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「アプリケーションラボ」は、Digi-Key社のご協力をいただいて、Digi-Key社が公開している新製品や技術情報を日本語でご紹介するWebページです。基礎技術から最新技術まで有益な情報を公開していますので、是非ご活用ください。
今回は、エッジコンピューティングに最適と考えられている磁気を使ったメモリMRAMの基礎と使い方について解説した記事をご紹介します。
■MRAMでエッジコンピューティングの信頼性と低レイテンシを実現し消費電力を低減する
IoTの普及と共に高機能化が進み、エッジコンピューティングの利用が広がっています。そのためには、プログラムの保存やデータバックアップに使うメモリについても、高速で低レイテンシ(遅延)、不揮発性、低消費電力、低コストなどが求められています。現在のメモリはSRAM、DRAM、フラッシュ、EEPROMなどが主に使用されていますが、これらはエッジコンピューティングに理想的なメモリとは言えません。
価格の面でまだまだ普及しているとは言えませんが、データを磁気記憶素子に保存するMRAM(磁気抵抗ランダムアクセスメモリ)がエッジコンピューティングに最適であると考えられています。MRAMは、真のランダムアクセスメモリであり、低レイテンシで低リーク電流、書き込みサイクル数が多く、高度なデータ保持能力を特長としています。これらはエッジコンピューティングにきわめて望ましい特長と言えます。
MRAMのメモリセルは、セルを選択するためのトランジスタとMJTで構成されています。MJTはMagnetic Tunneling Junction(磁気トンネル接合)の略で、トンネル障壁膜を2枚の強磁性体で挟んだ構造をしています。強磁性体を磁化させる方向を反転することでデータを記憶します。磁化を反転させる方法は様々ですが、現在はスピン偏極した電流を注入するスピン注入方式が主流になっています。

【アプリケーションラボ】では、ルネサスエレクトロニクス社が販売する高性能シリアルMRAMメモリを紹介しています。これは、垂直磁気トンネル接合(p-MTJ)に基づく独自のスピン注入トルク方式を採用したMRAM(STT-MRAM)で、Avalanche Technology社が開発しました。M3008204シリーズは8MビットのMRAMです。SRAM相当の読み取り/書き込み速度を備え、1016の書き込みサイクルと20年以上のデータ保持を保証しています。
ルネサス社ではMRAMの評価用として、M3016-EVK評価キットを用意しています。このボードはArduinoに接続し、用意されているテストプログラムを使用してMRAMを評価することができます。
不揮発性8Mb高性能MRAM 【M30082040054X0IWAY】 2,431.12円 |
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MRAM評価キット 【M3016-EVK】 28,343.62円 |
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下記の2本の解説記事も同時に公開しました。合わせて参考にしてください。
■適切な接続とセンサにより高信頼性の産業システムと作業者の安全を確保 産業用IoTに使用されるセンサは、腐食性の化学物質やガスならびに、高温や低温の極端な温度にさらされる可能性があります。ここでは、この過酷な環境下におけるセンサケーブルの配線の課題について解説し、実際に硫化水素ガスを検出する方法を示します。
■特殊な低ノイズソリッドステートリレーでEMIを制限し重要な規格を満たす方法
ソリッドステートリレー(SSR)は、可動接点部分がないため多くの用途で電磁リレーに置き換えられきました。ここでは、SSRの長所と短所ならびにSSRが最も適しているアプリケーションについて説明し、Sensata社の低ノイズSSRを紹介します。
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