スイッチ特性の見方
スイッチ回路例を図1に示します。
「単極単投」などの文字は回路特性を表現していて、単は1などの数字、極は回路、投は接点を意味しています。
例えば、「単極単投」は回路が1つで、接点数も1つです。別な表現では「Single Pole Single Throw」を略して「SPST」または「1回路1接点」などと表現します。「2極双投」は接点が2つあるものが2回路あるということです。(DPDT、2回路2接点)これ以外にも「4極双投」、「3極双投」など多極、多接点のものもあります。
オルタネイトとモーメンタリ
前記の図1では極数と接点数を表現していますが、機能動作として「オルタネイト」または「モーメンタリ」と表現します。図2に押しボタンスイッチを例として、オルタネイトとモーメンタリの違いを示します。簡単に表現しますと、
オルタネイト → 操作後でも状態保持(接点切換)
モーメンタリ → 操作中だけ状態保持(接点切換)
オルタネイトの代表的な例では「トグルスイッチ」、モーメンタリの代表的なものは「タクトスイッチ」です。

ただし、トグルスイッチでは図4のようにモーメンタリもあります。
また、図5のようにポジションが3つのものもあり、両サイドのポジションではオルタネイトまたはモーメンタリになります。
図5の例では真ん中のポジションでOFFです。
ON - OFF |
単投(1接点) |
ON - ON |
双投(2接点) |
ON OFF ON |
3ポジション |
ON - (ON) |
双投(2接点)、モーメンタリ |
(ON) OFF (ON) |
3ポジション、両側モーメンタリ |
ON OFF (ON) |
3ポジション、片側モーメンタリ |
( ) がモーメンタリの意味です。
ノンショートとショーティング
スイッチの機能(動作)を表現するなかで、「ノンショート」と「ショーティング」という言葉があります。これは、特にスライドスイッチ、ロータリースイッチなどで区別され、次のような意味です。
BをAまたはCに接続する例
a)はAーBが接続
b)はBーCが接続
ショーティングタイプは接点切換途中にオープンになると不具合がある場合などに用い、ノンショートは切換途中のオープンが問題にならない場合に用います。
ただし、ショーティングタイプは図8のような場合、出力同士が接触(接続)し、場合によってはICなどのデバイスを破壊する恐れがあり、このような用途では注意が必要
SS12SD2 MS500AB