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処理の効果と効率を向上させるための水流の測定方法

著者 Jeff Shepard(ジェフ・シェパード) 氏
DigiKeyの北米担当編集者の提供
2024-10-15

マルツ掲載日:2025-02-10



 水流と水量の監視と測定は、発電所やエネルギープラント、農業や鉱業、産業や自治体の水処理・廃水処理施設、食品・飲料加工などの効率と持続可能性を向上させるために必要です。

 利用可能な水とその流量を定量化するために、水システム設計者が利用できるツールがいくつかあります。これらのツールは、水の純度を維持するために、水との直接的な接触を最小限に抑えるか、排除します。

 電磁流量計(マグフローメータ)は、流れる水を非接触で定量化する方法を提供します。貯蔵タンク内の水位は、超音波やレーダベースの設計のような非接触センサを使用して測定することができます。第3の選択肢は、飲料水用途向けに認証された密閉型静水圧レベル測定センサです。

 この記事では、マグフローメータと静水圧センサを使用する場合のオペレーションと利点を確認し、Endress+Hauserの超音波やレーダベース設計のような非接触レベルセンサのオペレーションとアプリケーションを比較します。

 次に、データマネージャがどのようにオペレーションを記録、表示、監視するかを説明し、食品・飲料加工ラインを応用例として、IO-Linkがどのように完全な水監視システムを迅速かつ効率的に構築できるのかを見ていきます。

 変圧器、インダクタ、発電機、マグフローセンサの動作原理は、ファラデーの電磁誘導の法則で説明できます。マグフローメータでは、測定される流体中の帯電した粒子が2つのフィールドコイルによって作られた磁場を流れ、電圧が誘導されます。誘導電圧は2つの測定電極で測定されます(図1)。


図1:マグフローメータでは、液体中の帯電粒子(青矢印)が2つのフィールドコイル(赤線)の間を流れ、プローブが誘導電圧(緑線)を測定します。(画像提供:Endress+Hauser)

 誘導電圧は流速と体積に正比例します。パルス直流(DC)電圧が磁場を発生させます。直流電圧の極性を交互に変化させることで、安定した零点が確立され、低導電率や不均質な液体の影響を受けにくい流量測定が可能になります。

 Picomag DMA50シリーズのマグフローメータはさまざまなアプリケーションに適しています。バックライト付き1.4インチTFTカラーディスプレイは、向きと流れ方向に応じて自動的に回転し、設置が簡単です。これらのメータは、流量、温度、導電率を同時に測定することができます。広い流量範囲で±0.5%の流量測定精度を実現しています。

 モデルDMA20-AAACA1の測定範囲は毎分0.1~50リットル(l/min)で、最大圧力は232ポンド/平方インチ(psi)です。0.75インチ接続を備え、動作温度範囲は-10℃~+60℃です。他のPicomag DMA50シリーズ マグフローメータと同様に、IO-Linkコネクティビティを備えています。BluetoothはEndress+HauserのSmartBlueアプリを介して有効化され、困難な場所でも操作、やメンテナンス、試運転を簡素化し、迅速化します(図2)。


図2:流量(l/min)と導電率(μS/cm)を測定するPicomag DMA50シリーズ マグフローメータの例。(画像提供:Endress+Hauser)

 モデルDMA20-AAACA1は、化学物質や過度の熱条件に耐えるフッ素エラストマー(FKM)Oリングを備えており、機械、容器、配管を分解せずに洗浄・滅菌するために使用される定置洗浄(CIP)および定置滅菌(SIP)自動化プロセスをサポートします。

 DMA50-AAABA1のような他のモデルは、オゾン、日光、風化に耐性のあるエチレンプロピレンジエン(EPDM)Oリングを採用しています。Picomagマグフローメータの代表的なアプリケーションは、以下の通りです。

・複数の冷却ラインを流れる水によって冷却される産業用オーブン
・加熱/冷却水の流量を測定する必要があるダブルジャケット式食品加工システム
・ボトルなどの容器の洗浄や低温殺菌工程では、水の温度、供給、排水を監視することで、水の効率的な利用を最大化することが可能

超音波対レーダToFレベルセンシング

 超音波レベルセンサとレーダ式レベルセンサは、それぞれ音速と光速に基づく飛行時間(ToF)測定を実装しています。超音波は、空気と被測定物表面の密度変化によって反射されます。レーダセンサは、自由空間レーダと呼ばれることもあり、空気のような誘電率の低い(εrの低い)媒体から誘電率の高い物質へのシフトに基づいて反射されたマイクロ波を放射します。

 ポンプ制御やレベルアラームなどのアプリケーションにおいて、Prosonic FMU30シリーズ 超音波レベルセンサは、飲料水や廃水、ペースト、粗いバルク材料などの流体の非接触レベル測定用に設計されています。非接触技術であるため、これらのセンサは最小限のメンテナンスしか必要としません。これらは材料の比誘電率や密度、周囲の湿度に影響されません。

 FMU30センサの測定範囲はセンサのサイズによって異なります。サイズは2種類あります。FMU30-AAHEAAGGFのような1.5インチセンサの測定範囲は、流体で5m、バルク材で2mであり、2インチセンサの測定範囲は、流体で8m、バルク材で3.5mです。

 FMU30センサの動作温度範囲は-20℃~+60℃です。ToFの原理を使って距離を測定します。しかし、音速(したがってToF)は温度によって変化します。FMU30超音波センサは温度センサを内蔵しており、温度変化を自動的に補正することで、正確で再現性の高い測定を実現します。

レーダレベルセンサ

 MicropilotのFMR10シリーズ レーダレベルセンサは、εrが4以上の材料で使用するように最適化されています。貯蔵タンク、開放型貯留池、ポンプシャフト、運河システム、および同様の用途でのレベル測定に適しています。気密封止(ハーメチックシール)された配線は、水の浸入を防ぎます(図3)。Bluetoothコネクティビティを備え、スマートフォンやタブレット端末を使った試運転を迅速に行うことができます。FMR10-AAQBMWDEWFE2の特長と仕様を以下に示します。

・周波数:Kバンド(約26GHz)
・測定範囲:最大12m
・精度:最大±5mm
・プロセス圧力:-1bar~3bar(-14psi~43psi)
・プロセス温度:-40℃~+60℃


図3:最大12mの範囲をカバーする気密封止レーダレベルセンサ。(画像提供:DigiKey)

静水圧レベル測定

 河川や湖沼、貯水池、給水塔、井戸における淡水の利用可能性を監視することは、効果的な水管理にとって重要です。このような用途で、水管理システムの設計者は、飲料水用途で認証されているFMX11静水圧プローブのような静水圧レベル測定装置を利用することができます(図4)。FMX11の特長と仕様を以下に示します。

・直径22mm(0.87インチ)の小型サイズで、ボーリング孔や小口径の静水井などの用途に適している
・動作温度範囲:-10℃~+70℃
・測定範囲はモデルにより0bar~2bar、20m H20、0psi~30psi、モデルFMX11-CA11FS10は0.6bar(8.7psi)まで測定可能
・精度:最大±0.35%
・飲料水の承認は、フランスのACS(Attestation De Conformite Sanitaire)、米国のNSF/ANSI 61、ドイツの2つの認証(Kunststoff-Trinkwasser(KTW)、Deutscher Verein des Gas und Wasserfaches(DVGW))など
・アナログ4~20mA通信


図4:このような静水圧センサは飲料水での使用が認可されています。(画像提供:DigiKey)

データ管理

 流量、温度、レベルなど、監視されるパラメータや使用される技術に関係なく、得られたデータはプロセス管理をサポートするフォーマットで取り込まれ、表示されなければなりません。システム設計者は、アナログまたはデジタルの入力信号を記録、表示、監視するユニバーサルデータマネージャであるEcograph T RSG35を利用することができます。さらに、測定値は安全に保存され、限界値を監視できます。

 標準バージョンはアナログデータ入力に対応していません。モデルによっては、最大3枚までオプションの入力カードを追加することができ、それぞれ4つのアナログユニバーサル入力を備え、合計4、8、12のアナログ入力が可能です。

 たとえば、モデルRSG35-C2Aは、8つのユニバーサルアナログ入力、Ethernet接続とインターネットアクセスを容易にするRJ45ジャック、周辺機器とデータ転送用のUSBコネクタを備えています。他のモデルと同様、RSG35-C2Aには6つのデジタル入力が搭載されています。

 Ecograph Tのデータマネージャにはウェブサーバが内蔵されており、リモートでの構成や視覚化が可能です。エッセンシャルバージョンのField Data Managerソフトウェアも付属しており、内部メモリや別のSDカードに保存されたセキュアなSQLデータベースにデータを保存し、分析に使用することができます。5.7インチTFTカラースクリーンで、測定値を4つのグループに分け、デジタル、棒グラフ、曲線表示によって表示することができます(図5)。その他の特長には以下が含まれます。

・全チャンネル100msのスキャンレート
・内蔵ナビゲータ(ジョグ/シャトルダイヤル)による操作、または内蔵ウェブサーバを使用したPCによるユーザーフレンドリーな操作
・アラームや制限超過が発生した場合、電子メールによる通知を送信可能
・Ethernet、RS232/485、USB、オプションのModbus RTU/TCP用スレーブ機能などのインターフェースをサポートし、産業用オートメーションシステムへの統合をスピードアップ
・WebDAVアプリは、ソフトウェアを追加することなく、SDカードに保存されたデータをHTTP経由で直接PCに転送することが可能


図5:このデータマネージャは、4つのパラメータの値を表示し、内蔵のウェブサーバを使ってデータを外部のコンピュータに送信することができます。(画像提供:DigiKey)

IO-Linkとスキッド

 IO-Linkは国際電気標準会議(IEC)61131-9で標準化されており、「小型センサおよびアクチュエータ用シングルドロップデジタル通信インターフェース(SDCI)」と呼ばれています。

 スキッド(フレーム内にモジュール化された処理システムで、運搬や設置が容易)は、食品・飲料加工、一般機械製造、ライフサイエンス用途でよく使用されます。典型的なスキッドには、流量センサ、オン/オフスイッチ、バルブ、圧力変換器、可変周波数ドライブ、ポンプなどのフィールドデバイスが50個弱含まれます。スキッドは、IO-Linkコネクティビティに依存することが多いです。

 スキッドには、ローカルインタラクション用のフラットパネルディスプレイのようなヒューマンマシンインターフェースが含まれることもあり、EtherNet/IPやPROFINETのような産業用Ethernetプロトコルを使用して、上位レベルのプラントオートメーションシステムに接続します。一般的なスキッドアーキテクチャには、次のものがあります(図6)。

・EtherNet/IPやPROFINET(緑線)などのプロトコルを使用する外部制御システム➊で各スキッドの専用コントローラを接続し、動作を調整。

・熱交換器のような補助作業では、Picomagマグフローセンサ➋のようなデバイスがIO-Link(赤線)を使用して追加のプロセスデータを提供し、効率と稼働時間を向上。

・IO-Linkマスター接続➌が個々のセンサやアクチュエータから情報を収集し、EtherNet/IPやPROFINETなどのプロトコルを使用してスキッドコントローラに送信。IO-Linkマスターは、スキッドコントローラからバルブやアクチュエータなどのデバイスにコマンドを通信することも可能。

・3線式IO-Linkコネクタを使用して接続できない4線式デバイス➍は、EtherNet/IPやPROFINETのようなフィールドレベルのプロトコルを使用してスキッドコントローラに直接接続。


図6:IO-Link(赤線)はスキッドの内部通信に使用され、EtherNet/IPまたはPROFINET(緑線)は内部通信と外部コネクティビティの両方に使用されます。(画像提供:Endress+Hauser)

まとめ

 水の量や動きを監視・測定することは、さまざまな用途で重要です。幸いなことに、水管理システムの設計者は、マグフローメータ、超音波およびレーダベースのレベルセンサ、静水圧レベルセンサ、データマネージャなど、いくつかのツールを自由に使うことができます。これらのデバイスは、IO-Linkコネクティビティとともに、食品・飲料加工などのアプリケーション用のモジュラースキッドの構築によく使用されます。



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