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「アプリケーションラボ」は、Digi-Key社のご協力をいただいて、Digi-Key社が公開している新製品や技術情報を日本語でご紹介するWebページです。基礎技術から最新技術まで有益な情報を公開していますので、是非ご活用ください。
今回は、自動車の車載システムで使用される12Vと48Vの電源電圧を管理できるパワーコンバータについて解説した記事をご紹介します。
■車載システムで12Vと48Vのデュアルシステムのギャップを橋渡しする専用パワーコンバータを使用
従来から自動車の車載システムには12Vが使われてきましたが、電動パワーステアリングなどに使用するにはより高い電圧が必要とされています。また、欧州では2020年からCO2の排出基準が厳格化されることが決まっており、電気自動車やハイブリッド自動車の導入が必須となっています。そのため、VDA(ドイツ自動車工業会)は車載電源の標準規格としてLV148を2013年に策定しました。LV148では、鉛蓄電池の場合は42Vですが、リチウムイオン電池の場合は48Vを使用します。人体に危険となる60V以上になると安全基準が厳格になりますが、48Vではその対策が不要でコスト的に有利になります。
欧州の自動車メーカーは、日本の自動車メーカーよりもハイブリッド技術で遅れをとっていたため、LV148はその対策として打ち出されたものです。日本のハイブリッド車のバッテリー電圧は200Vと高く燃費も優れているため、48Vを用いたハイブリッド技術では対抗できませんが、それでもガソリン車に比較すると10%以上も燃費効率が上がるとされ、CO2の排出基準を満たすことができます。
そのためLV148は、欧州の自動車メーカーが日本の自動車メーカーに追いつくまでのつなぎと考えられていましたが、近年の半導体技術の進歩は目覚ましく、48Vでも効率的な運用ができるようになってきました。そのため、日本車メーカーも48Vの導入を進めています。
 < LT8228の構成例 >
12Vは従来からの車載機器に必要な電圧であり、48Vは新しい機能を実現するために必要な電圧です。したがって、多くの自動車では当分の間12Vと48Vが混在することになり、両者間で調整する必要があります。【アプリケーションラボ】では、アナログデバイセズ社のLT8228、TI社のLM5170、Vicor社のNBM2317というパワーコンバータを取り上げて解説しています。LT8228は、100Vまでの定電流/定電圧同期バック/ブーストコントローラで、双方向の電圧/電流調整や逆電流保護ができます。LM5170は、高電圧側と低電圧側に流れる平均電流を指定した方向で調整することができます。NBM2317は40~60Vで動作する非絶縁バスコンバータで、10~15Vの低電圧を供給できます。
ここで解説されているデバイスは、マルツオンラインのウェブサイトで購入できますので、是非参考にしてください。
双方向同期整流式100V降圧/昇圧コントローラLT8228 【LT8228EFE#PBF】 2,008.89円 |
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マルチフェーズ双方向電流コントローラLM5170 【LM5170QPHPTQ1】 1,637円 |
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NBM非絶縁バスコンバータモジュールNBM2317 【NBM2317S60E1560T0R】 11,670.65円 |
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NBM2317評価ボード 【NBM2317D60E1560T0R】 55,011.58円 |
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下記の2本の解説記事も同時に公開しました。合わせて参考にしてください。
■エッジで使用されるIoTデバイスでマルチコアマイクロコントローラを使うべき理由とその方法
最近のIoT機器は、センサや通信モジュールとしてだけでなく、機械学習による推論処理も実行するようになっています。そのため、MPUに対する要求も複雑で高機能なものになっています。そのような要求に応えるためには、複数のCPUコアを搭載したマルチコアMPUが有利です。ここではマルチコアMPUの対称型と非対称型の違いやプログラミングの方法などについて解説します。
■IoTセキュリティの基礎(第3部):セキュアブートとファームウェアアップデートの安全確保
IoTセキュリティの基礎について5回に分けて解説を行っていますが、今回はその第3回目です。今回は、IoTデバイスに対する脅威を低減するために、セキュアプロセッサに組み込まれている信頼のメカニズムについて解説します。
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