電源回路
マイコンボードや自作のデジタル機器に外部から正確な電圧の直流を供給する
オーディオなどアナログ機器に外部から正確な電圧でローノイズな直流を供給する
機器に外部から直流を供給し機器内部で電圧調整やリップルのフィルタリングを行う
トランス式 AC アダプター
(非安定化/ローノイズを望む場合)
※三端子レギュレーターIC は出力電圧+1.5V 程度以上高い電源電圧(入力電圧)が必要です。
また、トランス式の非安定化 AC アダプターの出力電圧は負荷電流が増えると下がります。
このため、上記二つの組み合わせではレギュレーターの出力電圧より AC アダプターの出力電圧(規格値)を
余裕を見て大きく取る必要があります。
(ただし、あまり大きくし過ぎると損失が増えレギュレーターの発熱が大きくなります。)
組み合わせの例)
(5V 出力の三端子レギュレーター)+(9V 出力の AC アダプター)
(12V 出力の三端子レギュレーター)+(15V 出力の AC アダプター)
三端子レギュレーターの入力電圧(電源電圧)を小さくしたい
※LDO 型レギュレーターIC は三端子レギュレーターIC の一種で内部の回路を工夫することにより一般型よりも低い入力電圧(電源電圧)で使用可能です。出力電圧+0.5V 以下の電圧で動くものもあります。
三端子レギュレーターの入力-GND 間、出力-GND間にはコンデンサーをつなぐ必要がありますがオプションではなく必須です。
LDO は条件が厳しく規定の大きさの出力コンデンサーをつながないと発振します。
ACアダプターを使って±電源の OP アンプや高電圧のセンサーを動かしたい
絶縁型 DC-DC コンバーターモジュール(オンボード型スイッチング電源)
※絶縁型 DC-DC コンバーターモジュールは基板上に実装できるスイッチング電源モジュールです。
入力をつなぐだけで出力が出てきます。三端子レギュレーター等と異なり入力電圧より高い電圧や負の電圧も出力できます。
入力と出力はグラウンドも含めて完全に独立しているためフローティング電源としても使用できます。
(単一出力の+側をグラウンドにつないで-出力の電源として使うこともできます。)
同じスイッチング電源でもスイッチング型 AC アダプターはノイズが大きいものが普通ですが、絶縁型 DC-DC コンバーターモジュールのローノイズ型と称するものは OP アンプの電源などアナログ回路にも使用できます。
簡易的な方法で負電圧や高電圧を発生させたい
※チャージポンプ IC は入力電圧を倍または極性反転させて出力します。
数個の抵抗を外付けすることで難しい回路設計や調整無しに動作します。
昔から RS-232C ドライバー用の負電源など簡易型の電源に使用されてきました。
出力電圧は入力電圧に依存しレギュレーターの機能はありません。(最近の製品にはレギュレーター機能付きもあります。)
HT77xx は比較的新しい昇圧型のスイッチングレギュレーターIC です。ディスクリートのトランジスタと同じ 3P のパッケージ入りで容易に使うことができます。
AC100V から機器の電源を供給する
スイッチング電源(ユニットタイプ)
- 【RMC15A1】コーセル 入力電圧:AC85V~132V/DC90V~170V・出力電圧:5V2A,12V0.3A,-12V0.2A
- 【RMC15A2】コーセル 入力電圧:AC85V~132V/DC90V~170V・出力電圧:5V2A,15V0.2A,-15V0.2A
- 【PBA50F24N】コーセル 入力電圧:AC85~264V/DC120~370V・出力電圧:24V2.2A
※ユニットタイプスイッチング電源/基板タイプスイッチング電源はスイッチング式 AC アダプターの中身とほぼ同等です。
単一電圧出力が一般的な AC アダプターと異なり一台で電圧の異なる複数の出力系統を持つ物もあります。
構造的に回路の露出部分が多くカバー付きのユニットタイプでも入力には AC100V の配線をつなぐので安全には十分な配慮が必要です。
トランスを使う電源回路
電源トランス
- 【HT243】 TOYOZUMI
・1 次側電圧:100-110V
・2 次側電圧:6-12-15-20-24V(3A)
- 【PK09100】 菅野電機研究所
・1 次側電圧:0-100V
・2 次側電圧:0-4.5-7-9V(1A)(基板取付け)
- 【HT241】 TOYOZUMI
・1 次側電圧:100-110V
・2 次側電圧:6-12-15-20-24V(1A)
※AC ライン用の電源トランスとダイオードによる整流回路を使用した直流電源回路は教科書にも載っている基本回路です。
しかし、近年ではパソコンやテレビ、携帯電話の充電器など民生用の機器はほとんどがスイッチング電源を採用しておりトランス式の電源は少なくなりました。
スイッチングノイズを嫌う無線機やオーディオなどの用途に使われています。出力電圧を特定の値に保つためにはこの後にレギュレーター回路を追加します。(三端子レギュレーターが代表的です。)
実験用の汎用電源が欲しい
※実験室で見かけるタイプの電源装置でパネルに電圧計や電流計を備え出力を監視しながら調整できるようになっています。
通常は出力電圧を 0V から可変できるようになっています。出力短絡時の保護も万全で短絡電流の大きさを設定できるものもあります。実験ではノイズを嫌うことも多く、かつ電源の大きさや重さは優先度が低いのでトランス式のものもまだまだあります。
アマチュア無線のトランシーバー用の電源が欲しい
※実験用の安定化電源に似ていますが出力電圧が無線機の電圧範囲になっていることやモービル機用にシガーライターソケットを搭載するなど通信機用に特化されています。
電源のスイッチングノイズを嫌うのでリニア式(トランス式)を採用しています。(実験用の可変安定化電源を流用することもあります。)

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