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USBベースのデータ収集システムで電気機械テストを簡素化

著者 Art Pini 氏
DigiKeyの北米担当編集者の提供
2024-11-08

マルツ掲載日:2025-03-17



 電気機械システムは、製造、航空宇宙、自動車、医療、ロボット工学などの用途におけるモータ、コンプレッサ、ポンプ、センサ、アクチュエータ、制御電子機器などの装置のために、電気的および機械的コンポーネントを組み合わせたものです。これらの装置は、適切な動作を確保するために電気的/機械的にテストされ、モニタリングされなければなりません。

 正確で信頼性の高いデータを提供するには、必要な機器がテスト対象のデバイス、テスト方法、手順に対応している必要があります。テスト機器は、これらのデバイスの測定や制御をするために、複数のアナログとデジタルの入出力(I/O)チャンネルを処理できなければなりません。

 また、カウンタ/タイマや電源などの基本的な測定機器も必要です。テスト機器は、統合ソフトウェアと連動して、測定、リアルタイム表示、詳細なレポートを提供できなければなりません。

 これらのテストを実施するために必要なハードウェアとソフトウェアを選択し、統合するには、時間とコストがかかる場合があります。設計者を支援するために、最新のテクノロジーと幅広いソフトウェアテストツールを組み合わせたモジュール式のUSBデータ収集装置が開発されました。この装置は、最も複雑な電気機械システムを検証するために使用されます。

 この記事では、電気機械デバイスをテストする設計者が直面する課題について説明します。次に、NIのmioDAQ計測器を紹介し、標準的な電気機械テストを簡素化して開発と展開を加速する方法について説明します。

電気機械試験

 2つの軸受ブロックの間に吊り下げられた負荷に接続されたテスト用固定具にモータを取り付けた、シンプルなモータ試験装置を考えてみましょう(図1)。この装置は、モータコントローラによって制御され、モータコントローラは電気電圧に基づいてモータの速度を制御します。この構成では、モータの回転速度を測定するために光学式タコメータが使用され、内側の軸受ブロックのX、Y、Z方向の機械的振動を測定するために3つの加速度計が使用されます。


図1:モータ振動試験装置は、モータの回転速度を測定する光学式タコメータと、内側の軸受ブロックの直交する3軸に沿ってモータ関連の振動を測定する加速度計を使用します。(画像提供:NI)

 この試験装置の目的は、ピーク振動レベルとそれが発生する回転速度を特定することです。手順としては、振動レベルをモニタしながらモータ速度を直線的に変化させ、両方を記録します。

 このテストを実施するには、さまざまな機器が必要です。まず、3つの加速度計出力をモニタし記録するために、アナログ測定チャンネルが必要です。もう1つのアナログチャンネルは、モータの回転速度を測定するためにタコメータをモニタしなければなりません。

 モータの速度を制御するには、アナログ出力電圧が必要です。デジタル信号出力は、モーターコントローラを駆動してモータのオン/オフを切り替えます。もう1つのデジタル信号出力は、モータの回転方向を選択するために使用できます。

 したがって、最もシンプルな場合、このモータのテストには、最低でも4つのアナログ入力、1つのアナログ出力、2つのデジタル出力が必要です。より複雑なテストでは、振動センサ、熱電対などの温度センサ、圧力トランスデューサなどが追加されることもあります。

データ収集システム

 電気機械試験には、計測と制御用のDAQデバイス、コンピュータ、サポートソフトウェアで構成されるデータ収集システム(DAQ)が必要です。NI mioDAQ USBデータ収集ハードウェアは、NI USB-6400シリーズでこのニーズを満たします。このシリーズには、4つのUSB DAQデバイスが用意されています(図2)。


図2:mioDAQ USB-6400シリーズの4つのデバイスの特性をまとめたものです。(画像提供:NI)

 mioDAQシリーズでは、テストエンジニアはDAQデバイスの構成について以下の4つの選択肢があります。

・フルスケール入力が±10Vで、16ビットまたは20ビットの振幅分解能
・250kS/sまたは1MS/sのサンプリングレート
・16/32のシングルエンド(SE)または8/16の差動(DI)の入力チャンネル
・制御、シミュレーション、信号生成用に±10V範囲で2または4の出力チャンネル

 すべてのモデルは、USB-Cポート経由で制御と電源供給が行われ、16本のデジタルI/Oラインと4つの32ビットカウンタ/タイマを搭載しています。また、サンプルクロック、トリガライン、カウンタ/タイマを含むすべてのデジタル回路を駆動する、100MHzのオンボードタイムベースを使用しています。

 各チャンネルタイプには、オンボードタイムベースに基づく個別のタイミングエンジンが搭載されています。アナログ入力や出力チャンネルとデジタルI/Oラインのタイミングは、異なるレートに設定できます。

 NI mioDAQ USBデバイスには、制御ソフトウェアを介した自己較正機能も搭載されています。この制御ソフトウェアは自己較正を開始し、多変数較正方程式を使用して環境や系統的な変動を補正することで、目立った処理遅延なしに迅速な較正を行います。その結果として得られたデータは、オンボードEEPROMに保存されます。

 mioDAQデバイスのもう1つの特徴は、テストベンチにインテリジェンスを追加するスマートIDピンです。スマートIDピンは、ユーザーが用意する1線式EEPROMと通信し、テスト対象デバイス(DUT)の情報を読み取り、ケーブルが正しいポートに差し込まれていることを確認します。このピンにより、テストベンチでの時間の節約とエラーの低減を実現できます。

 特定のデータ収集デバイスには4つのモデルがあります。最も経済的なデバイスは、USB-6421(789887-01)です。これは、最大250kS/sでサンプリングされる単一の多重化A/Dコンバータ(ADC)を使用して、16個のSEチャンネルまたは8個のDIチャンネルを提供し、デュアルのアナログ出力チャンネルを含んでいます。

 USB-6423(789882-01)は、多重化チャンネル数を32個のSEまたは16個のDIに倍増し、アナログ出力機能を4チャンネルに増やします。

 USB-6451(789888-01)は、ADCの数を8個に増やします。また、AC分解能は20ビットに、最大サンプリングレートは1MS/sに向上しています。同時サンプリングで8チャンネル、多重化モードで最大16チャンネルを提供します。

 USB-6453(789884-01)は、最も優れた機能を提供します。20ビット、1MS/s ADCの数を16個に倍増し、最大チャンネル数を同時サンプリングで16個、多重化サンプリングモードで32個に増やします。

 4つのモデルはすべて、幅177mm、高さ30.4mm、奥行き116.7mmのエンクロージャに収められています(図3)。


図3:USB-6400シリーズのUSB-6453の全体図(左)と、前面パネル(右側上)、背面パネル(右側下)を示しています。(画像提供:NI)

 前面パネルからは、すべてのアナログ/デジタル信号にアクセスできます。接続には、2つの36ポジションの前面取り付けスプリング端子コネクタを使用し、このコネクタは#26AWGから#16AWGのワイヤに対応します。スプリング端子コネクタ用のバックシェルが、ストレインリリーフ用に提供されています。熱電対測定用に、冷接点補償(CJC)が組み込まれています。

 mioDAQデバイスパッケージには、背面と側面にジップタイ取り付け穴、背面にUSB固定ネジが装備されており、ケーブルを素早く固定し、機器を統合することができます。オプションの取り付けキットを使用すると、デバイスを19インチラックまたはDINレールに水平または垂直方向に固定することができます。

 mioDAQはQRコードを使用しているため、ドキュメントを紛失する心配もありません。ユーザーはモジュール背面のQRコードをスキャンすることで、ユーザーマニュアル、仕様、ピン配列、制御および分析ソフトウェアやドライバのダウンロードリンクに素早くアクセスすることができます。

チャンネル仕様

 最大32個のアナログ入力チャンネルを利用可能で、最大フルスケール範囲は-10V~+10V、分解能は16ビットまたは20ビット、最大サンプリングレートは250kS/sまたは1MS/sです(モデルにより異なります)。低レンジの-0.2V~+0.2V、-1V~+1V、-5V~+5Vは、入力信号を入力レンジに合わせ、ダイナミックレンジを最適化することができます。

 アナログ出力は-10Vから+10Vの電圧範囲を持ち、クロック速度はチャンネルあたり200kS/sです。非周期的または周期的な波形を作成してアナログ制御信号を生成したり、センサをシミュレートしたりすることができます。

 デジタルI/Oラインは、入力または出力として個別に設定することができます。5V、3.3V、または2.5Vの論理電圧閾値でプログラム可能であり、外部クロックやトリガ信号をデバイスにルーティングしたり、内部カウンタ/タイマを駆動したりすることができます。

DAQソフトウェア

 mioDAQデバイスは、NIのLabVIEW、LabVIEW+、Python、NIのロギングソフトウェアであるFlexLoggerなど、複数のソフトウェアパッケージで制御できます。NIのNI-DAQmxドライバは、C/C++、C#、VB 6.0、VB.NETでのカスタムプログラミングをサポートしており、DAQ操作用のプログラミング例やライブラリ関数も含まれています。

 FlexLoggerは、テストエンジニアがDAQデバイスからテストデータを制御、表示、保存できるコード不要のソフトウェアパッケージです。測定値にリミットを設定し、アラームで範囲外の状態を警告するとともに、内蔵の処理ツールでテストデータの詳しい分析を可能にします。FlexLogger Liteは無料で、NI DAQハードウェアの手動データロギングと基本操作を目的としています。USB-6421のチャンネル設定の例を示します(図4)。


図4:USB-6421のチャンネル設定のFlexLogger Liteビューを示します。アナログ入力、アナログ出力、デジタルI/O設定を含みます。(画像提供:Art Pini)

 アナログ入力チャンネルは、3軸の振動データと圧力、温度、騒音レベルの測定値を読み取るように構成されています。各入力は、測定に適した単位で信号を読み取るようにスケーリングされます。アナログ出力は5Vと3.3Vの電源レベルを生成し、デジタルI/Oは2つのデジタル入力を読み取るように設定されています。

 FlexLoggerは、自動テストと拡張データ分析を目的とした、より機能豊富なプログラムです。グラフ、数値インジケータ、メータを追加することで、ユーザーインターフェースの視覚化ツールをカスタマイズできます。図5は、モータテストのデータです(挿入画像を参照)。


図5:モータテスト結果のFlexLoggerビューを示しています。(画像提供:NI)

 3つの加速度計とタコメータからの波形が上部のグリッドに表示されています。加速度データは、時間に対する振動レベルをg単位で表したものです。タコメータの読み取り値は、1分間あたりの回転数(RPM)で表され、右下隅のダイヤルゲージに表示されています。振動データに高速フーリエ変換(利用可能な信号処理ツールの1つ)を適用すると、下部のグラフに振動レベル(振幅)と周波数の関係が表示されます。

まとめ

 NI mioDAQデバイスは、最新の測定技術と使いやすさを兼ね備えています。テストエンジニアは、NIのFlexLoggerのようなプログラミング不要のソフトウェアや、NIのLabVIEWのような受賞歴のあるシステムソフトウェアとともにmioDAQコンポーネントを使用することで、より高度なテスト要件に対応する洗練された電気機械テストシステムを構築できます。




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