Infineon Technologiesの可変速モーター制御ソリューション iMotion™とその評価/開発用ボードをご紹介します。

従来、モーターの制御はON/OFFで行われていましたが、これでは効率が悪いため現在はPWM(パルス幅変調)によるインバータ制御やモーターに与える磁束をベクトル量で制御するベクトル制御が採用されるようになってきました。
ベクトル制御を行うにはマイコンを使った複雑なプログラムが必要で、部品点数も増加するという問題がありましたが、インフィニオン社のiMOTION™はこの問題を解消できるソリューションとなっています。
iMOTION™は、インフィニオン社が提供する小容量の可変速モーター制御ソリューションの総称です。iMOTION™ファミリのモーター制御ICは、永久磁石同期モーター(PMSM)のセンサレス制御に必要な機能とアナログインターフェース回路をすべて統合しています。実績のあるモーター制御エンジン(MCE)を採用し、MCEwizard、MCEDesignerなどのツールを使って、パラメータを設定するだけで作業を始めてから1時間以内にモーターを駆動させることが可能です。すなわち、複雑なモーター制御のソフトウェア開発が不要になります。
インフィニオン社は、iMOTION™ファミリ制御ICの評価用ボードを低価格で提供しています。EVAL-M1-101Tは、iMOTION™ IMC100シリーズのIMC101T-T038を搭載したコントロールボードで、iMOTION™ MADKパワーボード(M1コネクタ付き)に接続することで、ファンやポンプ、コンプレッサーなどのさまざまなモーター制御システムのラピッドプロトタイピングを可能にします。
EVAL-M3-102Tは、iMOTION™ IMC100シリーズのIMC102T-F064を搭載したモーターコントローラー/ドライバー電源管理評価ボードで、センサーレスFOC(Field Oriented Control;磁界方向制御)とアクティブPFC(Power Factor Correction;力率改善)コントロールを組み合わせることができます。すなわち、本ボードとiMOTION™ MADKパワーボードEVAL-M3-CM615PNを組み合わせることで、インバーター制御+PFCシステムを容易に構築できます。
【動画】モーターコントロールが簡単に出来るiMOTION™