたびに減衰します。設計エンジニアの方には、これらの設定に関するメーカーの仕様を確認することをお勧めします。通常、信号強度は、反射するたびに約8~15%減衰します。
最後に、作業ゾーンが非常に広い場合の注意点をお伝えします。ほとんどの場合、パススルーが発生する可能性があります。これは、オペレータが光カーテンの境界を通り抜けて、機械の停止やセーフモードを作動させ、(ガードされたエリア内に適切なコントロールがあり)そのまま危険な機械を再起動することができる場合に発生します。
そうなると、オペレータは光カーテンに検出されずに危険な作業ゾーンに立っていることになり、怪我をしたり、最悪の事態に陥ったりする可能性があります。このような状況を防ぐための一般的な解決策は、機械のスタートスイッチやコントロールを省略または無効にし、ガードされたエリアの外にハードリセットスイッチを設置することです(通常、ワークセルのHMI近くのオペレータパネルに設置されています)。これにより、効果的に機械のオペレータを危険な作業ゾーンから出し、装置を再起動させます。
光カーテンのミューティングとブランキングの関連機能
作業ゾーンによっては、光カーテンの機能を定期的に停止する必要があります。ミューティングと呼ばれるこのような中断は、通常、機械加工プロセスの安全な段階で、機械オペレータの手動操作が必要な場合に行われます。
たとえば、パレタイザの投入エリアにパレットを投入する際には、ミューティングが欠かせません。ミューティングは、ロボットセルの出力ステーションから物品を降ろす際にもよく使用されます。
つまり、光カーテンのミューティングは、一定の大きさや形状の素材を感知する一連の存在検知器によって、注意深く調整されているのです。光カーテン内に物品が侵入する部分を一時的に無効にする際、存在検知器は一定の順序でトリガされる必要があります。物品が通過してミューティング操作を必要とするタスクが完了すると、光カーテンのガード機能が復活します。
図3:どのような用途であっても、光カーテンのミューティング機能は、人を通さずにモノだけを通過させるように設計されています。タイミング図により、光カーテンのミューティング機能の具体的な内容を数値化できます。(画像提供:Design World)
ミューティングに関連する機能として、光カーテンのブランキングがあります。ここでは、機能をトリガするのは存在検知器ではなく、光カーテン自体です。つまり、光カーテンのビームはアクティブなままで、制限された作業ゾーンに入る物体の侵入を一時的に許可しますが、機械のシャットダウンはトリガされません。
また、フローティングブランキングと呼ばれるブランキングのバリエーションでは、光カーテンのエレクトロニクスがブランキング領域を設定し、そのブランキング領域の周囲に適度な許容範囲を設けることで、オペレータが過度に難しい精度で物品を配置する必要なく、物品の通過を可能にします。
光カーテンのブランキングは、完成した部品を作業ゾーンの外に出す必要がある機械作業でよく使われます。
まとめ
光カーテンのサイズや仕様を決定する設計エンジニアは、業界特有の要件や、地域や職業別の管理機関による要件など、ガード対象の機械やロボットに適用されるすべての基準を文書化する必要があります。これらの基準が確立されれば、光カーテンを設置する際の適切なセットアップやテストの手順を周知できます。また、光カーテンの使用にふさわしくない条件や機械の種類を示すこともできます。
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