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【問19】接地による安全の確保 ~接地の意義と二重絶縁の意味~

接地による安全の確保
~接地の意義と二重絶縁の意味~
[原著] EMC Question of the Week 2017-2020
[著] Todd Hubing (LearnEMC社代表,米クレムソン大学名誉教授)
[訳] 櫻井 秋久
[企画・制作] ZEPエンジニアリング
 
 
 
問19 [レベル:基本]
接地に関する次の説明のうち,正しいのはどれでしょうか?

 (a) すべての電流は最終的に接地を通して大地に流れる
 (b) 安全上の理由から,すべての電子システムには接地が必要
 (c) 建物の配電盤のグラウンド導体は大地に接地される
 (d) 上記のすべて
 
 
 
  ●即答
 正解は(c)です.

 配電システムのグラウンド導体は,建物の周囲の大地に電気的に接続されています.通常,住宅の建物への電力引き込み口付近にあるブレーカ・ボックス内で,建物のグラウンドが,地中に打ち込まれた金属棒と接続されています.同様に,金属製の配管もブレーカ・ボックス内で大地に接続されています(図1).他の選択(a)(b)(d)は正しくありません.

 電流は最終的にその送出源に戻ります.電流が大地から取り出されたものでない限り,その電流が大地に向かって流れ込むことはありません.

 安全上の理由から接地を行う電子システムは多いですが,同時に接地を行わないものも数多くあります.特に,2重絶縁製品や低電圧システムでは,接地が行われることはほとんどありません.

図1 建物のグラウンドと金属配管はブレーカ・ボックス内で大地と接続する

  ●訳注
(1)機器が故障すると,その筐体表面に交流電源電圧が表れる.筐体を接地しておけば,人体を経由する経路より抵抗値の小さい閉路が形成されるため,故障した機器の筐体に触れたときに人体に流れる電流が小さくなり,感電の危険性がなくなる.漏電ブレーカ(ブレーカ・ボックス)は,接地を通して電流が流れると作動する
 


 
 本稿は,2017年3月17日~2020年末の約3年間にわたり,米クレムソン大学名誉教授Todd Hubing氏が「今週のEMC問題」と題して,自社Webサイトに掲載した記事の翻訳です.本質的かつ実用的な問題が多く,世界中の回路基板設計者に愛読されています.
 高速化するディジタル・システムの電磁両立性(EMC,Electro-Magnetic Compatibility)をいかに実現するかは,技術者の本質的なテーマであり,多くの現場でカット・アンド・トライによる対策が行われ続けています.
 本メルマガでは,基本的ものから高度なものまで,マクスウェルの理論に基づいて,EMCの正しい対策を確信的に示します.なお本連載は,書籍化を予定しています.

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