LED基本ガイド

1.LEDの基本

発光ダイオード(Light Emitting Diode 以下、LEDと呼ぶ)は身近な表示素子で、赤色、青色 などの 発光色があり、形状も丸型、角型、7SEG-LEDなどさまざまです。
LEDを光らせるためには「電流」を流せば良いわけですが、あらためて基本的なことを解説 します

表1 主なΦ5のLED


LEDの基本回路

図1 a ) にLEDを点灯させる基本回路を示します。
LEDには2つの極性があり、
 アノード → A と表記
 カソード → K と表記
ダイオードと同じようにLEDも電流が流れる極性があり、図1 a ) のようにアノードに電源のプラス側を接続すれば電流が流れて点灯します。
これとは逆に図1 b ) の接続ではLEDに電流が流れず、点灯しません。 このようにLEDは電流が流れることにより点灯(発光)します。 言い方を変えれば、点灯させるためには「アノード(A)を正の極性、カソード(K)を負の極性」 となる電圧(電流)を印加すればよく、これを「順方向」と言い、図1 b ) の接続を 「逆方向(電圧)」と言います。
なお、抵抗Rは流れる電流を制限するためのもので「電流制限抵抗」と呼ばれます。

LEDの基本回路

図2は「やってはいけない回路」です。
図2 a ) は電流制限抵抗がありませんので、LEDに過大電流が流れるためLEDの破壊に つながります。 図2 b ) は電源に交流電源を用いた場合です。 LEDもダイオードと同じように図1 b ) のような接続では電流は流れませんが、流れない電圧方向 (これを逆電圧と言います)での絶対最大定格値が低いので、図2 b ) のような 交流電圧では逆電圧が印加されますから、これも素子破壊につながります。 (一般的にLEDの逆電圧の最大定格値は3V~5V程度)
このような場合、なんらかのLED保護回路が必要です。

やってはいけない回路

LEDの特性

LEDの特性を図3に示します。
順方向で電圧を印加すると「ある電圧以上」から電流が流れはじめ、これを順電流(記号ではIF)と言い、 点灯する明るさは電流に比例します。 この時の「アノード・カソード間電圧」を順電圧VFと言い、 電流値が大きくなるほどVFの値も大きくなります。
この説明では「電圧(VF)を印加した結果の電流(IF)」としましたが、 「電流が流れた結果の電圧」 とも言えます。
逆方向の場合は、電流はほとんど流れませんが、「ある値以上の逆電圧」で急激に逆方向 の電流が流れはじめ、素子を破壊する恐れがあります。 この逆方向電圧は最大定格としてLEDのデータシートに 掲載されています。 一般的には3V~ 5V程度で、逆方向電圧が印加される場合に注意が必要です。 また、順方向電流IFも最大定格項目の1つで、これも「絶対に超えてはいけない値」です。 表1に主なΦ5 LEDの規格を示します。
順電圧VFは規定の順電流(例えば、10mA、20mA)が流れた場合の値です。 表1は標準(typ)値で、順電圧は発光色、型番により異なります。
緑色などはVFが2.2V、3.7Vとかなり異なるものがありますので、「緑色は約2V」などと思い込ま ないで、 データシートでの確認が必要です。

LEDの特性

電流制限抵抗の求め方

図4のように、この回路は 電源 E に抵抗 R およびLEDが直列接続されていますから、 LEDに流れる電流も抵抗に流れる電流も同じです。 電流 IF は抵抗の両端電圧を抵抗値で割ればよいので(オームの法則、I = V|R) この両端電圧は電源 E から VF を引いたものですから、 抵抗両端電圧 = E - VF
電流 IF はこの両端電圧を抵抗で割ったものですから、

①を変形して

電流制限抵抗

必要な電源電圧

LEDは順方向電圧VFを印加することにより電流が流れることになりますが、「電流を流した 結果の電圧(VF)」 であるとも言えます。 十分な明るさで点灯する条件は図5 a ) のように
E > VF であり、かつ、抵抗両端電圧が確保できる値
です。例えば、図5 b ) のように十分に明るい時のVFの値が2.0VとなるLEDでは、電源電圧が1.5Vでは電流を流すことができません。 したがってこの場合、電源電圧は2V以上が必要な条件で、電源に1.5Vの乾電池を用いるとすれば2本を直列接続します。

十分な明るさになるための電源電圧

設計例

LEDが1個の場合

LEDを点灯するための電流値に決まりはありません。
一般的には1mA~10mA程度になりますが、近年は「高輝度タイプ」が増えてきましたので、 用途によっては1mAくらいで十分明るいものがあります。
つまり、同じ電流値でも用いるLEDにより輝度が異なり、 用いるLEDで十分な明るさとなるような電流値にすれば良いわけです。

この例ではLinkmanの「BL503V2CA3B01」(Φ5 赤)を用いて5mA流れるようにしてみます。
BL503V2CA3B01

データシートのVF値は規定の電流値20mAでの値ですが、5mA時のVF値が不明です。 ただし、LEDにはVF値のバラツキもありますので単純な表示用途ではVF値に神経質になる必要はなく、この例では20mA時のVF値(1.8V)で計算します。 計算結果は図6のように240Ωとなり、用いる抵抗はカーボン抵抗(抵抗誤差±5%)です。

LEDが1個の場合 仮のVF値で計算する

各部の電流、電圧確認は図8のように行います。
デジタルテスタの「DCVファンクション」(直流電圧測定)で抵抗両端電圧を 測定し、これを 電流値に換算します。
この換算結果はカーボン抵抗の抵抗誤差(±5%)を含みますが大抵の用途ではこの方法で 良いと思います。 これにより回路を切断することなく、手早く確認出来ます。 VF値は電源電圧から抵抗両端電圧を引いた値です。

電流、電圧値の確認

電流は抵抗の両端電圧を測定して電圧値に換算する。 例えば、両端電圧が「1.169V」であったとすれば、流れている電流IFは
 IF = 1.169V / 240Ω ≒ 4.87mA
ただし、この結果には抵抗誤差(±5%)を含んでいる。 順電圧VFは電源Eの値が正確な3Vであればこの結果から、 VF = 3V - 1.169V = 1.831V としても良い。
点灯確認には「ブレッドボード」を用いると便利です。 参考として確認風景を写真1に、使用部品、機材を表2に示します。
 表2


LEDの極性は「リードの長いほうがアノードA」です。 電池スナップは「ブレッドボード用」を用いると接続に便利で、また、テスタのテストリード に 「クリップアダプタ」を用いています。

確認風景

(計算結果が半端な場合)
図6では抵抗値計算結果が240Ωとなりましたが、必ずしも「きっちりとした値」とならず、 数値が半端な場合があります。
例えば、図9の場合、計算結果が1440Ωとなりました。

計算結果が半端な場合

ところで、1440Ω(1.44KΩ)の抵抗は市販されていません。 このような場合、計算結果が市販されている抵抗値に近いものを用います。
LEDの電流制限抵抗は一般的にカーボン抵抗(誤差±5%)が用いられ、表3 のようなs 抵抗値になります。
数値は1.0~9.1までの24個(種類)で、例えば、
 E >1.2 → 1.2Ω 12Ω 120Ω 1.2KΩ 12KΩ 120KΩ
 E >1.5 → 1.5Ω 15Ω 150Ω 1.5KΩ 15KΩ 150KΩ
のようになり、このような数列を「E24系列」と言います。 図9の計算結果は1440Ω(1.44KΩ)ですから、この場合、1.3KΩまたは 1.5KΩのカーボン抵抗を用います。
表3 E24系列

LEDが直列の場合

図10はLEDを2個直列接続し、制限抵抗が1本の場合です。 この例では電源Eと各部の関係が、
 E < VR + (2×VF)
ですからLEDに電流を流すことが出来ず点灯しません。

電源電圧が不足



E<VR+(2×VF)
なので電流(IF)を流すことができない

このようにLED直列接続では電源電圧に注意が必要で図11のように電源電圧を4.5V以上にします。 発光色「青」などはVF値が3V以上ですからLED直列接続では特に電源電圧に注意が必要です。

この関係であればLED点灯

図12に直列接続時の電流制限抵抗値の求め方を示します。
各LEDに「赤」、「青」などを混在してもかまいませんが、直列接続ですから各LEDに流れる電流値は同じです。

LEDが直列の場合

図13に計算例を示します。
計算結果は480Ωになりますが、E24系列の中から470Ωのカーボン抵抗を用います。

LEDが直列の場合

接続の注意点

やってはいけない接続

図14は「やってはいけない接続(回路)」です。
複数のLEDを並列接続し、電流制限抵抗は各LEDに共通の1本です。 LEDは同じ型番でも特性(VF)にバラツキがあるので、各LEDに流れる電流が同じになるとは限りません。
LEDは流れる電流値により明るさが変わりますから、電流値が異なると複数のLED接続では明るさにバラツキが出ます。 したがって、この接続は不可です。


LEDが並列で抵抗が1本



LEDのバラツキで
IF1=IF2
とならない
これによりバラツキが出る

この接続は不可


表4は同じ型番のLEDを1mA流した場合のVF値を測定した結果で、最大値が1.94V、最小値 は1.711Vです。
表4 順方向電圧VF 実測値 IF = 1mA時 (赤LED サンプル数50)


図15に実験結果を示します。
LED1にVFが「1.711V」のもの、LED2に「1.94V」のものを用い各LED に1mA(つまり、Rには2mA)流すつもりの回路ですが実際には
 LED1 → 1.80mA
 LED2 → 0.23mA
電流値がかなり異なり、LED1は「明るく」、LED2は「かなり暗い」結果です。

各LEDに1mA流すつもりの実験



IF1=IF2-1mAとなるはずが
IF1=1.80mA
IF2=0.23mA
大きな電流差となり明るさが異なる

並列接続時は電源電圧を高くしたほうが明るさのバラツキが少なくなる

図16は同じLEDを複数接続する例です。
電流制限抵抗はそれぞれ用意(R1,R2)しますが、電源電圧が低いと明るさにバラツキが生じる可能性があります。

LEDの並列つなぎは電圧を高くするほうが良い



同じ色のLED並列接続時は電源電圧を高くするほど
各LEDに流れる電流誤差が少なくなる
これによりLEDの明るさのバラツキが少なくなる


図17は各電源電圧においてLEDに約1mA流した実験結果です。
R1,R2を同じ値にしますが、抵抗値誤差がありますので、実際の測定は抵抗値誤差を排除する目的で同じ抵抗器を用いています。 各電圧時における各LEDの電流を測定し、その比率をパーセントで表します。
 電源電圧 3V → 80.7%
 電源電圧 5V → 92.1%
 電源電圧 9V → 96.1%
 電源電圧 12V → 97.3%
電源電圧が高いほどLED間の電流誤差が少なくなることが分かります。

各電圧による電流の実験結果

このように電源電圧により各LEDへの電流誤差が発生しますが、電流誤差を少なくする ために必要な電源電圧の目安は図18のようにします。
電流制限抵抗の両端電圧(VR)がLEDのVF値以上となるようにし、この例では3.6V以上 となります。 ただし、この方法は「あくまでも目安」ですので、実際の確認が必要です。

最低電源電圧の目安



例えば、VF=1.8VのLEDであれば
 VR=VF=1.8V
必要な電源電圧Eは
 E=VR+VF=1.8V+1.8V=3.6V
乾電池動作(1.5V)とすれば3個直列にして4.5V動作にする

LED選択のための基本用語

LEDの基本用語

LEDは必ず電流制限抵抗と直列にして使います

LEDは必ず電流制限抵抗と直列にして使います。他にも方法はありますが何らかの方法で電流制限をかけないと短絡状態となりLEDおよび電源を破損します。また、複数使いの場合は電流制限抵抗1本+LED複数本の直列が基本で、並列使用の場合は(LED+電流制限抵抗)×複数本を並列にします。
 ◎電流制限抵抗の値:

電流制限抵抗の値

 ◎電流制限抵抗の電力損失:

電流制限抵抗の電力損失

※PRが熱となります。許容損失がPRの2~3倍以上の抵抗器を使用して下さい。

 ◎LEDの電力損失:

LEDの電力損失

※一部は光となりますがかなりの割合が熱となるので他の半導体同様に放熱に注意します。

当然ながらV>VFの必要があります。VFにはバラつきと温度変化があるのでIFを安定に保つにはVを充分に大きくする必要があります。電流制限抵抗の代わりに定電流ダイオードを使う方法もあり、電流が一定なので明るさが一定になります。
電流制限に抵抗や定電流ダイオードを使うと電圧降下分が電力損失になりますが、スイッチング式の点灯回路を使うと省電力化できます。

LEDの明るさは何で決まるか?

電球や蛍光灯はW(ワット)数が大きいほど明るく光ります。同じ種類のランプ同士の比較で、30Wの蛍光灯が40Wの蛍光灯より明るいということは無いでしょう。
電球や蛍光灯はW(ワット)数が大きいほど明るく光ります。同じ種類のランプ同士の比較で、30Wの蛍光灯が40Wの蛍光灯より明るいということは無いでしょう。
LEDの明るさはおおよそ三つの要素で決まります。

(LEDの明るさ)=(入力電力)×(発光効率)×(レンズの特性)

入力電力は光のもとになるエネルギー源で、順方向電流を増やすと電力も増えるので次のようなイメージになります。
 (LEDの明るさ)=(順方向電流)×(発光効率)×(レンズの特性)
ここで発光効率は電気エネルギー→光エネルギーの変換係数ですが電流の変化に対して一定ではありません。実際はこの様な単純な式は存在しないのであくまで理屈を理解するためのイメージです。

そもそも、LEDの明るさとは?

LEDの明るさを表す数値として、光度(cd)、光束(lm)の2つが主に使われています。また日常よく聞く数値に輝度(cd/m2)や照度(lx、ルクス)があります。
LEDが高出力化した最初のころは輝度が使われ"高輝度LED"が明るいLEDでした。しかし、最近の照明用ハイパワーLEDでは光束(単位:lm、ルーメン)が用いられます。

・光度(Luminous Intensity、単位:cd、カンデラ)

電気や熱の強度を表すパワー(仕事率)は単位時間当たりのエネルギーで単位はJ/s=W(ワット)です。電磁波など一般に点から特定方向に放射されるパワー(放射強度)を表す単位はW/srです。光度cdは光の放射強度W/srに標準的な人間の目の感度を掛けたものです。sr(ステラジアン)は立体角という値の単位でここでは球面状に放射されるパワーを球面の微小な範囲で捉えることを意味します。(立体角でパワーを微分します。)これにより光度cdは点光源から特定の方向に放射される可視光線の単位立体角当たりのパワーを表すことになります。
パイロットランプのようにオペレーターから光源を見たときの光の強さを表すのに好都合です。光源(LEDチップ)から放射される光の強さは方向によって変わり、レンズで狭い角度に集光してある場合などは正面方向の光度cdが高くても全体的にはあまり明るくないこともあります。照明用のLEDの明るさを表すのには向いていません。
なお、単位cdで表す値を"輝度"と呼ぶ慣例があるようですが本来cdは光度の単位です。

・輝度(luminance、単位:cd/m2、カンデラ毎平方メートル)

単位が光度cdと混同されていますが正確にはcd/m2です。光度は光源を点とみなしますが輝度は面積があるものとし、特定方向の光の強さを光源の単位面積当たりの光度として表したものです。点光源として扱われることの多いLEDでも定義できますが、特にディスプレーのように面で発光する光源には輝度が使われます。

・光束(全光束、Luminous Flux、単位:lm、ルーメン)

光束は光度を立体角で積分した値です。LEDのデーターシート上の光束は特に断りの無い限り球体の全周分の立体角に渡って光度を積分した全光束を指します。これはLEDが放射する単位時間当たりの全光エネルギー(光のパワー)に相当します。(光度の項で説明した通り波長によって変わる人間の視感度の重みがついています。) (全)光束はLEDの持つ光のパワー全体を表すため広い範囲を照らす照明用LEDの性能を表すのに適します。それに対し、光度はLED正面の光の強さを表すので光源の視認性が重要な表示用LEDに向いています。

・照度(illuminance、単位:lx、ルクス)

作業環境の評価などで用いられる照度lxは照らされる側の尺度です。面を照らす単位面積当たりの光束を表します。
 (lx=lm/m2)

照度図解

cd(カンデラ)vs lm(ルーメン)まとめ

・cd値(カンデラ:光度)

LEDを正面から見たときの明るさ。(正面の光の強さ)パイロットランプや各種警報機・信号機など直接LEDを見たときの明るさ。

・lm値(ルーメン:全光束)

単位時間当たりにLEDが放つ光エネルギーの総量。(光のパワーの総量)LEDで周囲や物体を照らした時にどの位明るいか。 主に表示用の砲弾型LEDのデーターシートには光度cdだけが記載され照明用のパワーLEDでは光束lmだけが記載される傾向にあります。表示用・照明用両方の用途が予想されるハイパワーチップLEDでは光度cdと光束lmの両方が記載されているものもあります。
同じLEDチップではIFを増やせば光度cdも光束lmも同時に大きくなります。しかし、砲弾型の高cd型は集光レンズで光を集め小出力(≒小lm)のチップで正面だけ光度cdを増加させています。また、照明用のハイパワータイプでは小型のチップを多数集積することで光度cdを抑えつつ光束lmを増加させることで光のまぶしさを抑える工夫もなされています。現実の製品は必ずしも高光度cd=大光束lmではありません。

総合的に明るく周りを照らすのはlm(ルーメン)が大きいもの、 一部でもとびぬけて明るく光る部分があるのがcd(カンデラ)が大きいもの

・立体角とは?

立体角図解

例として、球面S1の中心を頂点とする円錐がS1から切り取る面積をa1とすると立体角Ωは

平面角ラジアンと同様に半径rが変わっても相似関係で同じ値になる。

一般的に、球面から切り取られる図形が円で無くとも面積a1とr1で同様に定義される。 (同じ立体角が同じ球面から切り取る面積は切り取る形が異なっても同じ) 立体角の単位はsr(ステラジアン)。
・球面全周の立体角:4π[sr] (=4πr2/r2、球の表面積÷半径の二乗)
・頂角θの円錐の立体角:2π(1-cos(θ/2)) [sr]
・頂角θの円錐の立体角:2π(1-cos(θ/2)) [sr]



順方向電流(入力電力)

従来型ランプのワット数に相当する特性値です。電流が増えれば当然電力も増えます。ただし、LEDの場合は係数として掛る発光効率とレンズの働きが強く影響するため順方向電流が大きい方が明るいとは限りません。 また、製品の呼び値としての順方向電流は絶対最大定格を指すことが多く、理想状態でなければその値までは使えません。従来型のランプ、例えば40Wの白熱電球は常に40Wの(入力)電力で使いますが、LEDは半導体なので熱に弱く自己の発熱を放熱しないと破壊します。(IF=30mAと表記された製品でも通常は30mAでは実用できません。)通常は十分な余裕を持って小さ目の順方向電流で使う必要があります。製品によっては光度や光束など明るさの標準特性の測定条件として絶対最大定格に近い大きめの順方向電流が指定されることがあるので放熱も含めてその順方向電流で実用可能か検討する必要があります。
 ・IFの規格値(絶対最大定格)より小さいIFでしか使えない。
 ・IFを増やすと明るさは増加するが、だんだん頭打ちになる。
 ・IFの小さい方まで変換効率の下がらないものが多い。
IFを控えめに暗く点灯させたLEDを複数使うことで同じLED一燈を同じ電力で点灯させるのと同等以上の明るさ(光束)を得ることが可能です。

発光効率

電気エネルギーを光エネルギーに変える効率です。この文章の執筆時点では青黄型の白色LEDで最高100lm/W(電力1W→光100ルーメン)前後です。これは、白熱電球の約5倍で蛍光灯とは同程度です。LEDは省エネの切り札のように言われることも多く日進月歩です。
IFが増加すると変換効率は下がります。IFの最高値付近では小電流時の80%程度に落ち込むこともあるので照明などでは一個の大型LEDに大電流を流して使うよりも一回り小さいものを複数個使い、電流を按分した方が効率も全光束も増加することがあります。
VF×IFが1W以上のパワーLEDは従来型のランプ同様パワー(W;ワット)で呼ぶこともありますが発光効率が同じならばW数が大きいものが全光束lmも大きいことになります。(ただし、2.2.の通りこのW数は許容損失なので従来型ランプのようにこの電力で使うものではありません。)
また、サーチライトなどに応用した場合の明るさは集光レンズの特性によります。

レンズの特性

光はレンズや鏡で集光すれば強くなります。定量的には集光することで光度cdを上げることができます。LEDは反射鏡を内蔵し製品仕様の角度に集光します。照射角の小さいものは小さい電力入力でも正面方向の輝度cdが高く、照射角の大きいものは輝度cdが小さくなりますが広範囲を照らし横方向からも見えやすくなります。

照射角大・小の説明

・半値角度

実際のLEDでは光を円錐の範囲にぴっちりと収めるようなことはせず、真正面の光度cdが一番強く周囲に行くにつれてだんだん弱くなる玉子型や饅頭型の照射パターンを持ちます。光度cdが真正面での大きさの半分となる方向の開き角度を半値角度と称して照射角度を表します。

半値角度の説明

・スモークボディー、拡散キャップ

透明ボディーのLEDは横方向から見えにくく、かつ光度cdが高すぎて目に有害なこともあります。 また高光度のものは正面の空間を明るく照らすため、寝室やホールの客席など明るくなっては困る場所では不都合なこともあります。(LED本体だけが光ってほしい。)
スモークボディー(半透明ボディー)では光がモールドで拡散し横方向から見えやすくなります。光の強さは弱くなりますが目に与える刺激も弱まります。
透明ボディーのLEDにかぶせて光を拡散させる拡散キャップもあります。

半値角度の説明 半値角度の説明

LEDの色

単色のLED(白色や三色を除くLED)は半導体の物性を応用して発光し、発光スペクトルは単一波長の線スペクトルです。半導体の材質で決まり緑が赤になると言うことはありません。ただし、同じ製品を多数並べて同時に点灯した場合、見た目でわかるバラつきを生じることもあります。このバラつきを全く無くすことは困難ですが、製品によっては発光色とそのバラつきの範囲を波長かその他の数値でデーターシートに記載してあります。

・色度、色度図

色度(Chromaticity Coordinates)は光の三原色の混ざり具合を表す数値でそれをx,yグラフにプロットしたものが色度図です。単一波長の発光色は波長で表すことができ、単色のLEDでは波長とそのバラつきで発光色が表されています。白色LEDは青色LEDに黄色の蛍光体を組み合わせることで両者の色を混合し白色を合成しています。そのため、発光色の表現には色度または色温度が使われます。三原色なのにX-Yの二次元で表現できるのは不思議ですが、色度はすべての色に与えられた住所で色度図は住所を表す地図と考えればわかりやすいと思います。住所(色度)がわかれば場所(色)が特定できるわけです。
ただし、色度表による色の表現は使う側が正しい色見本(色度図)を持っていないと正確な判断ができません。Web等でカラーの色度図が掲載されていてもディスプレーの特性で違った色になってしまいます。
LEDの発光色の確認はいくつかのサンプルを点灯してみるのが簡単です。

色度図

・色温度

白色LEDの発光色を表す特性値としては色温度も一般的です。これは、光の"白さ"を表す尺度と考えて良いでしょう。鉄クギのような金属を加熱するとある温度で赤くなり温度が高くなると黄色から白に近い色で発光するようになります。炎の色も同様な変化をします。色温度は完全黒体という理想物質を加熱した時の発光色をその時の温度で定義したものです。(火や熱でモノを加熱した時に温度で決まる発光色を厳密に定義したものです。)物質を加熱した時の発光(黒体輻射)はLEDの発光とは原理が異なり可視光の広い範囲の波長成分を連続して含む混色で色度図上では温度が低い方から上昇するにつれて赤色から白色を経て青色に到達する曲線を描きます。
白色LEDの色温度は規格値に幅がありますが、そもそも、LEDは発光原理が異なるため黒体輻射の曲線上に完全には乗りません。市販の電球色LED電球も本物の白熱電球とは発光色が若干異なりますが、微妙な色合いは色度同様サンプルを点灯して確認するのが一番です。

複数のLEDの並列接続

LEDを複数接続する」場合の回路構成例と動作確認方法について解説します。
ブレッドボードを使った実験のノウハウについても詳しく解説します。

並列接続の実験回路

用いるLEDの発光色は任意ですが、ここでは「ピンク」にしてみます。
用いたピンクLEDはLinkmanの「LHALED-F501」で、VF値は「3.2V」(IF=20mA)です。
 ※【LHALED-F501】草帽型LED(5mm・ピンク・3.2V・20mA・1200mcd)
したがって、電源電圧は3.2Vより十分高いことが条件になり、ここでは6Vとしてみます。

並列接続

電流制限抵抗の値は②式で計算し、IFを5mAとして計算します。

並列接続

これにより、R1 = R2 = R3 = 560Ω のカーボン抵抗とします。

実験機材

図22のような実験では「ブレッドボード」を用いると便利です。
参考として、この実験に用いた部品、機材を表5に示します。

  表5 実験機材

  

ブレッドボードの使い方

用いたブレッドボード「165408010E」を例として使い方を説明します。
ブレッドボードは図23のようにボード上に部品を挿して実装し、 部品間の配線は「ジャンプワイヤ」を用いることにより、はんだ付けが不要です。
ジャンプワイヤは「2mm」「5mm」「10mm」「70mm」などの長さがあり、各長さを準備しておくと便利です。 また、色分けされていますので、例えば、
 黒 → 電源のマイナス(GND)
 赤 → 電源のプラス
 黄 → 信号ライン
 青 → 信号ライン
などのように使い分けるとチェック時に便利です。

ブレッドボード

部品はボード状にさして実装、各部品間はジャンプワイヤで接続するのではんだ付け不要

用いたブレッドボードでは下記の図24のように4つのブロックに分かれています。
 Aブロック → 電源/GNDに利用
 Bブロック → 部品実装/接続に利用
 Cブロック → 部品実装/接続に利用
 Dブロック → 電源/GNDに利用
A、Dの電源ブロックは「+」、「-」それぞれ横方向にボード内部で接続されています。
B、Cの部品ブロックは縦方向が接続されていて、この例では穴数が5個単位です。 したがって、この部分では配線不要です。 実装可能な部品は一般的な抵抗、コンデンサなどの「リード部品」および2.54mmピッチの「DIP IC」です。
電源ブロックはボード端でそれぞれ「+」、「-」の表示があり、線で色分けされていますので、電源の区別が分かるようになっています。

ブレッドボード詳細 ブレッドボードとジャンプワイヤ

部品チェック

部品実装する前に抵抗のチェックをしてみます。
テスタは「アナログ式」、「デジタル式」がありますが、電子工作初心者の方には「デジタル方式」のほうが操作が簡単で、この方式をお勧めします。
以下、LinkmanのLDM-81Dを例として解説します。

▼【LDM-81D】デジタルマルチメーター
http://www.marutsu.co.jp/shohin_59232/

LDM-81Dは電流測定以外は電圧、抵抗などの測定では「オートレンジ」です。
オートレンジのために目的のファンクション(電圧、抵抗、コンデンサ容量など)に切り替えて目的の測定ポイントにテストリード(棒)をつなぐだけで測定出来ます。 このように操作は簡単ですが、最低限の注意点を以下に記します。
 ①いかなる測定でもテストリードの金属部に手を触れない。
 または、手で持たない。
低電圧の場合、感電の恐れはありませんが、このように習慣付けておくと感電の危険性が少なくなる。 また、回路へ与える手による影響が無くなる。
 ②測定中は絶対にファンクションを切り替えない
例えば、電圧測定→抵抗測定などへファンクションを切り替えたい場合には一旦テストリードを測定ポイントからはずして行います。

テスタ操作の注意点

(抵抗値チェック)

用いる抵抗は「カーボン抵抗」です。
リード部品の場合、図26のように数値を「カラー・コード」で表示し、色に対応した数値を表6に示します。
 第1色帯 → 数値を表わす
 第2色帯 → 数値を表わす
 第3色帯 → 乗数を表わす
 第4色帯 → 誤差を表わす
第3色帯の乗数は数値の後ろに色で決まった値を掛け算します。 例えば560Ωの場合、左から「緑、青、茶」で560Ωとなり、最後の第4色帯はカーボン抵抗の場合「金」となり、誤差は±5%です。
560Ωのカーボン抵抗は実際には532Ω~588Ωの範囲にあるはずです。

カラーコード

抵抗値チェック

図27のようにファンクションを「Ω」にして、各テストリードを抵抗のリード両端につなぎます。 (メーカーが異なりますが、三和電気計測のクリップアダプタ TL8ICを用いると接続に便利)
この時、注意する点は抵抗を金属板などの上に置かないで、紙などの絶縁物の上において測定します。
図27では表示が「0.556KΩ」となりました。つまり「556Ω」となり、カーボン抵抗の誤差範囲内(532Ω~588Ω)となっていることが分かります。

抵抗値チェック

抵抗チェックなどの部品チェックは少し面倒ですが、事前にチェックを行うことにより実験または製作の完成への早道になります。

ブレッドボードの導通チェック

ブレッドボードは前記図23、24の構造ですが、一度、テスタの「導通チェックファンクション」にて導通確認することをお勧めします。
図28のように各ブロックが内部接続されていることをチェックします。 (すべての穴をチェックする必要はない)

導通チェック

ブレッドボードへの部品実装と配線

図29に実装例を示します。
この例では各LEDの「カソード→マイナスへの配線」をジャンプワイヤで行っています。
LEDは足(リード)の長いほうが「アノード」です。

並列接続実装図 実装状態

動作チェック

実装、配線が間違いないことを確認してから電源を入れます。
動作チェックは 電源チェック → IF/VFチェック の順番で行います。

電源チェック

間違いがなければLEDが点灯します。
もし、点灯しない場合はすぐに電源を抜いてから実装、配線を確認します。 最初に電源電圧の確認を行います。
LEDが点灯したからといって「正常動作」とは限りません。 動作(LED点灯)状態で電源電圧を確認することで接続異常なのか1つの判断材料になります。
図30に電源チェックポイントを示します。 この例では「黒のテストリード」をLEDのカソード、「赤のテストリード」を抵抗の電源側としました。
電圧表示は6V前後のはずです。 乾電池が新品にもかかわらず低い電圧(例えば4Vなど)表示の場合、回路または部品の不具合が考えられます。 このような時は再度、実装、部品確認を行います。

電源チェック

IFチェック

希望どおりの電流(IF)になっているか確認します。
正確な電流値は「電流測定ファンクション」で行いますが、ここでは抵抗の両端電圧を測定する方法で行います。 図31のように抵抗両端電圧を測定します。 電圧値が「3.148V」であったとすれば抵抗(またはLED)に流れている電流は、ほぼ予定どおりの5mAです。
もし、この値から大きくずれて(例えば2mAなど)いれば抵抗の定数間違いなどが考えられます。

IFチェック IFの測定風景

VFチェック

図32にLEDの順方向電圧VFのチェック方法を示します。
LEDの「アノード・カソード間電圧」を測定し、この例では「2.921V」の結果です。
用いたLEDのVFはデータでは3.2Vです。ただし、この値は IF = 20mA の条件ですから部品バラツキおよび実際のIF値(約5.6mA)を考慮すれば正常動作と言えます。

VFチェック

LED直列接続の実験

実験回路

図33に示す直列接続を実験してみます。
LEDには「青」を用い、型番と仕様は以下のとおりです。


直列接続

順方向電圧が3.2Vですから、2個直列で 3.2V×2=6.4V になり、電源電圧はこの値以上が必要で、ここでは9Vとしてみます。 LEDに流す電流IFを1mAとした場合のRの計算結果は以下のとおりです。

最低電源電圧の目安

2.6KΩの計算結果となりましたので、2.7KΩのカーボン抵抗を用います。


ブレッドボードへの部品実装と配線

図34に実装例を示します。

LED直列接続実装図

複数LEDの点灯方法のまとめ

★実験にはブレッドボードを用いると便利
★チェック用のテスタは初心者には「デジタルテスタ」のほうが使い勝手が良い
★テスタ操作の注意点
 ①テストリードの金属部に手を触れない
 ②測定中にファンクション切換をしない
★事前の部品チェックは実験、製作完成への早道
★動作チェック
 ①電源電圧チェック
 ②VF/IFのチェック
 ③IFなどの電流はなるべくなら抵抗両端電圧を測定して電流に換算する

タイマーICでLEDを点滅させる

前回までは単純なLEDの点灯実験を行いました。
今回は「LEDの点滅動作」の具体的な例と動作確認方法について タイマIC「555」用いて解説します。

点滅実験 その1

555のブロック図

タイマIC「555」は各半導体メーカーで製造されています。
構造も「バイポーラ」(一般的なトランジスタをバイポーラトランジスタと言います)または「CMOS」があり、555の場合、CMOS構造のほうが低電圧で動作可能です。
そこで、ここではCMOS構造の LMC555CN-N を用いてみました。
 (主な仕様)
 ・パッケージ DIP-8
 ・動作電源電圧範囲 1.5V~12V(絶対最大定格15V)
 ・出力電流
 ソース駆動 10mA
 シンク駆動 50mA
ソース駆動とは図44 a ) のように出力(OUT)が「H」(この場合、電源Vccに近い電圧)になった時にLEDを点灯させる方法です。 この場合、電流は
 OUT → 抵抗 → LEDのアノード → LEDのカソード → GND
の経路で流れ、LMC555CN-Nの場合、許される最大電流は10mAです。
シンク駆動は図44 b ) のように出力(OUT)が「L」(この場合、GNDに近い電圧)になった時にLEDを点灯させる方法で、この場合の電流は Vcc → 抵抗 → LEDのアノード → LEDのカソード → OUT の経路で流れ、LMC555CN-Nの場合、許される最大電流は50mAです。

ソースとシンク

回路

図45のように点滅周期を約1秒としてみました。
発振周波数は前記⑥式のようにRa,Rb,C1の組み合わせ(値)で決まります。
抵抗値(Ra,Rb)が小さいと低い発振周波数ではコンデンサCの値を大きくする必要があり、Ra,Rbの最低値を1KΩとし、適正範囲は1KΩ~1MΩの間です。 (1MΩを超える値もあるが、部品の入手性を考慮すると1MΩまでとする)

計算結果は0.48μFになりましたので、ここでは市販品の中で近い定数の0.47μFとします。

Ra = Rb の場合のデューティ・サイクルDは1/3ですから、
 「H」の時間 → 0.98×(2/3) ≒ 0.65秒
 「L」の時間 → 0.98×(1/3) ≒ 0.32秒
注意:端数があるので合計時間が合っていない。したがって、LEDの接続形態により、
 ソース駆動 → 約0.65秒点灯
 シンク駆動 → 約0.32秒点灯

点滅実験その1の回路

C2,C3の役目

C2は555内部のコンパレータ基準電圧部の誤動作防止用です。
セラミック(または積層)コンデンサの0.01μを接続します。
C3は電源ラインの「バイパスコンデンサ」で555の場合、セラミック(または積層)コンデンサの0.1μFを接続します。

電源電圧

LMC555CN-Nは電源電圧1.5Vから動作可能です。 ただし、LED点灯(点滅)のような回路ではLEDの順電圧VFより十分大きな電源が必要です。 VFが1.8V前後などの赤LEDであれば電源電圧3Vでも可能ですが、ここでは青LEDでも駆動可能な4.5V(乾電池3本)とします。

LEDの電流制限抵抗R1

用いるLEDと電流値で決めますが、ここでは以下のLEDを用い、1mA流すことにします。
 メーカー : Linkman
 型番 : BL503V2CA3B01
 色 : 赤
 VF : 1.8V (@IF=20mA)
http://www.marutsu.co.jp/shohin_934/

電流制限抵抗

IC(555)のピン番号と事前加工

LMC555CN-Nは図47のような外観で「切り欠き部」を左に見た場合のピン番号は図のとおりです。 この型番でのパッケージはDIP(Dual Inline Package)と呼ばれるものでピン間は2.54mm(0.1インチ)、取り付け幅は7.62mm(0.3インチ)です。
ブレッドボードも2.54mm(0.1インチ)を基本とした配列です。

555の外観とピン番号

未使用状態のICは図48 a ) のように幅方向が広がっています。 このままではブレッドボードに挿入出来ませんので、b ) のように足を矯正し、c ) のように 穴3個分となるようにします。

リード(足)の事前加工

実験機材と部品表

表8



セキセラ : 積層セラミックコンデンサ
写真5に各種ジャンプワイヤを示します。
左側は今回用いた「165012000E」です。 ワイヤの両端は「線が剥きだし」になっていて、この部分をボードの穴に挿入します。 このタイプのジャンプワイヤは線材が「やや硬め」で直線的に配線することができ、また、曲げることもできます。 右側のタイプは両端が「ピン」でワイヤ自体は「柔らかく」なっています。 それぞれの特徴は、
 (左側のタイプ)
 ・直線で最短距離で配線することが可能 ・曲げることもできる
 ・ワイヤが「ぶらぶらしない」ので配線がすっきりする (右側のタイプ)
 ・ワイヤがやわらかいので自由に曲げることができる
 ・先端がピンなので作業性が良く、ちょっとした実験、確認作業に向いている
今回は「配線がすっきりする左側のタイプ」を用いましたが、それぞれのタイプを準備しておくと便利です。

ジャンプワイヤ

配線

(1)ICの実装

図49のようにIC(555)を実装します。
Cの向きはこの例では「左下」が「1ピン」です。 これに対し左右を逆にしても良いですが、慣れないうちは図49の向きのほうがピン番号が分かりやすいので、この実装方向をお勧めします。

ICの実装

ICのボードへの実装は事前にリード加工(図48)を行ってから、確実にボードへ挿入されたことを確認します。

ICの実装の注意

Cをボードから外す(抜く)場合は図51のようにボードの溝に「先曲がりピンセット」などを 利用し、左右から少しずつICを浮かせます。

ICの引き抜き

溝の左右に「先曲がりピンセット」を入れて少しずつICを浮かせて引き抜く

ICを少しずつ浮かせて引き抜く

各部品の実装と配線

図50に配線図を示します。 特に順番はありませんが、以下に手順例を示します。

部品:C3


①C3
取り付け極性無し、表示「104」
片側 → ICの8ピン
片側 → ジャンプワイヤーでICの1ピン


②ICの8ピン  ジャンプワイヤでボードの「+」


部品:C1


④C1
取り付け極性無し、表示「474」
片側 → ICの2ピン
片側 → ボードの「-」

ジャンプワイヤ


⑤ジャンプワイヤ
片側 → ICの2ピン
片側 → ICの6ピン

抵抗

⑥Ra
1MΩ 取り付け極性無し、表示「茶黒緑金」
片側 → ICの7ピン 片側 → ボードの「+」

抵抗
抵抗

⑦Rb
1MΩ 取り付け極性無し、表示「茶黒緑金」
片側 → ICの7ピン
片側 → ICの6ピン

C2


⑧C2
取り付け極性無し、表示「103」
片側 → ICの5ピン
片側 → 隣の列に実装してボードの「-」へジャンプワイヤ接続

C2

⑨R1とLED
2.7KΩ 取り付け極性無し、表示「赤紫赤金」
片側 → ICの3ピン
片側 → 適当な列に実装し、この箇所にLEDの「アノード」
LEDの「カソード」はボードの「-」

抵抗とLED

⑩ジャンプワイヤ
片側 → ICの4ピン
片側 → ボードの「+」

⑪電池スナップ
赤 → ボードの「+」
黒 → ボードの「-」

配線図 配線状態

動作確認

(1)点滅確認と電源電圧チェック

配線をもう一度確認し、電源を入れます。
配線ミスが無ければLEDが約1秒周期で点滅します。 もし、点滅しない場合はすぐに電源をOFFし、再度、配線、部品を確認します。
LEDが点滅したら電源電圧をテスタにて確認しておきます。
図53にチェック概要を示します。 電源は1.5V乾電池が3本ですから、4.5V前後になっているはずです。 もし、極端に電圧値が低いようでしたら、どこか配線ミスがあるかもしれませんので、 電源をOFFにして配線、部品を確認します。

電源チェック

①黒のテストリードを「COM」に、赤のテストリードを「VΩ」に差し込む。
②ファンクションを「V」にする。
③DCVになっていない場合は「SELECT」で選択。
④黒のテストリードをLEDのカソードに接続。
赤のテストリードをRaの「+」側に接続。

(2)発振周波数チェック

図54のようにテスタを「Hzファンクション」にして発振周波数を確認します。
設計値は「1.02Hz」です。
ただし、Ra,Rb,C1には定数誤差がありますので、1Hz前後になるハズです。
極端に周波数値がズレて(例えば、2Hz、0.5Hzなど)いる場合、配線ミスおよび部品の定数 ミスが考えられます。

発信周波数チェック

①黒のテストリードを「COM」に、赤のテストリードを「VΩ」に差し込む。
②ファンクションを「Hz」にする。
③Hzになっていない場合は「Hz/Duty」で選択。
④黒のテストリードをLEDのカソードに接続。
赤のテストリードをICの3ピンに接続。

(3)デューティ・サイクルチェック

Ra = Rb の場合、デューティ・サイクルは「1/3」です。
図55のように「Hzファンクション」の中で「Duty」を選択しチェックします。
図55では「066.3%」と表示されています。 これはLDM-81Dの場合、デューティ・サイクルの定義は
 1周期の時間に対する「H」の時間の比率
としているので、555のデューティ・サイクル定義と論理が逆です。
したがって「1/3」では図55のように約2/3である「066.3%」と表示されます。

デューティ・サイクルチェック

①黒のテストリードを「COM」に、赤のテストリードを「VΩ」に差し込む。
②ファンクションを「Hz」にする。
③Hz/Duty」でDutyを選択。
④黒のテストリードをLEDのカソードに接続。
赤のテストリードをICの3ピンに接続。

デューティ・サイクル

C1にアルミ電解コンデンサを使う場合

この実験ではC1に取り付け極性の無い「積層セラミックコンデンサ」(セキセラ)を用いて います。
Ra,Rbの値によっては1μF以上のコンデンサが必要になる場合があります。
このような時には「アルミ電解コンデンサ」(ケミコン)を用いると良いです。 ただし、ケミコンには取り付け方向(有極性)のあるものがあり、そのような場合、図56 のように接続します。

C1が有極性アルミコンデンサの場合

点滅実験その2

交互点滅

実験その1ではLEDを1個用いた点滅動作でした。
この実験その2では「LEDの交互点滅」を行います。
図57に実験回路を示します。 LED2とR2を追加しています。

点滅実験その2の回路(交互点滅)

交互点滅のしくみ

交互点滅は図58のように「ソース駆動」と「シンク駆動」を組み合わせています。つまり、
 (ソース駆動)
 「H」の期間を利用し、LED1を点灯
 この時、LED2には電流が流れないので消灯

 (シンク駆動)
 「L」の期間を利用し、LED2を点灯
この時、LED1には電流が流れないので消灯

タイマIC「555」の使い方

「555」は従来からあるタイマICで手軽に「発振回路」、「タイマ」などに用いられます。
電子工作においても、しばしば登場しますので、あらためて「555」について解説します。
555は「NE555」がオリジナルですが、現在では各メーカーからCMOS版も含めてセカンドソース品が販売されています。

CとRによるタイマの原理

コンデンサCに抵抗Rを通して充放電させると図35のような特性になります。
この時のコンデンサCの端子電圧Vcの充放電に要する時間は CとRの組み合わせで決まります。

CRによる充放電

このような放電特性を利用したCRタイマの原理を図36に示します。
図36におけるスイッチSはVcの初期化と充電開始を行い、Sが閉じた状態でVcはゼロです。
この状態からSを開けば充電を開始(タイマスタート)し、Vcの値をVsの63%電圧と比較します。
Vcの値が63%に達した時点でスイッチSを閉じてタイマ終了とすれば、タイマ時間TはCRの掛け算で表わされます。

CRによる充放電

以上の動作はVcの値を63%としましたが、この値は任意でも良く、例えばVcの値をVsの2/3とすれば、

充電電圧はVsの約63%になり、この時間をTとすればT=CRとなります

555のブロック図

図37にブロック図とピン配置を示します。
CompAとCompBはコンパレータ(比較器)でそれぞれの端子(プラスとマイナス)の電圧比較を行い、その結果により出力が「H」または「L」になります。
基準となる電圧(Vref)は抵抗3本による電圧分割で、3本の抵抗値は同じ値です。
したがって、CompAはVccの2/3、CompBはVccの1/3です。
Flip Flop(以下、FFと略す)はコンパレータ出力を入力とした「RS-Flip Flop」で、出力「/Q」でトランジスタを介して充放電を制御します。
CompAはマイナス端子が基準電圧入力ですから、

 TH > VrefA で出力「H」
CompBはプラス端子が基準電圧入力なので、
 TRG < VrefB で出力「H」

555のブロック図とピン配置 

図38にタイマ時の接続を示します。
電源ON後の初期状態では/Qは「H」で、これによりトランジスタがONになりDISおよびTHは「L」です。
TRG端子を「L」にすると TRG < VrefB の条件になりますので、CompB出力は「H」になり、これによりFF出力の/Qが「L」となり、トランジスタもOFFしますので充電が開始されます。
充電によりコンデンサの端子電圧(DIS,TH)が上昇していくと TH > VrefA の条件で 今度は CompA出力が「H」となって、/Qは「H」に戻り、タイマストップとなります。
このようにしてタイマ出力OUTが変化し、その時間は前述のように T = CR×1.1 です。

この時の回路を図39に示します。
電源ON後はリセット状態で、スタートスイッチを押すことによりタイマが起動し、約11秒間LEDが点灯します。

約11秒のタイマ

発振回路の接続

発振回路の場合は図40のようにコンデンサCの端子電圧をTHおよびTRGに接続します。
この場合、CompAとCompBは基準となる電圧(VrefA,VrefB)が異なりますから、それぞれの コンパレータ出力は図40のタイミングになります。
つまり、CompAは放電開始、CompBは充電開始を制御しています。 これにより充放電を繰り返しますので、これが発振です。

発振回路接続

発振周波数

発振モードの基本接続と、この時の発振周波数を図41に示します。

発信モードの基本接続

デューティ・サイクル

デューティ・サイクルとは図42のように1周期の時間(A)に対する「L」の時間(B)の比率を 言い、⑧式で表わされます。

デューティ・サイクル

例えば図43のように Ra = Rb ではデューティ・サイクルは1/3になり、 「H」の期間は2/3、 「L」の期間は1/3です。