メルマガ
過渡電圧抑制ダイオードを使用した回路の堅牢化と電気的完全性の維持 (DigiKey社【アプリケーションラボ】技術解説記事のご紹介)
マルツ最新情報![]() |
MAIL MAGAGINE![]() No. 1831 2024. 2. 20 |
|
![]() |
過渡電圧抑制ダイオードを使用した回路の堅牢化と電気的完全性の維持 (DigiKey社【アプリケーションラボ】技術解説記事のご紹介) |
「アプリケーションラボ」は、DigiKey社のご協力をいただいて、DigiKey社が公開している新製品や技術情報を日本語でご紹介するWebページです。基礎技術から最新技術まで有益な情報を公開していますので、是非ご活用ください。 今回は、様々な要因で発生する電気的高速過渡(EFT)電圧からTVSダイオードを使用して電子機器を保護する方法について解説した記事をご紹介します。 ■過渡電圧抑制ダイオードを使用した回路の堅牢化と電気的完全性の維持 電源のON/OFFなどによりパルス状のノイズが発生する現象を電気的高速過渡(Electrical Fast Transients:EFT)現象と呼び、電子機器の故障や性能低下を引き起こす原因になります。 国際電気標準会議(IEC)は、このような過電圧から電子機器を保護するためにIEC61000-4において3つの規格を定義しています。IEC61000-4-2は静電気放電(ESD)に関して、IEC61000-4-4はEFTに関して、IEC61000-4-5は落雷によるサージ電圧に関して、それぞれの測定方法や試験方法が規定されています。 EFTの場合、ピーク値までの立ち上がり時間とピーク値の50%に低下するまでのパルス持続時間の2つの数値が規定されています。EFT対策には、TVS(Transient Voltage Suppressors:過渡電圧抑制)ダイオードが有効です。 TVSダイオードは、想定外の過電圧やサージから後段の電子回路を保護するために使用するデバイスで、ツェナーダイオードと同様にダイオードの逆方向特性を利用しています。ツェナーダイオードは定電圧を得るために用いるためON状態で使用しますが、TVSダイオードは通常はOFF状態で過電圧が印加された際にON状態になります。 TVSダイオードでは、ON状態になるブレイクダウン電圧と、ブレイクダウンを絶対に起こさないスタンドオフ電圧が規定されています。そして使用する際には、動作電圧よりも高いスタンドオフ電圧を備えたTVSダイオードを選択します。 TVSダイオードには単方向タイプと双方向タイプがありますが、単方向タイプも両極の電圧を抑制します。単方向タイプは非対称の電圧-電流特性を持つのに対し、双方向タイプは対称な特性を持つという違いがあります。 【アプリケーションラボ】では、EFT対策にTVSダイオードを使用する理由とIEC61000-4規格の詳細について解説した後、Eaton社が開発したTVSダイオードを紹介しています。 Eaton社は、1911年に設立された米国オハイオ州に本社を置く自動車部品メーカーで、1978年に日本法人が設立されています。Eaton社のTVSダイオードは非常に低いクランプ電圧と高いピーク電力、高い電流散逸、ナノ秒の応答時間を実現しているため、I/Oインターフェースや高速信号ラインの過電圧保護に適しています。
|
![]() |
【マルツの技術情報】 マルツエレックは回路設計のご要望にお応えします |
▼ 高電圧1M[Hz]パルス発生回路 【LP56:制御回路編】 高電圧の±100[V]パルス発生回路(Vp-p=200[V])です。使用用途は、実験用になります。必要な電源回路は、±100[V]、±12[V]です。発信回路は、オペアンプ、増幅部はトランジスタを採用しています。 資料のダウンロードはこちらから。 その他の技術情報一覧はこちらをご覧ください。 回路設計に関するご相談・お見積りは無料です。こちらからお気軽にお問合せください。 |
|