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プリント基板の製造サービスに関するご質問にお答えします。Q:ガーバーデータってなんですか?
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プリント基板の製造サービスに関するご質問にお答えします。 ~Q:ガーバーデータってなんですか?~ |
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マルツエレックは、「アイデアを具現化するプロトタイピングエンジニアのために」皆さまのさまざまな「ものづくり」のお手伝いをさせていただいております。 回路設計から基板設計・調達・製造・実装、ケース加工、ハーネス加工をはじめ、量産をすべて短納期で請け負うワンストップサービス「プロトファクトリー」を是非ご利用ください。 お客様からプリント基板の製造を依頼される際に、ガーバーデータ (Gerber)に関するご質問をいただくことがありますので、ここではガーバーデータについて解説します。 ■プリント基板製造に必要なファイル プリント基板は、基板外形図、穴図、ドリルデータ、ガーバーデータの4種類のデータがあれば製造することができます。穴図は、プリント基板上の穴の位置と大きさなどがわかる図面です。また、ドリルデータは、プリント基板にスルーホールや基板を固定するためのノンスルーホール(配線されない穴)をあけるためのデータです。 そして、ガーバーデータは、配線パターンやソルダーマスク、シンボルマークなどのイメージデータのファイルで、層ごとにそれぞれが別ファイルになっています。 ■基板設計CADとDXFファイル 一般に、プリント基板は基板設計CADを用いて設計しますが、現在では有償、無償の様々な基板設計CADが存在します。 設計したファイルは、それぞれのCAD固有の拡張子によって保存され、CADどうしの互換性はまずありません。互換性を持たせるには、DXFファイルとして保存する必要があります。DXFファイルは、AutoCAD社がバージョンごとに異なる自社のCADに互換性を持たせるために開発したASCIIデータフォーマットですが、多くのCADソフトがこれをサポートしています。 ここで保存されるのは基板の修正や変更ができる基板CADデータで、設計したデータを基板製造メーカーに渡すにはガーバーデータとして出力する必要があります。なお、ガーバーデータを用いて基板を修正することは一般にできません。 ■ガーバーデータとは EIA(アメリカ電子工業会)によって公開されたNC工作機械用言語の規格RS-274(Gコードと呼ばれている)をベースにして、Gerber Systems社が自社のプリント基板の製造装置であるフォトプロッター用に開発したファイルフォーマットがガーバーデータです。 1980年に、GコードはRS-274-Dとして最終改訂版となりましたが、Gerber Systems社はこれをベースにしたガーバーフォーマットの仕様を公開しました。仕様がオープンになったことで、ガーバーフォーマットがデファクトスタンダートとして広く普及しました。ガーバーデータはASCIIデータフォーマットなので、テキストエディタで内容を確認することができます。拡張子は出力する基板設計CADによって異なりますが、変更することもできます。 RS-274-Dをベースにしたガーバーデータは「標準ガーバー」と呼ばれています。現在は、Gerber Systems社を買収したUcamco社がガーバーフォーマットの管理を行っています。 標準ガーバーでは作画する点と線の座標しか示されていないので、点の形状やサイズを規定するためのアパーチャ(Dコード)リストが必要になります。アパーチャとはプロッターの露光レンズの開口のことで、アパーチャを変更することで線の太さなどを決めます。 ガーバーデータでは、露光サイズをアパーチャで表現せず、アパーチャに対してD(ドラフト)コード番号を割り振っています。現在はレーザープロッターが主流になっていてアパーチャは使われていませんが、標準ガーバーではアパーチャリストが必要です。 1998年に、現在「拡張ガーバー」と呼ばれているRS-274Xの規格が公開されました。アパーチャが不要なレーザープロッターが主流になってきたためで、RS-274Xでは広い面積の塗りつぶしができ、面の外形データだけを出力すればよくなりました。RS-274Xは標準ガーバーの命令を拡張する形で作られ、ファイルのヘッダー部分に単位、桁数、座標の形態、絵柄の形状などの情報を持っているので、アパーチャリストが不要になりました。 標準ガーバーは、拡張ガーバーが普及するまでは標準として使用されていましたが、現在ではほとんど使用されなくなっています。そのためマルツエレックの製造サービスでは、拡張ガーバーにのみ対応しています。
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線路間の絶縁体の比誘電率が高いと電界結合が強くなる恐れ ~電界結合は容量結合とも呼ばれる~ |
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[今週の問題 問18]
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