メルマガ

【問11】一番多い基板の誘電体 FR-4の比誘電率は?

一番多い基板の誘電体FR-4の比誘電率は?
~米国電機工業会が指定するガラス繊維強化エポキシ
 積層材料~

[原著] EMC Question of the Week 2017-2020
[著] Todd Hubing (LearnEMC社代表,米クレムソン大学名誉教授)
[訳] 藤尾 昇平
[企画・制作] ZEPエンジニアリング
 
 
 
問11 [レベル:基本]
多くのプリント基板の誘電体 FR-4の比誘電率はどのくらいでしょうか?

 (a) 約1
 (b) 1~3
 (c) 4~5
 (d) 5以上
 
 
 
  ●即答

 正解は(c)です.
 誘電体 FR-4の比誘電率は,一般に4~5です(1).FR-4はエポキシのバインダとファイバ・ガラス・クロスを混ぜ合わせた素材です.FRは,難燃性(Frame Retardant)であることを意味します.

 FR-4は特定のガラス繊維強化エポキシ積層材料を意味し,1968年に米国電気工業会(National Electrical Manufacturers Association:NEMA)が指定しています(2)

図1 一番多い基板の誘電体 FR-4の比誘電率は4~5

訳注
(1)ノイズの原因である共振の周波数は,基板の比誘電率(波長に影響する)や配線の物理的なサイズで決まる
(2)https://detail-infomation.com/circuit-board-fr-grade/に下記の記述がある。
「FRグレード(難燃性)は米国のNEMA協会(米国電気工業会)によって規定されています.また,ANSIではこのFRグレードに基づいてさらに上位規格を規定しています.日本の規格であるJIS規格にもFRグレードに相当するものがありますが,NEMA協会が定めた規格の方が一般的に使用されます.」


 
 本稿は,2017年3月17日~2020年末の約3年間にわたり,米クレムソン大学名誉教授Todd Hubing氏が「今週のEMC問題」と題して,自社Webサイトに掲載した記事の翻訳です.本質的かつ実用的な問題が多く,世界中の回路基板設計者に愛読されています.
 高速化するディジタル・システムの電磁両立性(EMC,Electro-Magnetic Compatibility)をいかに実現するかは,技術者の本質的なテーマであり,多くの現場でカット・アンド・トライによる対策が行われ続けています.
 本メルマガでは,基本的ものから高度なものまで,マクスウェルの理論に基づいて,EMCの正しい対策を確信的に示します.なお本連載は,書籍化を予定しています.

 お問合せフォーム | お問合せダイヤル:03-6803-0209 (9:00~12:00,13:00~7:00 日曜定休

マルツエレック株式会社
Copyright(C) Marutsuelec Co.,Ltd. All Rights Reserved.

ページトップへ