「アプリケーションラボ」は、Digi-Key社のご協力をいただいて、Digi-Key社が公開している新製品や技術情報を日本語でご紹介するWebページです。基礎技術から最新技術まで有益な情報を公開していますので、是非ご活用ください。
今回は、エッジコンピューティングに適したEfinix社のFPGAについて解説した記事をご紹介します。
■EfinixのQuantum対応FPGAを活用し、低電力で高性能のエッジコンピューティングを実装 最近は、エッジコンピューティングが話題の中心になっています。NVIDIA社のJetsonシリーズに代表されるように、エッジ端末でのAI処理が実用になってきたからです。ところで、AI処理に必要な並列計算は、GPUだけでなくFPGAも得意とするところです。実際、電力効率で比較するとFPGAの方がGPUよりも優れているので、組み込み分野ではGPUよりもFPGAのほうが使われています。しかしながら、GPUに対抗できるFPGAは高価なため、安価なIoT機器には採用することができませんでした。
Efinix社は、独自のQuantum技術を用いて、エッジコンピューティングに適した低価格なFPGAを開発しました。
< Trion FPGA T4F81C2 >
Efinix社は、2012年に設立された米国カリフォルニア州に本社を置くファブレス半導体メーカーです。4K~200Kのロジックエレメント(LE)を持つTrion FPGAを開発/販売しています。Trion FPGAは、Quantum技術を採用することで、従来のFPGAに比べて4倍の面積効率と2倍の電力効率を実現しました。
従来のFPGAは、ある塊のLEの回りに論理配線を切り替えるためのスイッチマトリクスを配置する構造になっています。Efinix社のQuantum技術は、LEとスイッチマトリクスを1対1に対応させ、どちらにも使用できるeXchangeable Logic and Routing(XLR)セルという構造にしました。XLRセルを採用することにより、使用されないLEやインターフェースのオーバーヘッドが少なくなるため、面積効率と電力効率が大幅に向上します。
さらに、従来は10層~12層だったメタル層を6層~7層に減らすEFabric技術を採用することで、コストの削減とSoCやASICとの結合を容易にしています。
< Trion 8 BGA81開発キット >
【アプリケーションラボ】で解説されているデバイスは、マルツオンラインのウェブサイトで購入できますので、是非参考にしてください。
Trion FPGA 【T4F81C2】 880.77円 |
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Trion FPGA 【T20F256C3】 1,187.8円 |
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Trion FPGA 【T13F256C3】 856.41円 |
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Trion 8 BGA81開発キット 【T8F81C-DK】 12,542.39円 |
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Trion T20 BGA256開発キット 【T20F256C-DK】 18,813.04円 |
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下記の2本の解説記事も同時に公開しました。合わせて参考にしてください。
■大気質監視設計にガスセンサを統合する際の重要な事項
大気質の監視は従来は大掛かりなものでしたが、最近はガスセンサを用いる小規模な装置で環境の変化を正確に測定できるようになってきました。ここでは、ガスセンサにより大気質を観測する現状と半導体メーカーが提供するリファレンス設計やハードウェアキットを活用する方法を解説します。
■ダイレクトプラグインタイプの圧接コネクタを使用したアセンブリの簡素化と部品点数の削減
複数極を相互に接続する際、圧接コネクタとリボンケーブルがよく使用されます。ここでは、コストを低減し、組み立て作業を簡素化できるWürth Elektronik社が開発したプリント基板を嵌合コンタクトとして使用する構造の圧接コネクタについて解説します。
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