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プリント基板の製造サービスに関するご質問にお答えします。Q:ガーバーデータってなんですか?

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No.1547 2022. 4. 5
     
◇プリント基板の製造サービスに関するご質問にお答えします。
 ~Q:ガーバーデータってなんですか?~


◇Hubing先生の電子回路とプリント基板のノイズ解決 即答200
 【問18】線路間の絶縁体の比誘電率が高いと電界結合が強くなる恐れ
 ~電界結合は容量結合とも呼ばれる~
プリント基板の製造サービスに関するご質問にお答えします。
~Q:ガーバーデータってなんですか?~
 
  マルツエレックは、「アイデアを具現化するプロトタイピングエンジニアのために」皆さまのさまざまな「ものづくり」のお手伝いをさせていただいております。 
 回路設計から基板設計・調達・製造・実装、ケース加工、ハーネス加工をはじめ、量産をすべて短納期で請け負うワンストップサービス「プロトファクトリー」を是非ご利用ください。

 お客様からプリント基板の製造を依頼される際に、ガーバーデータ (Gerber)に関するご質問をいただくことがありますので、ここではガーバーデータについて解説します。

■プリント基板製造に必要なファイル

 プリント基板は、基板外形図、穴図、ドリルデータ、ガーバーデータの4種類のデータがあれば製造することができます。穴図は、プリント基板上の穴の位置と大きさなどがわかる図面です。また、ドリルデータは、プリント基板にスルーホールや基板を固定するためのノンスルーホール(配線されない穴)をあけるためのデータです。
 そして、ガーバーデータは、配線パターンやソルダーマスク、シンボルマークなどのイメージデータのファイルで、層ごとにそれぞれが別ファイルになっています。

■基板設計CADとDXFファイル

 一般に、プリント基板は基板設計CADを用いて設計しますが、現在では有償、無償の様々な基板設計CADが存在します。

 設計したファイルは、それぞれのCAD固有の拡張子によって保存され、CADどうしの互換性はまずありません。互換性を持たせるには、DXFファイルとして保存する必要があります。DXFファイルは、AutoCAD社がバージョンごとに異なる自社のCADに互換性を持たせるために開発したASCIIデータフォーマットですが、多くのCADソフトがこれをサポートしています。

 ここで保存されるのは基板の修正や変更ができる基板CADデータで、設計したデータを基板製造メーカーに渡すにはガーバーデータとして出力する必要があります。なお、ガーバーデータを用いて基板を修正することは一般にできません。

■ガーバーデータとは

 EIA(アメリカ電子工業会)によって公開されたNC工作機械用言語の規格RS-274(Gコードと呼ばれている)をベースにして、Gerber Systems社が自社のプリント基板の製造装置であるフォトプロッター用に開発したファイルフォーマットがガーバーデータです。

 1980年に、GコードはRS-274-Dとして最終改訂版となりましたが、Gerber Systems社はこれをベースにしたガーバーフォーマットの仕様を公開しました。仕様がオープンになったことで、ガーバーフォーマットがデファクトスタンダートとして広く普及しました。ガーバーデータはASCIIデータフォーマットなので、テキストエディタで内容を確認することができます。拡張子は出力する基板設計CADによって異なりますが、変更することもできます。

 RS-274-Dをベースにしたガーバーデータは「標準ガーバー」と呼ばれています。現在は、Gerber Systems社を買収したUcamco社がガーバーフォーマットの管理を行っています。

 標準ガーバーでは作画する点と線の座標しか示されていないので、点の形状やサイズを規定するためのアパーチャ(Dコード)リストが必要になります。アパーチャとはプロッターの露光レンズの開口のことで、アパーチャを変更することで線の太さなどを決めます。

 ガーバーデータでは、露光サイズをアパーチャで表現せず、アパーチャに対してD(ドラフト)コード番号を割り振っています。現在はレーザープロッターが主流になっていてアパーチャは使われていませんが、標準ガーバーではアパーチャリストが必要です。

 1998年に、現在「拡張ガーバー」と呼ばれているRS-274Xの規格が公開されました。アパーチャが不要なレーザープロッターが主流になってきたためで、RS-274Xでは広い面積の塗りつぶしができ、面の外形データだけを出力すればよくなりました。RS-274Xは標準ガーバーの命令を拡張する形で作られ、ファイルのヘッダー部分に単位、桁数、座標の形態、絵柄の形状などの情報を持っているので、アパーチャリストが不要になりました。

 標準ガーバーは、拡張ガーバーが普及するまでは標準として使用されていましたが、現在ではほとんど使用されなくなっています。そのためマルツエレックの製造サービスでは、拡張ガーバーにのみ対応しています。
 
マルツでは、インターネット上でガーバーデータを確認できる
ガーバービューアーの無料サービスを提供しています。
(※プロトファクトリーにて基板製造を注文する際にガーバービューアを使用できます。
自動基板製造サービスはこちらへ。)
 
Hubing先生の電子回路とプリント基板のノイズ解決 即答200
~Yes or No ! 電磁気学の先生“マクスウェル”が教えてくれる~
[原著] EMC Question of the Week 2017-2020
[著] Todd Hubing (LearnEMC社代表,米クレムソン大学名誉教授)
[訳] 櫻井 秋久
[企画・制作] ZEPエンジニアリング

     
線路間の絶縁体の比誘電率が高いと電界結合が強くなる恐れ
~電界結合は容量結合とも呼ばれる~
 
     
  [今週の問題 問18]
ある回路において,電界結合発生の大きな要因になるのはどれですか?

(a) 急激に変化する電圧
(b) 急激に変化する電流
(c) 大容量キャパシタ
(d) 絶縁のないワイア
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