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【問23】タンタルと積層セラミックのデカップリングでの使い分け ~低い周波数ではタンタル~

タンタルと積層セラミックのデカップリングでの使い分け
~低い周波数ではタンタル~
[原著] EMC Question of the Week 2017-2020
[著] Todd Hubing (LearnEMC社代表,米クレムソン大学名誉教授)
[訳] 櫻井 秋久
[企画・制作] ZEPエンジニアリング
 
 
 
問23 [レベル:基本]
低周波~中周波のプリント基板のデカップリング用に,タンタル・キャパシタのほうがセラミック・キャパシタのほうがよく使われる理由はなんでしょうか?
 (a) インダクタンスが低い
 (b) \(ESR\) (Equivalent Series Resitance)が小さい
 (c) 信頼性が高い
 (d) 体積当たり静電容量が大きい
 
 
 
  ●即答
 正解は(d)です.

 タンタル・キャパシタは,アノード(陽極)にタンタル金属を使う特殊な電解キャパシタです.セラミック・キャパシタと比べたときの最大の利点は,同じパッケージ・サイズに対してはるかに高い静電容量をもつことです.

 静電容量が大きいほど,低~中程度の周波数(たとえば約10MHz未満)のデカップリングに効果的です.この周波数では,電源バスのデカップリング・インピーダンスが主に静電容量の大きさによって決まるからです.

 積層セラミック・キャパシタ (MLCC;Multi-Layer Ceramic Capacitor) は、デカップリング性能が主としてキャパシタの接続インダクタンスにより制限を受ける周波数において優位になります.通常,MLCCのパッケージはとても小型であり,接続インダクタンスは極めて小さくなります.また,等価直列抵抗(\(ESR:\) Equivalent Series Resistance)も小さいです.

 信頼性の問題は,タンタル・キャパシタとMLCCの両方が抱えています.一般にデカップリング用途において,タンタルがMLCCに対して信頼性上優位にあるとは言えません.

   図1 低周波のデカップリングには,セラミックより
タンタルが利用されることが多い
 
 
   


 
 本稿は,2017年3月17日~2020年末の約3年間にわたり,米クレムソン大学名誉教授Todd Hubing氏が「今週のEMC問題」と題して,自社Webサイトに掲載した記事の翻訳です.本質的かつ実用的な問題が多く,世界中の回路基板設計者に愛読されています.
 高速化するディジタル・システムの電磁両立性(EMC,Electro-Magnetic Compatibility)をいかに実現するかは,技術者の本質的なテーマであり,多くの現場でカット・アンド・トライによる対策が行われ続けています.
 本メルマガでは,基本的ものから高度なものまで,マクスウェルの理論に基づいて,EMCの正しい対策を確信的に示します.なお本連載は,書籍化を予定しています.

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