メルマガ
USB Type-CアプリケーションをパワーアップさせるUSB PD3シンクコントローラ (DigiKey社【アプリケーションラボ】技術解説記事のご紹介)
マルツ最新情報![]() |
MAIL MAGAGINE![]() No. 1942 2024. 11. 19 |
|
![]() |
USB Type-CアプリケーションをパワーアップさせるUSB PD3シンクコントローラ (DigiKey社【アプリケーションラボ】技術解説記事のご紹介) |
「アプリケーションラボ」は、DigiKey社のご協力をいただいて、DigiKey社が公開している新製品や技術情報を日本語でご紹介するWebページです。基礎技術から最新技術まで有益な情報を公開していますので、是非ご活用ください。 今回は、充電機能を持つ電子機器では必須となったUSB Type-Cコネクタで電力を送るUSB PD用の制御デバイスについて解説した記事をご紹介します。 ■USB Type-CアプリケーションをパワーアップさせるUSB PD3シンクコントローラ 現在、欧州を中心に電子機器の充電用コネクタにUSB Type-Cの使用を義務付ける方向で規制が進んでいます。すなわち、EU圏では充電ポートを備えたポータブル機器を対象として、2024年12月28日からUSB Type-Cへの対応が義務化されます。また、ノートPCへの対応は2026年春となっています。したがって、充電可能な電子機器の場合はUSB Power Delivery(PD)の採用が不可欠になりました。 USB PDはUSBケーブルを使って電力を送る規格として2012年に公開されましたが、2014年にUSB 3.1が発表されたときに、USB PD2.0とUSB Type-Cの仕様が同時に公開され、USB Type-Cを使用して100W(20V、5A)まで電力を供給できるようになりました。USB PD2.0では、5V/9V/15V/20Vと3A/5Aを組み合わせて電力を供給する固定パワーデリバリオブジェクト(Fixed PDO)が定義されています。 USB PD2.0のFixed PDOでは充電効率のよい最適なポイントを維持することができないため、2016年に公開されたUSB PD3.0ではプログラマブルパワー電源(PPS)という機能が追加され、充電電圧を可変することで充電時の余分な発熱を減らして電力効率を上げられるようになりました。 USB PD3.0では20mVステップで3.3V~21V、50mAステップで5Aまで電圧と電流を可変することが可能になり、これによりソースとシンク間の充電効率を最適化することができます。この電源仕様は、標準電力範囲(SPR)と呼ばれています。 さらに、2021年に公開されたUSB PD3.1では最大240Wまでの拡張電力範囲(EPR)が定義され、28V(100W以上)、36V(140W以上)、48V(180W以上)の3つの新しい電圧を利用できるようになりました。 USB PD3.1のEPRでは、28V、36V、48Vを固定して使用するFixed PDOと、出力電圧をワット数に応じて15Vから28V、36V、48Vまでの範囲で可変するAVS(Adjustable Voltage Supply) PDOを選ぶことができます。AVSはPPSと似ていますが電流制限動作に対応しておらず、出力電圧の可変ステップは100mVです。 ![]() USB PDシンクコントローラAP33771の使い方 【アプリケーションラボ】では、USBケーブルを用いて電力を供給する際にUSB PDに対応する必要がある理由とUSB PDの給電ネゴシエーションなどについて解説した後、Diodes社製のUSB PDシンクコントローラAP33771とAP33772を紹介しています。 AP33771は、USB PD3.0/PPSシンク コントローラです。USB Type-C PD3.0対応の電源アダプタとネゴシエーションを行って電源プロファイルを取得し、適切なDC電源を出力します。要求する電圧は、3つのピン(VSEL2、VSEL1、VSEL0)によって指定します。PSELピンに接続する抵抗値を変えることで電力レベルを選択することもできます。さらに、ファームウェアの保存にワンタイムプログラマブル(OTP)ROMを使用できます。 AP33772はI2C通信をサポートし、I2Cにより電圧と電流を設定できるので、AP33771より細かな調整が可能です。また、OTP ROMに加えてユーザー構成用にマルチタイムプログラミング(MTP)ROMを使用できます。なおDiodes社は、今年の後半になってUSB PD3.1に対応した改良版であるAP33771CとAP33772Sを発表しています。 ここで解説されているデバイスは、マルツオンラインのウェブサイトで購入できますので、是非参考にしてください。 ![]() AP33771/AP33772 ▽USB PD3.0/PPSシンク コントローラ【AP33771DKZ-13】 ・単価:¥601(税込) ▽USB PD3.0/PPSシンク コントローラ(I2C対応)【AP33772DKZ-13】 ・単価:¥693(税込) |
![]() |
全世界の技術者が活用する無償のECADモデルのライブラリ マルツオンラインでSamacSys社のECADデータを利用できるようになりました |
マルツオンラインでは、SamacSys社が無償で提供している電子部品のECADモデルをダウンロードして利用できるようになりました。是非ご活用ください。 SamacSys社は2012年に英国で設立されたソフトウェア開発企業です。ほとんどのECADソフトウェアで利用できるプリント基板設計用パーツライブラリとLibrary Loaderを開発し、全世界の技術者がこれを活用しています。 ![]() 利用可能なECADモデル 利用方法ですが、マルツオンラインの電子部品購入ページには、下記のようなアイコンが表示されている電子部品があります。
ダウンロードしたECADモデルを利用するためには、SamacSys社が無償で提供するLibrary Loaderが必要です。こちらのWebページからダウンロードしてインストールしてください。インストールが終わるとLibrary Loaderのアイコンがデスクトップに表示されます。 Library Loaderを起動させると、ご利用のECADソフトウェアの設計画面にダウンロードしたECADモデルをドロップすることができるようになります。 また、現在利用できるモデルがない場合、回路図記号とプリント基板用のフットプリントをリクエストできることを示すアイコンをクリックすると表示される画面で必要な情報を入力すると、SamacSysの技術者がECADモデルを作成し、完成すると連絡してくれます。 |
![]() |
【マルツの技術情報】 マルツエレックは回路設計のご要望にお応えします |
▼ 可変パルス電圧制御回路 【LP51:制御回路編】 ヒータドライブ回路の制御回路です。PWM制御が一般的ですが、電圧値を可変させて駆動回路に必要な信号を送信しています。電圧・電流値をセンシングし、可変パルス条件をPCで計算しています。 資料のダウンロードはこちらから。 その他の技術情報一覧はこちらをご覧ください。回路設計に関するご相談・お見積りは無料です。こちらからお気軽にお問合せください。 |
![]() |
【マルツのお役立ちサービスのご案内】 ご指定いただいた期日にお客様が必要とする部品を納品いたします |
「数か月先に生産する予定があるが、今は在庫をかかえたくない」といったお客様のお悩みはマルツエレックが解決いたします。 マルツ法人営業部でお客様の在庫を責任をもって保管し、ご指定いただいた期日に納品いたします。下記よりお申し込みください。折り返し担当者がご連絡いたします。 |
|