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極限環境下での動作に向けたRF設計の最適化 (DigiKey社【アプリケーションラボ】技術解説記事のご紹介)
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極限環境下での動作に向けたRF設計の最適化 (DigiKey社【アプリケーションラボ】技術解説記事のご紹介) |
「アプリケーションラボ」は、DigiKey社のご協力をいただいて、DigiKey社が公開している新製品や技術情報を日本語でご紹介するWebページです。基礎技術から最新技術まで有益な情報を公開していますので、是非ご活用ください。 今回は、高周波を使用するシステムが過酷な環境下でも確実に動作するために不可欠となるRFコネクタについて解説した記事をご紹介します。 ■極限環境下での動作に向けたRF設計の最適化 現代社会では無線通信技術が重要な役割を担っており、使用される環境も様々ですが通信システムは過酷な環境に耐えられるように設計しなければなりません。懸念される問題の一つはRFの相互接続です。 現在はデジタル信号もギガヘルツが当たり前になり、高周波信号を伝達する同軸コネクタや同軸ケーブルの役割が重要になっています。同軸コネクタはメスのジャックとオスのプラグで構成され、一般にケーブル側にプラグが接続されます。理想的なコネクタは、嵌合・脱着などの機械的特性を備え、抵抗やインピーダンスに不連続性がなく電気的透明性を持つ必要があります。 高周波信号の伝達には、Amphenol社が1950年代に開発したBNC(Bayonet Neill -Concelman)コネクタが従来から使用されてきました。BNCコネクタは、1/3回転で素早く着脱できるバヨネット方式を採用したロック式コネクタです。 TNC(Threaded Neill-Concelman)コネクタは、バヨネットではなくネジによる嵌合を採用したコネクタです。SMA(Sub Miniature Type A)コネクタは、小型のネジで嵌合する小型の同軸コネクタで、激しい振動に対して安定した機械強度を示します。周波数範囲も広く、耐久性に優れています。 また、使用されるコネクタやケーブルは、振動や埃、高湿度、水やその他の液体への曝露などにさらされても性能を維持する必要があります。粉塵や水に対しては、侵入保護(IP)等級が規定されています。IP(International Protection)コードは、IEC(国際電気標準化会議)のIEC60529規格で定められた国際保護等級です。IP××のように2桁の数字で保護のレベル(等級)を表し、以下のように定められています。 第1数字は人体や固形物体に対する保護を示し、0:保護なし、1:50mmより大きい、2:12.5mmより大きい、3:2.5mmより大きい、4:1.0mmより大きい、5:防塵型、6:耐塵型、と決められていて、例えばIP6×は粉塵の侵入が完全に防護されていることを示します。 第2数字は水の侵入に対する保護を示し、0:保護なし、1:滴下水、2:15°の傾斜で落下する水、3:噴霧水、4:飛沫、5:噴流水、6:波浪、7:水中浸漬、8:水没、と決められていて、IP×7は15cm~1mの水深で30分間の水没に耐えられることを、またIP×8は水中での使用に耐えられることを示します。 例えばIP67は、装置内に粉塵が入ることがなく、水中に落としても30分以内なら故障せずに使用できることを保証します。 【アプリケーションラボ】では、過酷な環境で使用されるRFコネクタの求められる要件について解説した後、IP67等級を持つ同軸コネクタとしてAmphenol RFのSMA、BNC、TNCコネクタを紹介しています。 Amphenol社は1932年に設立され米国コネチカット州に本社を置く、主にコネクタやケーブルなどの相互接続システムを製造・販売する企業です。戦中・戦後の軍需用途で業績が向上しましたが、1960年代以降は業績が伸びずアライドケミカル社の一部門になるなど低迷する時期もありました。その後独立し、1991年に株式を上場して以降は、多くの企業の買収を進めて巨大な企業となり現在に至っています。 Amphenol RFはAmphenol社の一部門で、無線、マイクロ波、データ伝送用の同軸相互接続製品を製造・販売しています。 ここで解説されているデバイスは、マルツオンラインのウェブサイトで購入できますので、是非参考にしてください。
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