「アプリケーションラボ」は、Digi-Key社のご協力をいただいて、Digi-Key社が公開している新製品や技術情報を日本語でご紹介するWebページです。基礎技術から最新技術まで有益な情報を公開していますので、是非ご活用ください。
今回は、ディスプレイなどに使用して、振動により情報を伝える圧電アクチュエータを用いた触感フィードバックについて解説した記事をご紹介します。
■高度な触覚フィードバックをポータブルタッチスクリーン設計にもたらす新しい圧電アクチュエータ 触感フィードバックは、力や振動により人間に情報を伝えるハプティクス(Haptics)と呼ばれる技術です。携帯電話に着信があるとブルブル震えて知らせる機能などがよく知られています。iPhoneの3Dタッチも触感フィードバックを応用しています。触感フィードバックを実現するには、主としてERM(Eccentric Rotating Mass:偏心回転質量)、LRA(Linear Resonant Actuator:線形共振アクチュエータ)、圧電アクチュエータを使用する3つの方法があります。
ERMは、モータの軸に偏りがある重りを取り付けて振動させます。LRAは、コイルの電磁力と磁石の反発力を利用して振動させます。圧電アクチュエータは、ピエゾ効果を使って振動を発生させます。ERMとLRAはコストは安いのですが応答速度が遅く、きめ細かな振動を発生させることができません。また、圧電アクチュエータは、反応速度は非常に速いのですが高い電圧が必要になることが難点でした。しかし最近になって、3.3V~5Vで動作し、60V~200Vのパルスを発生させることで圧電アクチュエータを駆動できるドライバICが登場し、圧電アクチュエータを使った高度なハプティクスが実現できるようになりました。そのため、スマートホンやタブレットのみならず、自動車や医療機器などのディスプレイへの応用が期待されています。
 <PowerHap評価ボード>
【アプリケーションラボ】の解説では、圧電アクチュエータとして小型ながら大きな振動を生成するTDKのPowerHapシリーズを、またドライバICとしてBoréas Technologies社とTexas Instruments社のデバイスを取り上げて解説しています。Boréas社はカナダのケベック州に本社を置く2016年に設立されたファブレス半導体メーカーです。TDKはBoréas社と提携して製品開発を行っており、TDK製の圧電アクチュエータの評価用として、Boréas社製のBOS1901CQTピエゾハプティックドライバを搭載した評価キットなどを販売しています。
ここで解説されている製品は、マルツオンラインのウェブサイトで購入できますので、是非参考にしてください。
PowerHap圧電アクチュエータ 【B54102H1020A001】 8,674.44円 |
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ピエゾハプティックドライバ 【BOS1901CQT】 994.87円 |
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ピエゾハプティックドライバ 【DRV2667】 938円 |
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PowerHap評価キット 【Z63000Z2910Z1Z44】 46,845.26円 |
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下記の2本の解説記事も同時に公開しました。合わせて参考にしてください。
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