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誰もが利用できるIoT

著者 Rolf Horn(ロルフ・ホーン) 氏
Digi-Keyの北米担当編集者 提供
2020-10-07

マルツ掲載日:2021-2-8


 テクノロジの世界はかつてない速さで移り変わっており、ワイヤレスアプリケーションに新しいテクノロジが導入されるペースもその例外ではありません。IoTは、私たちの生活のほぼすべての部分に革新をもたらしています。これまで接続されることがなかった「モノ」を接続するだけで、データに関する新しい洞察が得られ、有意義な変化につながります。

 IoTは技術のメガトレンドであり、レガシーシステムに対する耐久テストであるだけでなく、多くのさまざまな業界に属するあらゆる規模の企業の運命を決定づけるものです。2020年末までに500億台、2025年までに1,000億台のデバイスがIoTで接続されると予測されています。

 IoTデバイスに適合するための送信規格の変更にともない、ワイヤレス分野に熱意がある人なら新しい変調方式の設計にかつてないほど容易にチャレンジできるようになりました。また、ワイヤレスリンクとペアを組む新たなセンサも数多く登場しています。しかも以前にも増して、誰もがこれらの技術に容易にアクセスできるようになっています。

 この記事では、こうした技術開発について取り上げ、どうすればこの低コストで普及している技術をすぐに入手できるかについて説明します。

低電力ワイドエリアネットワーク(LPWAN)無線技術

 低電力ワイドエリアネットワーク(LPWAN)無線技術はセルラーインフラストラクチャで利用するための技術で、数年前から登場しています。狭帯域IoT(NB-IoT)、Long Term Evolution Machine Type Connection(LTE-MまたはLTE-MTC)、enhanced Machine Type Communication(eMTC)などが一般的です。

 これらの技術の利点は、音声/高帯域幅トラフィックに使用される既存の基地局を活用できることです。ただし、それほど頻繁でないレポートと制御のみを必要とするデバイスは高帯域幅を必要とせず、また多くが電池駆動なので、これらの技術規格が対応する低電力および低帯域幅の規格が必要でした。

 既存のセルラーネットワークを活用せずに、新たなインフラストラクチャの構築を必要とする他の技術には、いくつかの例としてSigfox、LoRa/LoRaWAN、NB-Fiなどがあります。これらの短所は、より広範なインターネットと結びつけるためにアップリンクを必要とすることです。

 これらの非セルラーネットワークオペレータ(事業者)はこのアップリンクをサービスとして提供しますが、ネゴシエートするのは別のコンピュータネットワークシステムです。

 実際にはセルラーネットワーク事業者は大企業であり、そのような会社と競争することは現実的ではありません。一番よい方法は、そのような事業者の規格に準拠するモデムを導入して事業者のネットワーク上で「時間」を購入し、月間使用プランの費用を支払うことです。

 非セルラーネットワークは低額な資金で構築できますが、インターネットへの接続を提供するサーバに接続されるまでワールドワイドなカバレッジを提供しないという制約があります。

 それにもかかわらず、世界的な接続性を必要としないネットワークの多くの例があります。たとえば、組み立ておよび生産センサの工場などがその例です。実際には、これらのアプリケーションでは、ネットワークは分離されている必要があります。

 幸いなことに、セルラーネットワークへのアクセス、そして低電力ネットワークを構築するためのチップとモジュールが提供されており、月にわずか3.00ドルでネットワークデータプランを使用できます。必要なのはセルラー事業者認定のモデムだけです。これで使用するデバイスが世界中で「オンライン」になります。

 モジュール形式の電子機器ソリューションは、飛躍的な成長を続けています。チップレベルの設計のための専門知識を持たなくとも、設計者はあらかじめ構築された認定済みの無線を取得できます。これにより、RFの技術的見識の必要性が減るだけでなく、製品をより迅速に市場に投入できます。

 最近、モジュールに使用されているチップを調べ、どのような顧客が何を購入しているかを確認しました。驚いたのは、必要な見識を持つ企業は、モジュールに使用されているものと同じチップを購入しただけでなく、モジュールも購入しており、両方とも数千個(量産)単位で購入されていたことでした。

 このことは、最初からコスト最適化された製品を設計するよりも、それほどコスト最適化されていない製品を早期に市場投入して新製品を市場で試すのが良い、という考え方を裏付けています。その市場が十分大きければ、チップレベルまで下って製品のコストを最適化できます。しかし、この記事では波形レベルと呼ぶ、チップよりもさらに低いレベルがあります。

 ソフトウェア無線(SDR)では、開発者はまったく新しい変調方式を試すことができます。独自のニーズがあり、設計者に専門知識があれば、独自の無線規格を開発することができます。専門知識がなくても、SDRを試すことで、設計者は楽しみながら多くのことを学ぶことができます。

 たとえば、この記事の筆者の同僚は、信号が左または右の波形に等しくなる正確な瞬間にベースバンド信号の値を補間することによって、システムクロックをRFキャリア信号に同期させずにFMステレオ放送をデコードする特許を持っています。

 これは、コンポジット信号の分解に対するソフトウェアアプローチであり、今日ではこれらのすべてをSDRに実装できます。その特許は30年近く前のもので、開発には困難が伴いました。今日では、すぐに使えるSDRを使用して簡単に行うことができます。

 そのようなSDRの1つに、アナログ・デバイセズのAdvanced Learning Module PLUTO(ADALM-PLUTO)があり、2020年9月現在、約150ドルですぐに入手できます。USBリンクを介してパーソナルコンピュータに接続できるこの製品は、FPGAを搭載することで簡単に再構成できます。

 また、プログラミング言語Pythonを全般的にサポートし、325MHz~3.8GHzの範囲で信号を送受信できます。設計者がRFについて本格的に学び活用したいと考えていれば、このレベルから始められます。

 特定製品についての知識に戻ると、数百にも及ぶセンサがチップやモジュールの形で急増しています。文字通り数十万種類のセンサがディストリビュータから入手可能です。たとえば、Digi-Keyでは210,000種以上のセンサを提供しています。

 ここでは、入手可能なセンサの種類をいくつかご紹介します。

・近接センサ
・温度センサ - アナログ/デジタル出力
・特殊センサ
・ガスセンサ
・位置センサ - 角度、リニア位置測定
・圧力センサ、トランスデューサ
・湿気、湿度センサ
・電流センサ
・光センサ - 周囲光、IR、UVセンサ
・光センサ - 距離測定
・磁気センサ - 位置、近接、速度
・光センサ - 光電子、産業用
・モーションセンサ - 加速度計
・イメージセンサ、カメラ

 これらのセンサのいずれか、またはそれらの組み合わせを、各種のワイヤレスオプションを介してインターネットにつながる製品に組み込むことができます。たとえば、「ウィンドウブラインドコントローラ」のインターネットへの接続を示すオンラインプロジェクトが、maker.ioのTrinamicのTMC5161 + MicrochipのAVR-IoT WG + Digi-KeyのIoT Studioテンプレートにあります(図1)。


図1:maker.ioプロジェクト「ブラインド制御設計の開始と革新」で説明されているリモート制御ウィンドウブラインドプロジェクト。(画像提供:maker.io)

 Microchip Technologyの開発キットは、スマートIoTホームオートメーションアプリケーションを対象としています。詳細は、IoTホームオートメーション評価キット(図2)をご覧ください。


図2:MicrochipのIoTホームオートメーション評価キット。(画像提供:Microchip)

まとめ

 今では誰もがIoTにアクセスできるようになっており、この記事で取り上げた開発キットは、IoT設計者が利用できるツールの1例に過ぎません。

 最後に、この接続された世界で、モノのインターネットに接続される次の大きな「モノ」の開発のご成功をお祈りいたします。



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