自動車分野

R-CarシリーズのハイエンドSoC用開発キットがバージョンアップ「R-Car H3 Starter Kit V2.0」好評発売中!

 自動車の開発において、自動運転システムや室内のインフォテインメントシステムなどが急速に進化しています。ハードウェアの高性能化はもちろんですが、最近はAI技術も取り込まれてソフトウェアの比重が急速に増大しています。

 ルネサスエレクトロニクス社は車載半導体の大手メーカーですが、ソフトウェアの開発を自社だけで行うのは非効率と考え、大学などの研究者やオープンソースコミュニティにおいて、新たなソフトウェアの開発やバージョンアップを行っていただくことを期待して低価格なR-Carスターターキットを用意しています。

 R-Carは、ルネサス社が提供する車載用情報システム向けSoCファミリの名称で、R-Car H3はシリーズの中のハイエンド製品です。SoC単体チップに加えて、DDRメモリを実装したSiPモジュールが用意されています。

 H3は、4つのCortex-A57コアと4つのCortex-A53コア、リアルタイム処理用にデュアルロックステップコアのCortex-R7を搭載しています。デュアルロックステップとは、それぞれのコアで同じ処理を行い、結果が同じなら実行させるという安全機能です。

 R-Carスターターキットは、Automotive Grade Linux(AGL)GENIVIといったオープンソースコミュニティにおいて標準化が進む車載Linuxプラットフォームを容易に構築でき、1人のエンジニアが1台を手元に置くことで、高度なソフトウェアの開発に専念することができます。

 R-Car H3スターターキットは10cm×10cmの基板にH3 SiPが搭載されていて、ヒートシンクとファンが付属しています。基板にはR-Car SoCのすべての周辺端子を使用できる440ピンの拡張ポートが用意され、車載機器の開発に必要な周辺インターフェースを実装しています。したがって、シンプルな最先端のコンピュータービジョンの開発環境から、統合コクピットのような大規模システムのプロトタイピングまで、幅広いコンピューティング用途で利用できます。

 今回のバージョンアップはベース基板に変更はなく、SiPがR-Car H3 WS1.1からR-Car H3 WS2.0に変更されています。A57コアのクロック速度が、1500MHzから1500/1600/1700MHzに変更され、周辺機能の見直しが行われています。なお、DDRメモリは4GBから8GBに増えましたが、ストレージ用のeMMCメモリは64GBから32GBになっています。

 注意する点として、本商品を購入できるのは法人・学校法人に限られます。購入台数も2台までという制限があります。

R-Car H3 Starter Kit V2.0
【RTP0RC77951SKBX010SA03】
参考価格:96,900円

 

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