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ハイパワーアプリケーションの損失低減/効率改善/温度範囲拡大を実現する方法 (DigiKey社【アプリケーションラボ】技術解説記事のご紹介)
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MAIL MAGAGINE![]() No. 1813 2024. 1. 9 |
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ハイパワーアプリケーションの損失低減/効率改善/温度範囲拡大を実現する方法 (DigiKey社【アプリケーションラボ】技術解説記事のご紹介) |
「アプリケーションラボ」は、DigiKey社のご協力をいただいて、DigiKey社が公開している新製品や技術情報を日本語でご紹介するWebページです。基礎技術から最新技術まで有益な情報を公開していますので、是非ご活用ください。 今回は、シリコンよりも高い電圧で駆動でき、より高いスイッチング周波数で動作するシリコンカーバイドの特長 とROHM Semiconductor社の第4世代SiC MOSFETについて解説した記事をご紹介します。 ■ハイパワーアプリケーションの損失低減/効率改善/温度範囲拡大を実現する方法 現在は電気自動車(EV)の開発競争が激しさを増していますが、航続距離を伸ばすことが最重要課題であり、その対策としてGaN(窒化ガリウム)やSiC(シリコンカーバイド)などのワイドバンドギャップ(WBG)半導体の開発が進められています。 バンドギャップは、電子を価電子帯から伝導帯に励起させるのに必要なエネルギーです。Si(シリコン)の場合は1.1eV(電子ボルト)ですが、SiCは3.3eV、GaNは3.4eVという高い値を示し、Siに比べて大幅に高い電圧、高い周波数、高い温度で動作させることが可能です。さらにスイッチング損失や伝導損失も低く、伝導特性とスイッチング特性はSiのおよそ10倍優れています。 SiCデバイスはSiデバイスに比べて、「破壊電界強度がはるかに高いため、同じ電圧定格でも薄い膜厚で動作が可能で、オン抵抗を大幅に抑えられる」、「熱伝導率が高いため、断面積における電流密度が高い」、「バンドギャップが広いので高温でのリーク電流を低く抑えられる」という利点があります。 すなわち、SiCのMOSFETはSiのMOSFETより10倍の耐圧を持ち、25℃では約10倍の速さでスイッチングできます。また、Siの125℃に対し、SiCは200℃の高温で動作するため、熱設計と熱管理が容易になります。 ![]() シングルトレンチ構造(a)とダブルトレンチ構造(b) トレンチ構造は、ウエハに溝を深く掘って電極を埋め込むもので、セルの表面積が小さくなり、同じ面積でより多くのセルを並べることができます。そのため、オン抵抗と寄生容量を大幅に低減させることが可能になります。 MOSFETのオン抵抗を下げると短絡処理能力が損なわれますが、第4世代SiC MOSFETでは短絡耐量を犠牲にすることなくより低いオン抵抗を実現しています。例えば、第3世代のSCT3030ALの定格電圧は650Vでオン抵抗は30mΩでしたが、第4世代のSCT4026DEの定格電圧は750Vとなったにもかかわらずオン抵抗は26mΩと低くなっています。そのほか、第4世代は第3世代よりもゲート駆動能力が向上し、ターンオフ時にゲート-ソース間電圧を負バイアスにする必要がなくなっています。 ここで解説されているデバイスは、マルツオンラインのウェブサイトで購入できますので、是非参考にしてください。 ![]() SCT4026DE/SCT4062KE 単価:¥4,354 (税込) SCT4026DEは第4世代のSiC MOSFETで、VDSが750V、オン抵抗が26mΩ、3リードTO-247Nパッケージです。従来品に比べてオン抵抗を約40%、スイッチング損失を約50%低減しています。 ▽トレンチ構造SiC MOSFET 【SCT4062KEC11】 単価:¥2,973 (税込) SCT4062KEは第4世代のSiC MOSFETで、VDSが1200V、オン抵抗が62mΩ、3リードTO-247Nパッケージです。 ![]() SCT4013DR/SCT4036KR 単価:¥8,089 (税込) SCT4013DRは第4世代のSiC MOSFETで、VDSが750V、オン抵抗が13mΩ、4リードTO-247-4Lパッケージです。リードの寄生インダクタンスを回避してスイッチング速度を向上させるドライバソース端子があります。 ▽トレンチ構造SiC MOSFET 【SCT4036KRC15】 単価:¥4,424 (税込) SCT4036KRは第4世代のSiC MOSFETで、VDSが1200V、オン抵抗が36mΩ、4リードTO-247-4Lパッケージです。 |
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【マルツの技術情報】 マルツエレックは回路設計のご要望にお応えします |
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